反社チェックを行うにあたって、警察のデータベースを利用できるのか疑問に思っている方はいませんか?
警察や暴追センターの反社データベースは、銀行や証券会社などの一部民間企業は直接利用できますが、その他業種の民間企業が直接参照することはできません。
ただし一般企業でも、警察等へ相談に行き、個別に相談したうえで警察に照会と回答を依頼することは可能です。
今回は、実際にコンプライアンス部門で働いていた筆者が、警察のデータベースが反社チェックに使えるのかどうかや、相談にいくべき内容・タイミングについて解説しています。
また、反社チェックツールを用いて効率的なチェックを行う方法について解説しています。
筆者の経験からいうと、最初から警察等への照会依頼のみに頼るのは、以下の理由からおすすめできません。
- 最低でも回答まで1週間ほどはかかってしまうから
- 守秘義務を理由に回答を得られないことも多いから
- 特に調査対象が個人の場合には回答を断られることが多いから
- 照会依頼の際に弁護士を通じて証拠を提出する必要があるから
これらの事情から、企業が毎回行う反社チェックとしては非効率的です。
そこで、最大で1,000件まで一括でチェックでき、AIによる自動判定で目視負担を減らせるRoboRoboコンプライアンスチェックがおすすめです!
このようなチェックツールで特に怪しい情報が出てきた場合に、ダブルチェックとして警察や暴追センターへ照会すれば、効率的に反社・コンプライアンスチェックができますよ。
目次
反社チェックに警察のデータベースは利用できるの?
後ほどご紹介する指針のなかで、国は「反社会的勢力の情報を集約したデータベースを構築する」と述べていますが、私たち一般市民がこうしたデータベースを参照することは可能なのでしょうか?
以下からは、企業が反社チェックを行う際に警察などのデータベースを利用できるのかについて解説します。
企業は警察情報を利用できない
結論から言うと、確かに警察には反社会的勢力データベースが存在しますが、企業がそのデータベースを参照することは難しい状況にあります。
一部の銀行や信用金庫、証券会社などの金融業では窓口業務の一環として警察のデータベースへ直接の照会を行っていますが、一般企業が簡単に利用できるようにはなっていません。
そのため多くの一般企業が警察等のデータベースを利用するためには、警察等に照会を依頼し、その回答を待たなければなりません。
警察や暴追センターの情報は暴力団などの伝統的な反社関連のみ
警察や全国暴力団追放運動推進センター(暴追センター)が保有している情報は、暴力団や総会屋、およびその関係者などの伝統的な反社会的勢力に限られます。
しかし、今日では反社会的勢力の定義は極めて曖昧なものであり、コンプライアンス的な観点からは非倫理的な集団・個人も排除する必要があります。
そのため、仮に警察等のデータベースにアクセスできるとしても、企業が行うべき反社チェックの方法として本当に意味のあるものといえるか疑問が残ります。
個別相談には応じてくれるが必ず情報提供を受けられるとは限らない
警察や暴追センターは、法令や指針に基づき、個別の相談に応じてデータベースへの照会や相談を行っています。
しかし筆者の体験から、個別照会は反社チェックとして使い勝手がいいとは言えません。
というのも、照会を依頼してから情報が提供されるまでに最低でも1週間ほどはかかりますし、守秘義務を理由に回答を得られないことも多々あったからです。
特に個人の犯罪歴や前科等については、法律で保護されるべき高度なプライバシーであるとの判例(参照:裁判所)があるため、照会に応じてもらえないケースが多くありました。
そのため警察への照会を依頼する場合には、チェック対象が反社会的勢力であることを推認させる証拠を十分に用意し、弁護士および弁護士会を通じて照会を依頼するようにしていました。
反社チェックはできる限りすべての取引先等に対して随時行う必要があるため、取引等のたびにこのようなプロセスを必要とするのでは、企業活動に支障が生じてしまいます。
そもそも反社チェックとは?なぜ重要なのか
反社チェック(反社会的勢力チェック・コンプライアンスチェック)とは、取引相手等に反社会的勢力と関係をもつ人物・団体がいないかどうかチェックすることをいいます。
近年は企業のコンプライアンス(法令順守)意識が高まっており、導入する企業も増加しています。
ところで、そもそも反社チェックがなぜ重要で、なぜ難しいのか、説明することはできますか?
