反社会的勢力(反社)とは威力・暴力、もしくは詐欺的な手法を使って利益を追及する個人や集団のことをさします。企業は、不当な要求をする反社会的勢力との取引や関わりを排除する取り組みを行わなければいけません。
本記事ではコンプライアンスチェックを行う実務担当者に向けて、反社会的勢力の特徴やチェック方法を解説します。
目次
反社会的勢力とは
反社会的勢力とはどのような勢力を表すのでしょうか。この章で詳しく解説します。
概要
反社会的勢力とは常習的もしくは集団的に、暴力的不法行為等の助長をする恐れがある団体などのことです。反社とも呼ばれており、具体的には暴力団、暴力団関係企業、総会屋、反グレ集団などが該当します。
以前、反社会的勢力は暴力行為や賭博、恐喝、覚せい剤などの目立った行動を取っていましたが、1992年に暴力団対策法等が強化されたことでこうした行動をとる団体は少なくなりました。しかし、近年は活動の実態を隠しながら、活動している反社会的勢力が増えつつあります。
見極めが難しくなっている
法律による取締り強化を受け、反社会的勢力は表向きに政治活動や社会運動などに取り組んでいます。通常の企業活動を装う反社会的勢力もあり、グレーゾーンにいる人が増えている状況です。そのため警察ですら反社会的勢力の実態を把握しづらいとされています。
暴力団構成員は減っているものの、暴力団への資金協力を行う団体が存在するなど反社会的勢力は多様化していると言えるでしょう。
反社会的勢力の企業への近づき方
反社会的勢力が企業に近づく方法は、接近型と攻撃型に二分されます。
接近型とはその名の通り、反社会的勢力が企業に対して一方的にお願いをしてくるかたちです。賛助金や寄付金を要求されたり、下請け契約や機関紙購読を求められたりなどするケースが多くなっています。
一報、攻撃型は反社会的勢力がクレームを言ってきたり、金銭の支払いを請求したりなどして企業に近づく方法です。役員のスキャンダルなどを利用して公開質問状を出してくる場合もあるため、注意しなければいけません。
企業は反社チェックが必要
企業は反社会的勢力との接触を防ぐために、定期的に反社チェックを実施することが大切です。反社チェックとは、取引先となる相手が反社会的勢力でないか確認する作業です。もしくは取引先の関係者に反社会的勢力に該当する人・集団がいないかをチェックします。反社チェックではなく、コンプライアンスチェックと呼ばれるケースもめずらしくありません。
反社チェックは企業が存続するためにも重要な作業ですが、具体的な確認方法は企業に任されている状況です。
行う対象・タイミング
反社チェックを実施する対象は、基本的には新規取引先企業です。加えて企業に関係する税理士や弁護士、自社の従業員、株主なども反社会的勢力でないか確認する必要があります。
反社チェックを実施するタイミングは新しい取引を始めるとき、自社の役員が就任するとき、従業員が入社するときなどが挙げられます。このほかにも株主を増やしたり、変更したりする際も反社チェックを行うのが一般的です。
反社チェックが必要な理由
反社会的勢力であるか確認することは重要ですが、その理由は大きく3つあります。それぞれの内容を解説します。
資金源を遮断するため
反社チェックを実施することで、反社会的勢力への資金の流れを遮断できます。
政府や各地方自治体は指針・条例を定めており、反社会的勢力の排除に動いている状況です。これを受け、企業は反社会的勢力との取引を含めた一切の関係遮断が求められています。反社チェックを行えば、企業として反社会的勢力の排除に協力できるのです。
企業の存続のため
仮に企業が反社会的勢力と取引した場合、資金提供とみなされて以降の存続がかなり厳しくなります。故意でないにしろ反社会的勢力と取引を行うと、罰則、行政指導、上場廃止、銀行からの融資停止などの対処が取られる可能性が高いです。
企業としてビジネスを継続したり、従業員の生活を守ったりするためにも、反社チェックの実施は非常に重要です。
安全性を確保するため
企業と反社会的勢力との間につながりがあると、「反社会的勢力とのつながりを公表する」と脅迫、恐喝、不当要求などのトラブル被害に発展するリスクがあります。社員が安心して働けなくなる恐れも出てくるでしょう。
