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反社会的勢力排除条項とは?「反社チェック」が必要な理由や方法などわかりやすく解説

企業活動において反社チェックは重要です。現在、コンプライアンス強化の一環として、反社チェックに取り組んでいる企業も多いことでしょう。この記事は、そのような企業担当者に向け、反社会的勢力排除条項とは何か、反社チェックが必要な理由、反社チェックの方法などについてわかりやすく解説します。健全な企業活動に役立ててください。

反社会的勢力の属性や行為による規律

相手の属性や行為によって、反社会的勢力の規律が適用されるかどうかが決まります。

属性による規律

「反社会的勢力」とは、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団、その他これらに準じる者と定義されています。

準じる者というのは、例えば、暴力団を辞めてから5年以内の者や、暴力団関係企業が実質的に経営を支配している企業、店舗などです。つまり、社会通念上、反社会的勢力の一部と考えられる企業や団体、個人は、反社会的勢力として排除の対象になりえます。

行為による規律

反社会的勢力とみられる具体的な行為は、暴力的な要求行為や、契約書で締結している責任を超えた要求をすることなどです。また、脅迫によって取引を有利に進めることや風説の流布、暴力的な威力で信用を失墜させたり、業務妨害をしたりすることも、反社会的勢力の行為とみなされます。

※参考:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針 |法務省

反社会的勢力に関する近年の実情

反社会的勢力は減少傾向にありますが、形を変えて社会に定着しています。また、近年は「半グレ」勢力の台頭がみられます。

警察庁による組織犯罪の統計結果

警察庁による「令和2年における組織犯罪の情勢」によると、暴力団構成員の数は13,300人、準構成員などの数は12,700人、合計25,900人でした。減少傾向が続く背景には、平成19年に、企業が反社会的勢力による被害を防止する指針が取りまとめられたことがあります。

しかし、反社会的勢力は、企業活動を装うなど活動形態を変えて社会に定着しています。したがって、反社会的勢力を排除する働きは、依然として企業に強く求められています。

※参考:令和2年における組織犯罪の情勢|警察庁

「半グレ」の台頭

近年の特徴として、暴力団の共生者や準暴力団と呼ばれる「半グレ」の台頭がみられます。半グレは暴力団対策法の適用対象外ですが、反社会的勢力であることに変わりはありません。つまり、暴力団員に代わって増加している半グレの関係排除も、各企業に求められています。

企業活動において反社チェックはなぜ必要か

企業活動において、なぜ反社チェックが必須なのでしょうか。ここでは、社会的責任や法令遵守など5つの理由を解説します。

企業に求められる社会的責任(CSR)を守るため

反社会的勢力と取引しないことは、健全な経済活動を行うために果たすべき企業の社会的責任(CSR)です。

もしCSRを果たさなければ、自社の評判やブランド価値が下がる「レピュテーション・リスク」が増大します。また、市場に不正がはびこることで自社の事業にもさらなる影響が出る恐れがあります。

CSRを果たすためには、取引先が反社会的勢力だった場合に契約解除を可能とする「反社会的勢力排除条項」を定めることが対策の1つです。これについては後ほど解説します。

新規上場審査基準となるため

証券取引所の新規上場審査基準には、反社会的勢力との関係を予防する社内体制を整備するようにガイドラインで定められています。また、反社会的勢力との関与を防止する取り組みを行うことも定められています。ベンチャー企業やスタートアップであっても、上場に備えてこれらの条件を満たすように準備しておくことが必要です。

※参考:上場審査等に関するガイドライン|東京証券取引所

政府指針の注意義務であるため

反社チェックは政府指針で注意義務とされています。法務省作成の「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」では、「暴力団排除条項」の必要性と、自社および企業同士で反社会的勢力のデータベース構築を求める内容が明記されています。

※参考:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に関する解説 |法務省

各都道府県の条例で求められているため

各都道府県の条例によっても、反社チェックは求められています。2009〜2011年にかけて各都道府県で暴力団排除条例が制定されています。主な内容は、契約書に暴力団排除条項を設けること、契約締結時に身元を確認すること、暴力団関係者への利益供与禁止の3点です。

さらに具体的に、東京都の条例をみてみましょう。

東京都の暴力団排除条例

東京都の暴力団排除条例は、「規制対象者への利益供与禁止」と「契約上の暴排条項規定義務」の2本立てになっているのが特徴です。

規制対象者への利益供与禁止における「規制対象者」とは、暴力団員や準構成員、暴力団関係企業、利益供与規定に繰り返し違反した一般人などのことです。これらの人に利益供与すると、罰金を科せられます。

契約上の暴排条項規定義務は努力義務になっており、罰則規定もありません。しかし、この条項の対象は上記の規制対象者よりも広く、暴力団の共生者や準暴力団と呼ばれる「半グレ」も含まれることが特徴です。

※参考:東京都暴力団排除条例|東京都

金融庁の監督指針で規定されているため

金融庁は、特に金融機関に対して、公共の信頼確保のために反社会的勢力の関係を断ち、排除することを求めています。具体的な要求事項は、反社会的勢力対応部署の設置と、この部署による一元管理です。政府指針よりも厳しい基準を設けているのは、取引額が大きい金融機関の被害拡大を速やかに防止する目的があります。

※参考:主要行等向けの総合的な監督指針|金融庁

反社会的勢力排除条項とは?

