新しく取引を始めたい企業があるとき、安心して取引を進めるためにも事前に詳しい情報を知っておきたいと考えるのではないでしょうか。
この記事では、表面上の情報だけではなく、詳しい企業情報を把握したい人に向け、調べ方や調べるべき情報、注意点などについて解説します。
信頼できる情報源についても紹介しますので、参考にしてください。
目次
企業情報の調べ方
企業情報は専門の業者に依頼して調査してもらうことも可能ですが、ここでは主に自分で調べる方法を解説していきます。
インターネット情報を検索する
最も簡単に調べられるのがインターネットで検索する方法です。
まずは対象となる企業が公式ホームページやSNSなどで発信している一次情報があります。
ほかにも企業情報データベースや、企業情報検索サイトなどを活用することで情報を集められます。
業界専門誌で調べる
業種別などで企業の情報がまとめられている企業情報専門誌も多く刊行されています。
業界専門誌は購入できるため、調べる機会が多いなら自社に備えておくのもいいでしょう。
図書館でも閲覧できることが多く、必要なときだけ参照するのも一つの方法です。
図書館に行って調べる
図書館では過去の新聞や、すでに市場では購入できなくなった書籍なども所蔵しています。
地域の図書館はもちろん、大学の図書館や国立国会図書館も活用してみるといいでしょう。
国立国会図書館オンラインや国立国会デジタルコレクションで検索できるほか、国立国会図書館サーチでは全国の公立図書館や研究機関などが所有する資料も探せます。
企業情報を調べる目的
企業情報を調べる目的は何か、大きく分けて2つのケースが挙げられます。
取引する会社のことをよく知るため
財政状況や過去から現在に至る取引状況、評判や信頼性、反社会的勢力に関係していないかなどをチェックします。
信用できる会社なのか?
会社自体はもちろん、経営者についても調べておきたいところです。
これまでトラブルが起きていないか、反社会的勢力とのかかわりがないかなど、取引相手として信用できることを確認することが目的です。
収入は十分にあるのか?
実際に取引を開始してから、支払いが滞るようでは困ります。
代金が回収できなくなるリスクを避けるために、あらかじめ十分な収入があるかどうかの確認が必要です。
会社をとりまく状況は日々変化することもあり、特に直近の状況を調べる必要があります。
未払い金・未回収金はないか?
未払い金や未回収金がないかなど、健全な財政状況を保っていることも大事なポイントです。
たとえ資産を有していても安心はできません。
不渡りを出したときなどに、担保として差し押さえられる可能性があるからです。
就職活動時に会社のことをよく知るため
就職を希望する会社を詳しく研究する必要があります。
具体的には業績や成長性、競争力のほか、社長の人柄や意欲、経営姿勢などです。他社との比較もしながら、自分に合う会社かどうかを見極めていきましょう。
企業を調べておくことで、ターゲットとする会社への志望動機をより具体的にすることにもつながります。
企業情報とは?
企業情報といっても会社の代表者名や住所、従業員数などの基本的な情報もあれば、財務情報や経営理念、創業から現代に至るまでの社史などもあります。
公式ホームページなどで一般公開されている情報だけにとどまらず、多種多様な情報を調べることが大切です。
最近の動向なども含め、企業情報を詳しく調べましょう。
会社の基本情報
会社の基本情報は公式ホームページなどでもある程度確認できます。
ただ、会社はそもそも自社のいい部分しかアピールしません。
会社名や代表者名などで検索して出てくる企業の口コミサイトなどをチェックすることも一つの方法です。
会社自身が公開している基本情報や口コミを集め、さらに詳しく調べる糸口にしましょう。
企業の詳細情報
ホームページのない中小企業について知りたい場合、法人登記簿で詳しい情報が分かります。
会社の商号や所在地、事業内容や資本金、設立年月日、役員に関する情報などが記載されており、インターネット上では知り得ない情報もあります。
法務局で申請用紙に必要事項を記載して手数料を支払えば、誰でも閲覧や登記事項証明書の取得が可能です。
所定の手続きを行うことで、オンラインでの閲覧もできます。
財務関連情報
会社は年に一度の集大成として、資産や負債などの財政状態、売上高や費用などの経営成績を決算書としてまとめています。
株式を上場する会社では投資家の判断材料となるように、有価証券報告書も開示しなければなりません。
また、上場企業では決算書の速報版として、四半期に一度、決算短信も作成しています。
会社の業績や経営状況を知りたいときは、決算書などの財務関連情報を確認しましょう。
社史・企業理念
