反社会的勢力を見分けるのは難しくなっており、一般企業と区別するのが簡単ではなくなっています。しかし、誤って反社会的勢力と関われば自社の存続が危うくなるため、注意が必要です。
この記事では、コンプライアンスチェックの企業担当者に向けて、反社会的勢力の見分け方を解説します。
反社会的勢力をチェックする具体的な方法も解説するため、ぜひ役立ててください。
目次
反社会的勢力の見分け方【個人】
ここでは、個人が反社会的勢力かどうか見分ける方法を解説します。
ただし、ここで解説するのは一部の要素であるため、当てはまるからといって必ず反社会的勢力であるとは限らない点に注意してください。
高額な支払いでも現金払い
反社会的勢力に該当する個人は、100万円以上の支払いでも、クレジットカードではなく現金で支払おうと要求する傾向があります。
反社会的勢力に該当する個人が現金払いを好む理由は、マネーロンダリングされていない現金を使用するためです。
マネーロンダリングとは「資金浄化」のことであり、不正な方法で手に入れたお金の出どころをわからなくする手法を表しています。
お金の流れが見えると困るので、高額な支払いをしても領収書を受け取らないことも特徴です。
夏でも長袖を着用
反社会的勢力に該当する個人は、暑い季節もずっと長袖の服を着用しているケースも少なくありません。
長袖の服を着ていれば、腕の刺青や注射跡を隠せるからです。
一般的に、刺青がある人は反社会的勢力と見られる傾向があります。
ただし、ファッションとして刺青を入れている人や長袖を好む人もいるため、反社会的勢力だと決めつけるのはよくありません。
自動車のナンバー
反社会的勢力が所有する自動車のナンバーには特徴があります。
とくにゾロ目が人気であり、ラッキーセブンの「7777」や、末広がりを表す「8888」などのナンバーがよく見られます。
また、語呂合わせの「5910」(ゴクドウ)や「893」(ヤクザ)などのナンバーも多いです。
ただし、個人の趣味や趣向にもよるため、ナンバーだけで反社会的勢力であるとの断定はできません。
馴染みのない隠語
反社会的勢力は、仲間同士で特有の隠語を使用している場合があります。
一般的にあまり馴染みのない言葉を使っている人には、注意する必要があるでしょう。
反社会的勢力が好んで使用する隠語の例を挙げると、以下のとおりです。
- 「ショバ」:場所
- 「オートン」:自動車
- 「ポンプ」:注射器
- 「ラッパ」:嘘
ほかにもさまざまな隠語が使用されているため、相手が使っている言葉をよく聞いて判断することが大切です。
反社会的勢力の見分け方【法人】
ここでは、反社会的勢力に該当する可能性がある法人を見分ける方法について、具体的に解説します。
アピールが行き過ぎている会社
企業のブランディングやPRといった「アピール」が行き過ぎている会社は、反社会的勢力とのつながりがある可能性があります。
とくに、実績や人脈を強調している会社には注意が必要です。
安易に人脈を広げようとし、気づかないうちに反社会的勢力とつながってしまうケースもあります。
企業の悪い噂を消すために、無理に良い面をアピールしようとしている場合もあります。
アピールが多いからといって、反社会的勢力と関わりがあると断定はできませんが、嘘の情報を謳っている可能性もあるため気をつけましょう。
明らかに悪い評判がある会社
悪い評判が目立っている会社は、反社会的勢力とつながっているリスクがあります。
もちろん、根拠のない噂が広がっている可能性もありますが、まったく問題がなければ悪い評判になるケースはあまりないでしょう。
会社の評判については、インターネットや新聞記事の検索などでチェックできます。取引を行う際は必ず相手企業の評判を調べ、問題がないか確認してください。
契約書の暴力団排除条項の修正または削除を求める会社
各都道府県で暴力団排除条例が施行されており、契約書に暴力団排除条項を設けるのが一般的になりました。
暴力団排除条項は、契約相手に反社会的勢力と関わりをもたないことを約束させるものです。
違反が見つかれば取引を解除できます。
場合によっては、逮捕につながる可能性もあるでしょう。
契約書の暴力団排除条項について修正を求めたり、暴力団排除条項を理由として取引の中止を申し出たりする相手の場合、反社会的勢力に該当する可能性が高いです。