効率的で有益な反社チェックをするためにも、前提知識を確認しておきましょう。
反社チェックを行うことは国の要請
実は反社チェックは、国が企業に対して要請しているものでもあります。
2007年に政府が発表した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(参照:法務省)では、反社会的勢力を社会から排除することは、治安対策上極めて重要な課題であり、企業にとっても社会的責任の観点から必要かつ重要であるとされています。
また同指針では、企業が平素より行うべき対応として、以下のように定められています。
反社会的勢力とは、一切の関係をもたない。そのため、相手方が反社会的勢力であるかどうかについて、常に、通常必要と思われる注意を払うとともに、反社会的勢力とは知らずに何らかの関係を有してしまった場合には、相手方が反社会的勢力であると判明した時点や反社会的勢力であるとの疑いが生じた時点で、速やかに関係を解消する。
企業による反社チェックは、単に倫理的な観点から求められているものではなく、反社会的勢力を社会から排除するために企業が果たすべき責任でもあるのです。
反社チェックは企業防衛の観点からも不可欠
反社チェックは、社会的な責任というだけではなく、企業防衛の観点からも不可欠です。
もし企業が反社会的勢力と関わりをもってしまうと、企業や従業員に対して不当要求を受けたり、最悪の場合には企業そのものを乗っ取られてしまうなどのリスクが生じてしまうためです。
反社会的勢力から直接的な被害を受けない場合であっても、2007年移行に各都道府県で順次施行された暴力団排除条例(暴排条例、ここでは東京都を例示、参照:警視庁)により、反社会的勢力と関係をもった企業に対しては会社名の公表などの制裁が課されることになっています。
例えば、企業役員が暴力団員と交流していたことを原因に、県による暴排条例に基づく排除措置命令がなされ、銀行口座の凍結や取引先からの取引中止を受けて倒産した事例などがあります。
このように、反社会的勢力と関係をもつことは企業にとって極めて大きなリスクとなるため、企業を防衛するためにも反社チェックが必要です。
実際に反社会的勢力との関係をもってしまった企業の事例についてはこちらの記事でも紹介しています。
国も反社の定義はできていない
国が企業に対し反社会的勢力の排除を要請していることは上に紹介した通りですが、実はその国でさえ「反社会的勢力」の定義はできていません。
先ほどの指針のなかで、反社会的勢力は「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」と定義されていますが、具体的にどのような集団・個人が該当するのか明らかではありません。
法令をみると、例えば東京都の暴排条例では「暴力団員」に加えて「暴力団員と密接な関係を有する者」までもが登場しますが、もはやどこまでが関係者といえるのか不明です。
菅義偉官房長官(当時)も、2019年の定例記者会見において、反社会的勢力の定義は一義的には定まっていないと発言しています。
さらに近年では、暴力団などの伝統的な反社会的勢力だけではなく、いわゆる半グレや特殊詐欺グループが登場しており、反社チェックでどこまで排除すべきかの判断が極めて難しくなっています。
またコンプライアンスの観点からは、暴力的詐欺的手法を用いる集団・個人だけではなく、例えば脱税や粉飾決算などを行う非倫理的な企業等についても反社チェックで排除する必要があります。
反社チェックの方法は段階に応じて使い分けよう
ここまで紹介してきたように、警察や暴追センターは反社会的勢力に関するデータベースを保有していますが、企業が毎回反社チェックのために照会依頼をかけるのは非現実的です。
そこで実際に反社チェックを行う際には、まず反社チェックツールを用いて網羅的に調査をし、何らかの問題がみつかった場合には調査会社や警察に詳細調査を依頼する、という方法がおすすめです。
以下からは、反社チェックの方法について、プロセスごとの詳細を解説します。
まずは反社チェックツールで一括検索する
第一段階として、反社チェックツールを用いた一括検索をしましょう。
反社チェックツールとは、新聞記事やインターネット記事、SNS等のウェブ情報などの公開情報のほか、各社が独自に構築したデータベースを検索するシステムです。
反社チェックツールを利用すれば、コストを抑えつつ大量のチェックを一括して行えるため、一時チェックとして最適です。
例えばRoboRoboコンプライアンスチェックの場合、新聞記事とインターネット記事のほかSNSやブログなどのウェブ情報を横断的に検索できます。
チェック対象のリストはExcelシートからインプットでき、ツール上でフォルダごとに保管することも可能なため、2回目以降のチェックもワンクリックで実施できます!
対象者が個人の場合にはツールと調査会社を利用する
新聞記事やインターネット記事などのマスメディア情報のみを検索するチェックツールの場合、チェック対象が中小零細企業や個人だと有意義な結果が表示されないこともあります。
そんなときは、SNSやブログ記事などの非マスメディア情報を検索できるチェックツールを利用するようにしましょう。
また、どうしても情報が出てこない場合や、現地調査が必要な場合には、反社チェックを行っている専門業者や興信所に調査依頼をかけるのもおすすめです。
反社被害に遭った・遭いそうなときには警察に相談する
これらのチェックを経て、チェック対象が反社会的勢力であるとの確信が強まった場合には、警察や暴追センターに個別照会を依頼しましょう。
先ほども解説したように、これらの機関への照会を行う場合には、できる限りの証拠を用意した上で弁護士を通して相談するとスムーズに手続きが進みます。
またチェック対象から不当な要求を受けている場合や、無理やり契約をさせられそうな場合など、被害が差し迫っている場合には、直ちに警察や暴追センターに相談するようにしましょう。
反社チェックツールはRoboRoboコンプライアンスチェックがおすすめ!
