「なぜ反社会的勢力の排除・暴力団排除条項の文言が契約書に必要なの?」
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「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言が契約書にいる理由は御述で詳しく解説していますが、主に会社の存続危機を避けるため・反社からの不当請求を避けるために明記する必要があります。
この記事では、契約書に「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言が必要な理由に加え、それらの文言がない契約書で反社と取引を始めてしまったときの問題点についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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目次
「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」とは何か?
「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」とはどのようなものでしょうか?
法務省では、以下のように記載されています。
反社会的勢力が取引先や株主となって、不当要求を行う場合の被害を防止するため、契約書や取引約款に暴力団排除条項∗を導入するとともに、可能な範囲内で自社株の取引状況を確認する。
参照:法務省
上記のように「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言を契約書に記載することで、相互に暴力団や反社でないことを示し保証するための条項です。
反社会的勢力の定義
法務省によると「反社会的勢力」は、以下を用いて経済的利益を追求する個人や集団のことをいいます。
- 暴力
- 威力(言葉や行動で制圧)
- 詐欺的手法
参照:法務省
また、「反社会的勢力」は別名「暴力団」とも呼ばれています。反社会的勢力と暴力団の違いは、暴力団は反社会的勢力の一部で、どちらも不法行為をするのに変わりはありません。
警察庁の定義によれば、「反社会的勢力」は以下の属性をもつ者を指します。
・暴力団
・暴力団員
・暴力団をやめてから5年経過しない者
・暴力団関係企業
(資金提供などを通じて暴力団の維持・運営に関与する企業、または暴力団員が経営に関与している企業)
・特殊知能暴力集団
(法律などの専門知識を悪用する特徴で、暴力団との関係を背景に構造的な不正の中核となっている集団)
・総会屋
(会社から不当な利益を得ようとし、株主の立場を乱用する者)
・社会運動標ぼうゴロ
(社会運動を掲げながらも、不正な利益を求めて暴力的不正行為をおこなう恐れがあり、市民の安全に脅威を与える者およびその集団)
・政治活動標ぼうゴロ
(政治活動を仮装しながら、不正な利益を求めて暴力的不正行為をおこなう恐れがあり、市民の安全に脅威を与える者およびその集団)
反社や暴力団を大まかにまとめると、違法行為をする者および集団、違反行為を助長するような団体のことです。
上記2つの「行為」または「属性」のどちらかに当てはまると反社会的勢力とみなされます。
「反社会的勢力の排除」「暴力団排除条項」の関係性は?
「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」とは、各都道府県が暴力団を以下から排除するために定めた条例です。
- 自治体の事務・事業
- 住民・事業者の経済取引や事業活動
2022年12月現在、すべての都道府県で反社会的勢力の排除を施行・制定されています。
その結果、契約書に「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言が求められています。
なぜ必要?反社会的勢力排除条項の文言を契約書に定めるべき理由
先ほどは「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言を契約書に定めるべき理由を簡単に解説しました。
ここからは、より具体的に反社条項の文言を契約書に定めるべき理由を解説します。
主に以下4つの理由があります。
会社の存続危機を避けるため
コンプライアンスを守るため
反社からの不当請求を避けるため
社会的責任のため
それでは、1つずつ見ていきましょう。
会社の存続危機を避けるため
「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言を契約書に定めるべき理由の1つ目として、「会社の存続危機」につながるリスクがあるためです。
もし反社との取引が明るみになった場合、「コンプライアンス違反企業」とレッテルを貼られることに加え、風評被害で他の取引先との関係が途切れてしまったり、銀行融資を止められたり、会社の存続危機に陥る可能性があります。
さらに反社に資金提供をしたとみなされる恐れもあるため注意しましょう。
過去には、反社との関わりを疑われ上場廃止になった企業も存在します。
契約書に「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言を記載して、相互に暴力団や反社でないことを保証することが重要です。
コンプライアンスを守るため
コンプライアンスとは、企業などが規則や法令を守ることです。
契約書に「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言を記載して、相互に暴力団や反社でないことを保証することは、コンプライアンスを守ることに繋がります。
契約に反社条項の文言を定めることは、自社のコンプライアンス強化になることに加え、お客さまの満足度向上・お客さまの期待や信頼に応えられるため経営がうまくいくことにもつながります。
反社からの不当請求を避けるため
反社条項の文言を契約書に定めるべき3つ目の理由として、反社からの不当請求を避けるためです。
具体的には「反社のわれわれと付き合いがあると公表」される脅迫・恐喝に加え、不当請求されるといった被害があります。
