反社チェックは、健全な企業活動のために欠かせない作業です。日々の業務の合間に反社チェックを行わなければならないため、できるだけ効率的にチェックするために代行を検討している担当者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、反社チェックの方法としてどのような選択肢があるのか、おすすめの方法などについて解説します。反社チェックの代行を導入する際に、参考にしてください。
企業にとって反社チェックが必要な3つの理由
反社会的勢力と関わりがある企業は、意図しない場合でも、上場や融資の廃止、行政処分など、さまざまなリスクを負う可能性があります。そのため、企業活動の存続のためには、契約前の反社チェックが欠かせません。
企業コンプライアンスという観点以外でも、反社チェックは重要とされています。以下では、反社チェックを行うべき理由3つについて解説します。
政府の方針
2007年に、厚生労働省から「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」が公表されました。反社会的勢力の活動の不透明化や巧妙化によって、反社会的勢力と知らずに取引を行ってしまう企業が出てくることを危惧し、策定された指針です。
この指針では、5つの基本原則とそれに基づく対応など、反社チェックについての明確な指針が提示されています。企業としては、政府の方針に基づき徹底的な対策が必要でしょう。
※参考:厚生労働省:「企業が反社会的勢力からの被害を防止するための指針」について
各自治体で制定されている条例
政府だけでなく各自治体でも、反社会的勢力を排除するための条例である「暴力団排除条例」が制定されています。一般市民や企業が反社会的勢力との関わりをもたないようにし、反社会的勢力に資金が流れないようにするための条例です。
暴力団排除条例は、47都道府県と一部の市町村で施行されています。東京都の条例では、都民への努力義務として、契約時に相手が暴力団関係者でないことの確認や、不動産を貸す際に暴力団事務所として使用しない旨の特約を定めることなどを求めています。
※参考:警視庁:東京都暴力団排除条例について
経団連による表明
東証一部上場企業を中心として構成されている一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)からも、反社会的勢力の排除を表明しています。経団連が会員企業に求める行動原則「経団連企業行動憲章 実行の手引き」に、反社会的勢力との対決姿勢について記載されています。
企業倫理の確立や反社会的勢力との関係遮断、反社会的勢力への毅然とした対応など、各企業が取るべき姿勢や、具体的に求められるアクションについて定められています。企業活動を行うのであれば、これらを実施しなければならないでしょう。
※参考:Keidanren Corporate Behavior Charter / Chapter 7.
反社チェックを導入する際に行うべきこと
ここでは、反社チェックを導入する際に企業が行うべきことについて解説します。
反社チェックを行う上での課題を明確にする
自社で反社チェックを実施する場合、なにが課題となりそうなのかを確認しておきましょう。チェックにかかる作業工数や、信頼できる調査方法の検討、相手が反社かどうかどのように判断するのかなどが、一般的な課題として挙げられます。
これらが課題となる場合には、自社で反社チェックを行うよりも、調査代行サービスや専用ツールの活用がおすすめです。
利用目的と一致するものを選ぶ
代行サービスやツールを導入する場合は、自社の利用目的と一致するものを選ぶ必要があります。確認すべきポイントとして、サービスやツールが何を情報源としているか、既存の取引先管理システムなどとの連携が必要かどうか、といったものがあります。
反社チェックの方法
ここでは、代表的な反社チェックの方法を紹介します。
インターネット検索
反社チェックの代表的な方法が、インターネット検索です。検索エンジンで取引先の企業名や担当者の氏名などを検索し、反社会的勢力に関する情報がヒットしないかどうかを確認します。
単純に社名や氏名を検索するだけでなく、「反社」「違法」「不正」などのネガティブワードを含めて検索する点がポイントです。
新聞記事検索
検索エンジンだけでなく、新聞記事のデータベースで情報を確認する方法もあります。インターネット検索と同様に、取引先の企業名や担当者の氏名をデータベースで検索し、過去に報道された内容をチェックする方法です。新聞に掲載されるほどのことを犯した人を洗い出すときに有効でしょう。
専門調査会社への依頼
インターネット検索や新聞記事検索で情報がヒットしない場合や、反社と疑われる情報がみつかり詳しく調査したい場合などは、専門の機関に調査を依頼しましょう。調査会社や興信所に依頼すると、官公庁情報の収集や現地調査など、より踏み込んだ調査が行われます。
暴力団追放運動推進センターには、反社であることがわかる証拠が集められたときに報告しましょう。調査の必要性があると判断された場合は、該当の企業や人物を反社かどうかの調査が始まります。
反社チェック代行サービスやツールを活用する
反社チェックを導入するうえでの課題として、チェック作業に必要な人員や工数の確保、自社でどれくらい精度の高い調査が行えるか、などが挙げられます。これらの課題を解決し、効率的にチェックを進めるには、代行サービスやツールの活用がおすすめです。
反社チェックツールについて、以降で詳しく解説します。
反社チェックツールとは?
反社チェックツールとは、自動で対象の情報を収集し、反社会的勢力と関わりがあるかどうかをチェックできるツールです。人の手で反社チェックを行う必要がないため、チェックにかかる人員や工数を抑えられます。
精度の高い調査が自動で行えるため、担当者によって判断基準がバラバラになるなどの事態も防げます。
反社チェックツールの特徴
通常、インターネット検索や新聞記事検索は手動で行いますが、反社チェックツールはその工程を自動で済ませられます。
反社チェックツールが調査に利用する情報源は、インターネット上の記事や新聞、独自のデータベースなどです。具体的になにを情報源としているかは、ツールによって異なります。
反社チェックツールを選ぶ際のポイント
反社チェックツールの導入を検討しているのであれば、ツールの選び方も確認しておきましょう。
料金やサービス内容
反社チェックツールの導入時には、ツールごとの料金を比較して選びましょう。予算を決め、その範囲内で利用できるツールを選ぶようにします。
コスト面だけではなく、それぞれのサービスの特徴を確認し、自社の利用目的にあった内容になっているかどうかも重要です。無料トライアルを行っているのであれば、実際にサービス内容を試せます。
確認するべき情報源や機能
反社チェックにおいて、なにを情報源とするかは非常に重要です。ツールを選ぶ際も、調査に使われる情報源は必ず確認しましょう。
風評検索機能の有無を確認することも大切です。インターネット記事や新聞記事などの公式な情報だけでは、反社とのつながりを見つけられないケースもあります。インターネット風評検索ができるツールなら、より精度の高いチェックが可能です。
古い情報は信頼性が低いため、データの更新頻度が高いツールを選ぶこともポイントです。
反社チェック代行を活用する際の注意点
反社チェックを代行する場合、運用方法の確認も必要です。ツールによっては、検索結果の目視確認や手動でのデータ保存などが必要なものもあります。このような運用方法では、作業工数が減らすことは難しいでしょう。
反社チェックの調査や判断にかかる工数の削減するためには、反社チェックに関わる業務を丸投げできるサービスやツールを選ぶことがおすすめです。
まとめ
政府や自治体、経団連が反社会的勢力の排除を表明しており、各企業にも反社チェックの実施が求められています。インターネット検索や新聞検索など、調査にかかる工数を削減したい場合は、反社チェックの代行を検討してみてください。
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