過去に新聞で報じられたことがあれば、社名や代表者名で検索することで過去記事を探せます。
特に反社会勢力とのかかわりがあれば事業の継続自体が難しくなるリスクもあるため、チェックが欠かせません。
新聞の過去記事はデータベースとして残されており、新聞資料室や図書館などに保存されているほか、オンラインで記事検索できるサービスもあります。
役に立つインターネット検索サイト
企業情報を得るのに役立つインターネット検索サイトを紹介します。
日経テレコン21
日本経済新聞社が提供するデータベースです。
日経4誌の記事や全国の主要約3万社にのぼる上場企業の情報を収録しています。
企業の概要や業務内容、財務諸表、業界動向や市場シェアなどを確認できます。
TDB企業サーチ
「TDB企業サーチ」は帝国データバンクが提供しているデータベースで、決算公告をはじめとした開示情報を閲覧できます。
さらに、「企業概要データベース COSMOS2」ではさまざまな条件での検索ができ、営業開拓や与信管理などに活用されています。
TSR企業情報データベース
国内はもちろん海外の企業も掲載している、東京商工リサーチが提供するデータベースです。
基本情報や資本金、従業員数、業績の推移や取引銀行をはじめとしたさまざまな情報を網羅し、利用する用途に応じてプランが選べます。
総合企業情報データベース(eol)
株式会社アイ・エヌ情報センターが提供するデータベースで、国内株式公開企業を中心に情報を掲載しています。
開示書類はもちろん、事業報告書や貸借対照表、有価証券報告書をはじめとした財務情報の閲覧も可能です。
EDINET
「EDINET」は金融庁が提供しているデータベースです。
「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」に基づき、金融庁の専用ページから企業が開示した有価証券報告書などの書類を閲覧できます。
役に立つ業界専門誌
企業情報を集めるのに役立つ業界専門誌を紹介します。
東商信用録
東京商工リサーチが所有している情報をもとに、年に1回刊行している企業調査データです。
上場企業だけではなく、年間売上高が1億円以上の未上場企業も対象とし、有力な企業や新興企業の情報を地域別に掲載しています。
帝国データバンク会社年鑑
帝国データバンクが所有する企業情報データベース「COSMOS2」の情報をもとに年1回刊行している専門誌です。
国内の有力企業や優良企業、金融機関の情報を掲載しています。4冊1組で西日本編・東日本編の各2冊刊行されています。
主要企業要覧
帝国データバンク会社年鑑と同じく、帝国データバンクが年1回刊行しています。
地域ごとに主要企業の基本情報、従業員数、純利益などが掲載されています。
業種別や五十音別に掲載され、国立国会図書館や地域の図書館で閲覧可能です。
会社四季報
東洋経済新報社が年に4回発行しています。
国内の上場企業、約3,700社の事業内容や業績、株価チャートや株価指数などの情報が掲載されています。
東洋経済新報社が独自に出している業績や配当、ファイナンスなどの予想も見られるのが特徴です。
全国各種団体名鑑
原書房が2年に1回刊行しているもので、国内にあるさまざまな団体の情報が網羅された専門誌です。
ジャンルは政治や経済、学術や文化など11の分野にわたり、約6万団体の基本情報や会員、刊行物などが掲載されています。
企業情報を調べるときに注意するポイント
実際に企業情報を調べる際の注意点を解説します。
情報源の信頼性を確認する
情報はなによりも正確でなければなりません。
曖昧なものではなく、情報の根拠までしっかり確認し、信頼できる情報だけを集めることが大事です。
信頼度が高いところが発表している情報を参考にするようにしましょう。
調べたいことを明確にしておく
対象となる会社の情報を全て網羅しようとすると、それだけ手間も時間もかかります。
あらかじめ知りたいことを明確にしておき、必要な情報だけ集めるのがポイントです。
実際に自分の目で確かめてみる
インターネットでさまざまな情報を検索できるのは便利ですが、全てを鵜呑みにしてはいけません。
一般向けサービスが調査の対象であれば自分が顧客になってみる、直接店舗を訪れてみるなど、自分の目で見て判断することも大事です。
まとめ
安心できる会社と取引するためには、事前にしっかり調査をする必要があります。
インターネットで会社の公式ホームページや信頼できるデータベースで調べられるほか、業界専門誌でも情報収集が可能です。
ただし、インターネットでは調べられる情報が限られる場合もあるので注意が必要です。
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