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反社会的勢力排除条項とは?契約締結や更新時に必要な条項についてわかりやすく解説

暴力団排除条項とは、取引相手が反社会的勢力だと判明した場合の契約解除について定める条項です。この記事では、新しい契約に際して反社チェックを行いたいと考えている企業に向けて、暴力団排除条項の基礎知識を解説します。反社チェックの方法や条項を設定するポイントも解説するため、ぜひ参考にしてください。

反社会的勢力(暴力団)排除条項とは

反社会的勢力(暴力団)排除条項とは、取引している顧客が反社会的勢力であると判明した場合に契約を解除できるよう定めた条項です。契約を締結する際に作成する契約書に反社会的勢力(暴力団)排除条項を取り入れ、万が一の事態に備えます。

反社会的勢力と関わりをもつと、企業にとって大きなダメージになります。そのため、各企業は契約書において独自に反社会的勢力(暴力団)排除条項を定めているケースが多いです。

そもそも反社会的勢力とは

反社会的勢力とは、暴力や脅しなどにより利益を得ようとする団体を表しています。2007年6月19日に公表された「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」においては、反社会的勢力は「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」と定義されました。

暴力団や暴力団に関係する企業が暴力的な行為や不法行為を行っている場合、反社会的勢力と判断されます。反社会的勢力と関わりをもつとさまざまなトラブルにつながる可能性が高いため、注意が必要です。

モデル条項

モデル条項は、反社会的勢力の排除について政府が定めた指針をもとに作られています。企業が反社会的勢力(暴力団)排除条項を作成する際は、モデル条項を参考にしましょう。

モデル条項には、契約相手に反社会的勢力でないことを求める条項が含められています。組織のそれぞれの役員が反社会的勢力でないことも重要なポイントです。また、反社会的勢力に名義を利用させる目的がないことも求めています。

東京都における条例

東京都では、反社会的勢力の排除に関する条例を定めています。具体的には、反社会的勢力として規制対象になっている相手への利益の供与を禁止しています。規制対象者は、暴力団員、準構成員、フロント企業従業員などです。

また、各企業に対して、契約書における反社会的勢力(暴力団)排除条項の設定を義務付けています。あくまでも努力義務となっていますが、反社会的勢力との関わりを防ぐためには反社会的勢力(暴力団)排除条項をきちんと定める必要があります。

反社会的勢力排除条項を設ける理由とは

ここでは、契約書において反社会的勢力(暴力団)排除条項を設けるべき理由について解説します。

レピュテーションリスクにつながるため

反社会的勢力(暴力団)排除条項を定めていない場合、反社会的勢力と関わりをもつリスクがあります。反社会的勢力と関係があると、レピュテーションリスクにもつながるため注意が必要です。レピュテーションリスクとは、企業に対する社会からの信頼やブランドの価値を著しく低下させるリスクを意味しています。一度低下した信頼やブランドの価値を再び向上させるのは、簡単ではありません。

レピュテーションリスクを防ぐためには、反社会的勢力(暴力団)排除条項により反社会的勢力との関わりを未然に断つべきです。

取引の後に発覚しても間に合わないため

契約の締結後に取引相手が反社会的勢力であると判明しても、すぐに契約解除ができるとは限りません。反社会的勢力(暴力団)排除条項による取り決めがない場合、相手が反社会的勢力であるという理由だけではスムーズに契約を解除できない可能性があります。

反社会的勢力との契約を継続している時間が長いほど、レピュテーションリスクが高まります。自社が被る損害を最小限に抑えるためには、あらかじめ反社会的勢力(暴力団)排除条項による対策が重要です。

反社会的勢力排除条項の設計におけるポイント

反社会的勢力排除条項を設計する際は、どのようなことを意識すればいいのでしょうか。ここでは、具体的なポイントについて解説します。

反社会的勢力の属性や行為を要件として設定する

反社会的勢力排除条項を決めるときは、反社会的勢力としての属性や行為を具体的な要件として設定しましょう。どのような状態にある組織や個人を反社会的勢力として定義するのか決める必要があります。反社会的勢力に属している組織や個人だけでなく、反社会的勢力と関わりがある組織や個人とも契約しないようにすべきです。

また、どのような行為が反社会的勢力に該当するかについても定める必要があります。暴力的な行為や不法行為をしている組織や個人と契約しないよう、具体的な要件を定めましょう。

反社会的勢力ではない確約に関する条項の設定

反社会的勢力排除条項においては、相手に対して反社会的勢力に該当しないことを確認する条項も定めるべきです。反社会的勢力に該当しないことを求める条項を定めておけば、相手に対して注意喚起できます。

また、あらかじめ反社会的勢力に該当しないことを確認しているため、後から反社会的勢力である事実が発覚すれば速やかに契約解除を求められます。反社会的勢力に該当するかどうかだけでなく、関わりをもっていないかどうかについても確認しましょう。

解除に関する条項の設定

反社会的勢力排除条項としては、万が一の場合に備えて契約解除に関する条項も設けておくべきです。契約解除について定めておくと、反社会的勢力との関わりが認められた場合にスムーズに手続きを進められます。

法律要件として解除条項を設定しましょう。反社会的勢力排除条項においては、無催告での解除が可能です。東京都の場合、催告のうえでの契約解除は条例違反になります。

条項の公平性に関する確認

反社会的勢力排除条項については、公平性も重要です。それぞれの条項の内容が双方にとって公平かどうか確認しましょう。

反社会的勢力排除条項のフォーマットを確認するには?