反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)は、取引先が反社会的勢力だと判明した場合に契約解除できる権利を定めた条項です。契約書の条項の1つとして、売買契約書や賃貸住宅契約書、雇用契約書などに設けられます。この条項を設けることは努力義務ですが、記述がないと取引先から信頼を得られず、契約締結に影響が出ることもあります。

※参考:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に関する解説 |法務省

反社会的勢力排除条項の新設|条文作成や印紙税について

ここでは、反社会的勢力排除条項を契約書に設けるときポイントと、条項を新設した際に印紙税が発生するのかについて解説します。

条文を作成する際のポイント

反社会的勢力排除条項の新設であっても、当初から契約書に含める場合も、次の3つのポイントを守って作成しましょう。

1つ目は、反社会的勢力および反社会的行為の定義が明確であることです。2つ目は、契約書の作成者が反社会的勢力またはその関係者ではないことを宣言していることになります。3つ目は、反社会的勢力排除条項に基づいて契約解除権が発生することの明記です。

最後に反社会的勢力排除条項が、契約当事者双方で平等に義務を負う内容であるか、公平性の観点からチェックしましょう。

暴力団排除条項の例文

警視庁が作成した媒介契約書におけるモデル条項例を以下に紹介します。

※引用:媒介契約書 モデル条項例|警視庁

暴力団排除条項の新設に印紙税は課税されない

反社会的勢力排除条項を新設するための文書(変更契約書)は、課税対象に該当しません。

※参考:反社会的勢力排除条項を追加する変更契約書|国税庁

反社チェックの方法

ここでは、反社チェックの方法を、一般的なケース、慎重な調査を要するケース、危険度が高いケースの3つに分けて解説します。

一般的なチェック方法

一般的なチェック方法は次の3つです。1つ目は、企業の基本情報を確認することです。事業者、所在地、事業規模などをはじめとして、販売商品、業態、移転記録なども確認します。2つ目は、日経テレコンやGoogle検索などのデータベースを活用して、実績、評判、過去の事件などを調べる方法です。経営者や取締役の人物像のチェックも併せて行いましょう。

3つ目は、契約書に記載した反社条項への反応を確認する方法です。記述の削除を求めてくる場合は、反社会的勢力と関係があることが疑われます。

慎重な調査を含むチェック方法

慎重に調査を行いたい場合は、一般的なチェック方法に加えて、次の3つの方法を取ります。

1つ目は、一般社団法人全国銀行協会や日本証券業協会、財団法人不動産流通近代化センターなどの業界団体に問い合わせて風評調査をすることです。2つ目は企業情報についての追加資料の提出や、反社会的勢力でないことの証明を求めることです。直接オフィスを訪ねるのもよいでしょう。

3つ目は、取引先から示された契約内容を再確認することです。過度な義務・責任が生じる内容がみられたときは、反社会的勢力の関与が疑われます。

危険度が高い場合のチェック方法

一般的なチェック方法と慎重な調査によって、反社会的勢力である疑いが濃厚な場合は、次の3つのチェックを実施します。1つ目は厳格な本人確認です。特に取引先が個人事業主の場合には虚偽の記載が多いため、運転免許証やパスポートなどで確認させてもらいましょう。

2つ目は専門調査機関に調査を依頼することです。確証をつかめない場合もありますが、事業実態や業界内の評判などについて詳しい情報を得られます。3つ目の方法は暴力団追放運動推進都民センターをはじめとした行政機関に相談することです。必要性を認められれば、情報開示や警察への連絡などのサポートを受けられます。

反社会的勢力の可能性が高い場合にするべきこと

ここでは、契約前に反社会的勢力の疑いが発覚した際の対処を解説します。反社会的勢力排除条項を設けるだけでなく、事前の反社対策も準備しておきましょう。

上司や関係部署に報告、相談する

反社会的勢力の疑いがある場合は、速やかに上司や営業部門などの関係部署に報告します。懸念情報を共有することで、さまざまな観点から再調査が可能になります。

判断の詳細は相手方に伝えない

反社会的勢力の可能性が高いために取引を停止する場合は、判断の経緯や詳細は相手方に伝えません。伝えると、威圧行為や悪い噂を流されるなどのトラブルを招く恐れがあるからです。

したがって、伝える際は「自社の審査基準により取引ができない」などの表現に留めます。また、「警察からの情報による」という表現も、状況を慎重に検討したうえで使えます。

警察や弁護士に相談する

反社会的勢力の確証を得た場合には、警察や行政機関、弁護士などに相談します。こうすることで、自社以外の被害者が出ることを防止できます。

また、自社で手に負えなくなった場合も、同様に相談しましょう。例えば、弁護士からの内容証明郵便や受任通知が抑止力となり、威圧的な行為や不当な権利請求が止むケースがあります。

まとめ

契約書に反社会的勢力排除条項を設けることは努力義務です。条項を設けるとともに反社チェックも適切に行いながら、取引を行っていきましょう。

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