これらのトラブルは反社と一度でも取引をすると長期に及ぶ被害になることもあるため、注意が必要です。
対策として契約に反社条項の文言を記載し、相互に暴力団や反社でないことを保証しましょう。
反社からの不当請求には、以下2つの種類があります。
接近型の不当請求
接近型による不当請求では、一方的なお願いや勧誘で近づき不当請求をおこなうパターンです。
接近型の不当請求では、以下のものを請求されます。
- 物品の購入
- 下請契約の要求
- 機関誌の購読
- 寄付金や賛助金の請求
接近型不当請求の断り方は、反社に攻撃の糸口を与えないように理由をつけずキッパリ断ることが適切とされています。
攻撃型の不当請求
攻撃型による不当請求では、事業者側のミスや不祥事につけんこんで不当請求をおこなうパターンです。
攻撃型の不当請求では、以下のものを請求されることがあります。
- 商品の欠陥や従業員の対応不備などのクレームをつけて金銭を請求
- 公開質問状を公開し、裏でお金を請求
- 街宣車による街宣活動をしながら、裏でお金を請求
攻撃型不当請求の断り方は、事実関係を調査しミスや不祥事が真実であれば、適切な開示や再発防止策の徹底等で対応しつつ、不当請求をはっきり拒絶するのがポイントです。
社会的責任のため
契約書に「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言を記載し、相互に暴力団や反社でないことを保証することは、会社の存続危機を回避するだけでなく、社会的な責任を果たすうえでも重要です。
また政府は企業に、暴力団関係者への利益供与の禁止や、契約締結時には暴力団排除条項の文言を設けることを求めており、上記の文言がないと社会的責任を果たしていないとみなされるリスクがあります。
反社会的勢力排除条項の文言を契約書に設けるメリットや効果
ここからは「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言を契約書に設けるメリットや効果について解説します。
契約に暴力団や反社でないことを保証するだけでなく、以下のメリットや効果があります。
反社条項の文言がなく反社と取引をしてしまった場合、以下のような取り返しのつかない事態になる可能性もあるので、ぜひ参考にしてください。
- 取引前に取引をキャンセルしやすい
- 契約した後でもスムーズに取引解消できる
それぞれ解説します。
取引前に取引をキャンセルしやすい
反社条項の文言を契約書に設けるメリットの1つ目は、取引前に相手方が反社会的勢力であると判明した場合に、取引をキャンセルしやすくなる点です。
取引には「契約自由の原則」があるため、反社条項の文言がなくても取引キャンセルは可能です。
しかし、実際に反社会的勢力を目の前にしたとき取引を断るには勇気がいるだけでなく、不当請求される可能性も高いといえます。
さらに反社条項の文言がないと取引をキャンセルしずらく、そういった状況にならないためにも「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言を契約書に設けることは必須です。
また反社条項の文言を契約書に記載するのと同時に、取引先が反社であるかチェックする反社チェックも大切になります。
反社チェックはツールを利用すれば、はじめての方でも簡単におこなえます。
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契約した後でもスムーズに取引解消できる
反社条項の文言を契約書に記載する2つ目のメリットは、契約後でもスムーズに取引解消できる点です。
もしも取引後に相手方が反社会的勢力であると分かった場合には、会社の存続危機や不当請求を避けるために一刻も早く契約を解除する必要があります。
しかし、契約時に反社条項などの記載がなければ契約解除することは難しく、解約要件が備わっていないことを逆手に取られ、さらなるトラブルにつながる可能性もあります。
そういった状況にならないためにも契約書に反社条項の文言を記載することで、相手方が反社会的勢力だと判明した際に理由を伝えることなく取引を解消可能です。
トラブルに発展してしまった場合にも、契約書の反社条項の文言が法的な証明のひとつとなるので、会社を守るためにも記載しましょう。
契約書に反社会的勢力排除条項の文言がない場合どうなる?
先ほど「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言を契約書に設けるメリットや効果について解説しました。
ここからは反社条項の文言がない状態で、反社会的勢力と取引をしてしまったときの問題点について解説します。
主に以下の2つのような問題点があります。
- レスピテーションリスク
- 取引相手が反社と判明しても契約解除するのが難しい
それぞれ1つずつ解説します。
レピュテーションリスク
反社条項の文言を契約書に設けない問題点は、レピュテーションリスクです。
レピュテーションリスクとは、別名「風評リスク」や「評判リスク」とも呼ばれ、その名のとおり企業に対する批評や不評により信用やブランド価値が低下し損失をこうむるリスクのことです。
前述したとおり、反社会的勢力との取引はレピュテーションリスクにつながり会社存続の危機に陥ります。
上記のようにならないためにも、契約書に反社条項の文言を設け、被害を最小限に抑えることが重要です。
取引相手が反社と判明しても契約解除するのが難しい
2つ目の問題点は、取引後に相手方が反社と判明しても契約解除するのが難しい点です。
反社条項の文言が契約にない場合、一般的な方法で契約を解除することになり、契約違反や債務不履行がなければ一方的な契約解除が難しいのが現実です。そのため反社との契約を解除したいのに解約できない状況に陥ります。
反社との契約を解除しなければ、わざとトラブルを起こし利益を得ようとしたり不当請求してくる恐れがあります。
そういった状況にならないために反社条項の文言を契約に設け、さらに一方的な契約解除や損害賠償請求を無効にできるよう明記しトラブルを予防しましょう。
契約書に反社会的勢力排除条項の文言を入れるのは義務?