反社会的勢力排除条項を設定する際は、公開されているフォーマットを活用すると便利です。警察庁や暴力団追放運動推進都民センターが反社会的勢力排除条項のフォーマットを公開しているため、ぜひ参考にしましょう。

媒介契約書 モデル条項例 |警察庁

暴追東京ねっとわーく | 公益財団法人 暴力団追放運動推進都民センター

条項を新設した場合の印紙税

契約書において反社会的勢力排除条項を新設した場合、課税文書には該当しません。そのため、印紙税の納付も必要ありません。

※参考:反社会的勢力排除条項を追加する変更契約書|国税庁

リスク排除には反社会的勢力排除条項の策定だけでなく反社チェックも必要

反社会的勢力についてのリスクを排除するためには、反社会的勢力排除条項を設定するだけではまだ不十分です。同時に反社チェックも実施する必要があります。

ここでは、反社チェックを行わないリスクとともに、反社チェックの具体的な方法について解説します。

反社チェックを行わないことで起こりうるリスク

相手に確認をとるだけでは、反社会的勢力かどうか判断できない可能性があります。自ら反社チェックを行い、信頼できる相手かどうか確認することが大切です。

反社チェックを行わず契約を進めた場合、反社会的勢力と取引をしてしまうリスクがあります。反社会的勢力と関わりをもてば、反社会的勢力から不当に金銭を要求されるおそれがあるため注意が必要です。

また、反社会的勢力と関わりがあるという事実が明るみになると、社会的信用も著しく低下するでしょう。そのようなリスクを排除するためには、事前に反社チェックを行う必要があります。

建設業においても反社に関する要件が追加された

建設業法が改正され、建設業の許可に関しても反社会的勢力の排除に関する要件が追加されています。具体的には、暴力団員でなくなった日から5年を経過していない人は建設業の許可を受けられないと定められました。また、暴力団員が実質的に事業を支配している場合も、建設業の許可は取得できません。

建設業で正しく事業を営むためには日頃から反社会的勢力との関わりを絶ち、要件を満たし続ける必要があります。

反社チェックを行うタイミングと方法

反社チェックは、取引を開始する前に必ず実施しましょう。また、契約後に取引を継続するなかでも、定期的に反社チェックを行う必要があります。取引相手がもともと反社会的勢力との関わりをもっていなくても、途中で関わりをもつ可能性もあるため要注意です。契約を更新する際も改めて反社チェックを実施しましょう。

さらに、資金調達、上場審査、M&Aのデューデリジェンスにおいても反社チェックは重要です。なお、新しく従業員を採用する際も反社チェックを行うと安心です。

インターネットや新聞記事での情報収集を行う

反社チェックは、インターネットの検索エンジンや日経テレコンなどで実施できます。契約相手の名前などのキーワードで検索し、問題がある報道がないか確認しましょう。

また、商業登記や登記情報提供サービスも確認し、不審な点がないか見ておくことも大切です。短期間で商号や所在地が変更されていたり、法人番号が登録されていなかったりする場合は、反社会的勢力に該当する可能性があります。

調査会社などに調査を委託する

インターネットや新聞記事で情報を集めるだけでは、相手が反社会的勢力かどうか明確に判断できないケースもあります。さらに詳しい情報を知りたい場合は、調査会社などへ専門的な調査を依頼しましょう。

調査会社へ依頼すれば当然コストがかかりますが、相手についてより正確な情報を得られます。反社会的勢力との関わりを徹底的に排除するためには、入念な調査が必要です。今後の自社の運営にも影響を及ぼす可能性があるため、しっかり調査を行いましょう。

警察などに相談、問い合わせる

反社会的勢力の情報については、警察などに問い合わせると確認できる可能性があります。全国暴力追放運動推進センターや各都道府県の暴力追放運動推進センターでも相談を受け付けているため、取引相手について不安を感じている場合は連絡してみましょう。

警察などに相談するときは、相手について確認できる資料が必要です。名前や所在地などの基本的な情報とともに、反社会的勢力の可能性があるという根拠を示せるように準備しておきましょう。

まとめ

反社会的勢力との関わりを断つには、契約書において反社会的勢力排除条項を定めるべきです。適切な条項を定めて対策を強化しましょう。また、同時に反社チェックを行うことも重要です。

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