反社会的勢力が企業に近づく手口とは
反社会的勢力はさまざまな手口で一般企業に近づいてきます。
どのような場合でも相手を完全に遮断するのは困難です。ここでは、具体的な手口を解説します。
従業員として入社する
自社に合う優秀な人材が見つかった場合、反社会的勢力に該当するとは知らずに従業員として採用してしまうケースもあります。
反社会的勢力に該当する人は、事前にほかの従業員と知り合いになったうえで入社するパターンが多いです。
この場合、反社会的勢力だと判明するのは具体的な問題が生じてからになるでしょう。
取引先として近づく
反社会的勢力は、一般企業のふりをして取引をもちかけてくる場合もあります。
反社会的勢力の資金集めのために、利用されているフロント企業もあるため注意が必要です。
また、そのような反社会的勢力と関わりがある企業と取引してしまうケースもあります。
取引先が反社会的勢力とつながっているか判断するのは難しく、大企業でも見逃す可能性があります。
飲食の場を利用して近づく
反社会的勢力が企業と取引するための手段として、飲食の場を利用するパターンもあります。
たとえば、最初は飲み仲間として仲良くなった相手が反社会的勢力である場合、後からその事実に気づくケースも少なくありません。
そのような相手は頭が良く、話も上手い傾向があります。反社会的勢力と関わりを持たないだけでなく、怪しい投資話をもちかけてくる可能性があるため注意しましょう。
トラブルの対応や仲裁を名目に近づく
社内外におけるトラブルの対応や仲裁の役目を担い、企業と関係を築こうとする反社会的勢力も存在します。
自社のために熱心に活動してくれるので、信用できる相手だと勘違いしてしまうケースが多いです。
しかし、反社会的勢力は資金の獲得を目的にしています。
安易に相手を信じると大きな問題に発展するため、取引は慎重に進めなければなりません。
見分けるのが難しいからこそ反社チェックが必要
反社会的勢力を見分けるのは難しいため、反社チェックをしっかり行う必要があります。
ここでは、反社チェックの方法について見ていきましょう。
自社による独自調査
反社チェックは、自社の独自調査でも対応可能です。
調べたい相手についてインターネットや新聞のデータベースで検索すれば、反社会的勢力に関する情報が見つかる可能性があります。
また、業界団体に問い合わせるのもひとつの方法です。
業界団体が反社会的勢力についての照会システムを用意しており、相手企業についてくわしい情報を保有している場合があります。
興信所や信用調査会社に依頼
さらに取引企業を調査したい場合は、興信所や信用調査会社に依頼すると効果的です。
依頼する機関によって調査方法や得られる結果も異なります。
いずれにせよ、自社の独自調査では得られないくわしい情報を入手できる可能性が高いです。
ただし、その分のコストもかかるため、費用対効果を考慮したうえで依頼する必要があります。
行政機関への照会・相談
相手が反社会的勢力である可能性が高い場合は、警察や暴力団追放運動推進センターの窓口にも相談しましょう。
相手が個人なら氏名、生年月日、住所などがわかる資料、法人なら本店所在地の住所がわかる資料が必要です。
また、反社会的勢力だと思われる根拠資料も持参すると、スムーズに確認を進められます。
反社チェックツールの利用
反社チェックを行う際は、反社チェックツールを利用すると客観的な情報を得やすくなります。
担当者が独自にチェックする場合、個人的な基準によって判断に差が出る可能性があるためです。
機能が充実していて操作性も高い反社チェックツールを活用すれば、業務効率を高めつつ着実に反社チェックを進められます。
なかでも取引先が法令を遵守していなかったり、社会規範に反するような活動がないかを自動でチェックができる『RoboRoboコンプライアンスチェック』がおすすめです。
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まとめ|反社会的勢力の見分け方や特徴を理解することが大切
反社会的勢力と関わりをもたないためには、反社会的勢力の特徴をよく理解することが大切です。
そのうえで反社チェックを実施し、しっかり見極めましょう。
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