契約書に反社条項の文言を契約書に入れるのは義務なのかについて解説します。
結論として、反社条項の文言を契約書に記載するのは努力義務として制定している都道府県や自治体が多いのが現状です。
暴排条例は各都道府県ごとに異なるため、所属している都道府県・自治体の条例を確認するのが重要です。
本記事では「東京都暴力団排除条例」と「福岡県暴力団排除条例」の2つの暴力団排除条例を紹介します。
東京都暴力団排除条例
東京都暴力団排除条例では、以下のように定められています。
【第18条】事業者は、契約の相手方が暴力団関係者でないか確認し、契約を書面により締結する場合は、当該契約の相手方が暴力団関係者であると判明した場合には当該契約を解除することができるとする特約を契約書等の書面に定めること。
【第7条】都の契約を書面により締結する場合は、都の契約の相手方が暴力団関係者であると判明した場合には当該契約を解除することができるとする特約を契約書等の書面に定めること。
都の契約の相手方が暴力団関係者と判明した場合は、当該契約を解除するよう努めるとともに、当該相手方を都の契約に関与させないよう努めること。
都の契約に係る関連契約の当事者が暴力団関係者と判明した場合は、当該都の契約の相手方に対し、当該関連契約の解除その他必要な措置を講ずるよう求めるとともに、当該相手方が正当な理由なくこれを拒否したときは、当該相手方を都の契約に関与させないよう努めること。
暴力団関係企業に対し排除措置を講じた場合、当該措置の理由、期間等を公表するとともに、国及び区市町村に対して通知すること。
参照:東京都暴力団排除条例
東京都暴力団排除条例では、反社排除条項の文言を契約書に明記しなければ罰則が発生するといったルールはありません。
しかし、コンプライアンスを徹底することに加え企業の存続危機・不当請求といったトラブルにつながる可能性があるため反社条項の文言は設けるべきといえるでしょう。
福岡県暴力団排除条例
福岡県暴力団排除条例では、以下のように定められています。
【暴力団排除条項の導入を!】福岡県暴力団排除条例では「事業者間の書面による契約に暴力団排除条項を盛り込むことの努力義務」が規定されています。
「暴力団排除条項」を導入することは、事業者間の契約関係に暴力団が介入してきた場合に大変有効であり、事業者が自らを守るためにも必要なことです。
また、不当要求等を行わなくても暴力団等と何らかのつながりを持つことは、暴力団等との密接な交際や暴力団等への利益供与への危険を伴います。
こうした事態を回避するためにも、契約書や取引約款に暴力団排除条項を盛り込むことが望ましいのです。参照:福岡県暴力団排除条例
福岡県暴力団排除条例も東京都同様に、反社条項の文言を契約書に明記するのは努力義務とされています。
また暴力団への利益の供与は禁止されており、違反した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があるため注意が必要です。
取引先が反社であることを知らなかったとしても、利益を提供していたとみなされれば罰則を受けることに加え、風評被害で会社の存続が難しくなります。
上記のようにならないためにも、「暴力団排除条項」や「反社会的勢力の排除」の文言を契約書に記載して、相互に暴力団や反社でないことを保証しましょう。
まとめ
当記事では、「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言が契約書に必要な理由について徹底解説しました。
反社条項の文言が契約書にない場合、取引後に相手方が反社と判明しても契約解除が難しかったり、風評被害によって会社存続の危機に陥る可能性があります。
上記のようなトラブルにならないためにも、取引する際には契約書に「反社会的勢力の排除」や「暴力団排除条項」の文言を明記すること。そして反社チェックを同時におこないましょう。
反社チェックは、SBI証券が監修しているRoboRoboコンプライアンスがおすすめです。
他社に比べて低単価で反社チェックがおこなえ、年会費や初期費用がなく従量課金制のため、なるべく低コストで反社チェックしたいならぜひ導入しましょう。