ここまでは、警察のデータベースが反社チェックに使えない理由や、反社チェックの具体的なプロセスについて解説してきました。
反社チェックツールにはいくつか種類がありますが、元コンプラ担当者として最もおすすめできる反社チェックツールがRoboRoboコンプライアンスチェックです!
以下からは、RoboRoboコンプライアンスチェックの特徴や他サービスにはない魅力について紹介します。
最大1,000件を一括検索できる
RoboRoboコンプライアンスチェックは、最大1,000件までの一括検索に対応しています。
先述の通り、反社チェックでは全ての取引先等を定期的に行う必要があるため、一括検索できる件数が多ければ多いほど作業工数を減らすことができます。
主なチェック対象が法人である場合には、具体的なチェック項目が多岐にわたるため(会社名・代表者名・役員名・株主・取引先など)、少なくとも100件は一括検索できるツールがおすすめです。
しかし反社チェックツールのなかには、一括検索機能がなく毎回手作業でチェック対象を入力しなければならなかったり、一括検索できる件数が10~50件ほどに限定されているものもあります。
RoboRoboコンプライアンスチェックなら、チェック対象リストをExcelシートからインプットで登録でき、1,000件まで一括検索できるため、チェック対象が多い場合でもワンクリックで調査できます。
また、チェック対象をツール上のフォルダに整理でき、調査結果の出力をとりまとめることもできるため、2回目以降のチェックも簡単に行えます。
AIによる自動判断で目視チェックの負担を軽減できる
RoboRoboコンプライアンスチェックには、AIによる自動スクリーニング機能である「注目度機能」が実装されています。
反社チェックツールを利用すると、人がチェックする場合と比べて圧倒的な情報量が出力されるため、スクリーニング機能がなければかえって担当者の負担を増やしてしまう可能性があります。
RoboRoboコンプライアンスチェックの「注目度機能」では、検索結果のなかから疑わしい記事を3段階(高・中・低)で自動判定し、判定結果ごとの絞り込みや並び替えも可能です。
そのため、担当者による目視チェックの負担を大幅に軽減することができ、実績数値では目視確認負荷を最大で98%軽減できたとのデータもあります。
幅広い料金プランでニーズに合わせた利用が可能
RoboRoboコンプライアンスチェックは、チェック1件から利用できる従量課金プランと、月に1,000件まで検索できる定額プランの両方を用意しています。
他社の反社チェックツールのなかには、初期費用や月額基本料金が必要となるものもありますが、RoboRoboコンプライアンスチェックはどちらも不要です!
定額プランについても細かなプランが展開されているので、自社の運用に合わせて自由に選択できます。
検索数 (インターネット記事検索) |
費用 |
~1件/月 | 従量課金 (件数相談可) |
~100件/月 | 20,000円/月 (単価200円) |
~300件/月 | 54,000円/月 (単価180円) |
~500件/月 | 80,000円/月 (単価160円) |
~700件/月 | 98,000円/月 (単価140円) |
~1,000件/月 | 120,000円/月 (単価120円) |
RoboRoboコンプライアンスチェックは無料トライアル実施中!
現在RoboRoboコンプライアンスチェックでは、実際の取引先を10件までチェックできる無料トライアルを実施しています。
トライアル中もいつでも専門スタッフのサポートを受けられるため、チェックの精度や使い勝手を実際に利用しながら試してみることができます。
取引先のチェックを最大98%短縮した実績をもつRoboRoboコンプライアンスチェックを、この機会に一度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回紹介したように、警察や暴追センターは反社会的勢力に関するリストを保有しており、個別の相談や照会にも応じています。
しかし警察等の保有しているリストに掲載されている情報は、暴力団などの伝統的な反社会的勢力に限定されているため、反社会的勢力の定義が拡大している今日ではカバーしきれません。
また、個別の相談・照会に必ずしも応じてくれるとは限らず、時間もかかってしまうため、企業が反社チェックのために毎回利用することは現実的ではありません。
そのため警察等への相談・照会は、あくまで反社チェックツールによる調査の後に行う二次的なチェックや、実際に被害を受けた場合に行うものと考えましょう。
元コンプラ担当者としては、最大1,000件まで一括検索でき、AIによるスクリーニングで担当者の負担を大幅に軽減できるRoboRoboコンプライアンスチェックがおすすめです。
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