正式な契約を締結する前に、相手先が本当に信頼できるのか確認するためにも反社チェックの実施が必要です。
反社チェックの実施方法
反社会的勢力であるか確認する方法としては、全部で3つです。どのようにチェックするのか順番に確認しましょう。
自社で調査する
自社で反社チェックを実施する場合は、インターネットや新聞記事などで取引先に関する情報を集めて調査する方法があります。企業名だけでなく、取締役や役員の名前も調べて過去に大きな問題を起こしていないか確認するといいでしょう。
また企業情報をチェックしたり、取引先が属する業界団体に問い合わせたりする調査方法もあります。取引を始めようとしている企業の取引条件などを確認して、反社会的勢力でないか判断します。
専門調査機関に依頼する
自社で反社チェックをするのが難しいかったり、公知情報から怪しい内容が出てきたりした場合は、専門調査機関に依頼しましょう。興信所や信用調査会社などの専門調査機関であれば、一般企業ではしらべられないような調査が可能です。
ただし、この場合は費用がかかります。自社で反社チェックにおける予算や調査してほしい内容を明確にしたうえで、専門調査機関に相談すると話がスムーズに進むでしょう。
警察・暴力団追放センターに相談する
取引先が反社会的勢力である可能性が高い場合は、速やかに警察や暴力団追放センターに相談してください。このとき、できれば反社会的勢力と思われる人の名前、生年月日、住所などの資料を提供すれば照会がスムーズに進みます。
取引先が反社会的勢力であるかもしれない状況で、契約を締結するのは企業としてリスクが高い行動です。一方で反社会的勢力であることをきちんと証明できないと、取引先から不当な契約解除だと指摘されるケースもあるため早めに警察などに相談した方がいいでしょう。
契約時に反社条項を定める
反社条項とは、反社会的勢力の排除について定める条項のことです。契約時に反社条項を盛り込むことで、取引する相手自身が反社会的勢力でないこと、また反社会的勢力と関係がないことを約束してもらえます。
もし相手が反社会的勢力であることに取引の途中で気づいても、あらかじめ反社条項を定めておけばその時点で契約解除が可能です。反社会的勢力回避の方法としても有効と言えるでしょう。
反社会的勢力排除は日頃の対策が重要
反社会的勢力を排除するためには日頃から社内体制を整えたり、定期的に反社チェックを行うことが重要です。
社内体制を整える
反社会的勢力を排除するために、あらかじめ担当者を決めて対応マニュアルを作るなどして社内体制を整えましょう。通報手順を社内で共有したり、撮影・録音機器などを用意しておいたりなど有事の応対方法を社員に周知しておくと効果的です。ルールは設定するだけでなく、しっかり浸透させることがポイントです。
反社チェックを定期的に行う
反社チェックは1回限りではなく、定期的に実施しましょう。気づかないうちに反社会的勢力と関わっているリスクが考えられるため、反社チェックを継続的に行うことが企業としては有効な対策になります。ただし頻度を高めることでリスクを減らせる一方で、担当者の負担が増えてしまうため適度な頻度を見極める必要があります。
反社会的勢力であると判明したら弁護士・警察に相談する
反社チェックをきっかけに取引先などが反社会的勢力であると判明したり、その可能性が高いと判断できたりする場合は、早めに弁護士や警察に相談しましょう。反社チェックの担当者である場合は、上司や関係者に相談して情報共有したうえで、対応を考えることが大切です。
手遅れになると会社の存続にかかわる恐れもあるため、十分気を付けてください。
まとめ
反社会的勢力は、社会的に排除することが求められています。企業は反社会的勢力と取り引きしたり、関係をもったりすることを避けなければいけません。一方、反社チェックの具体的なやり方は企業に一任されているため、チェックツールなどをうまく活用することが大切です。
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