飲食店による反社会的勢力への対処法は？経営者が知っておくべき対応や調査方法

あなたはこんな疑問を持っていませんか？

飲食店は反社会的勢力の資金源として狙われやすい傾向にあります。みかじめ料を払わされたり犯罪に加担させられたりするリスクもあるため、契約前のチェックを徹底してください。

この記事では、飲食店における反社会的勢力に関するトラブルや、具体的な調査方法まで詳しく解説しています。

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飲食店では反社チェックが重要

飲食店の経営者は、特に反社チェックを徹底しましょう

飲食業は数ある業種の中でも特に反社会的勢力に狙われやすい傾向にあり、油断していると会社を乗っ取られたり大きな経済的損失を被ったりする恐れがあります。

まずは反社会的勢力の定義や、関連法規について理解しておきましょう。

①反社会的勢力の定義

法務省によると、反社会的勢力とは次のような人間や団体等を指します。

集団的又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体等
威力を示して金品等の経済的な利益を要求する団体

参照：法務省

暴力団員本人だけでなく、家族や友人、知り合いなども反社会的勢力に含まれます。

反社会的勢力と取引すると、自身や自身が経営する会社も反社会的勢力の関係者だと判断されてしまうため要注意です

②経営者が知っておきたい関連法規

国や自治体では、反社会的勢力を排除するための法律等を定めています。有事の際に備え、経営者の方は簡単に理解しておくのがおすすめです。

(1)政府の指針

政府では「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を掲げており、企業は反社会的勢力に関して適切に対応すべきだと規定しています。具体的な内容は以下の通りです。

反社会的勢力が取引先や株主となって、不当要求を行う場合の被害を防止するため、契約書や取引約款に暴力団排除条項を導入するとともに、可能な範囲で自社株の取引状況を確認する。

参照：企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針

法的な拘束力はありませんが、違反すると信用を失う、社会的制裁を受けるなどのリスクを被る可能性があります

(2)暴力団排除条例

各都道府県でも暴力団排除条例を定めています。

政府の指針と異なり、自治体によっては違反すると罰則や行政処分の対象となる恐れもあるため要注意です

参考までに、東京都の暴力団排除条例を紹介します。

第７条 都は、公共工事その他の都の事務又は事業により、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとならないよう、都が締結する売買、貸借、請負その他の契約（以下「都の契約」という。）及び公共工事における都の契約の相手方と下請負人との契約等都の事務又は事業の実施のために必要な都の契約に関連する契約（以下この条において「関連契約」という。）に関し、当該都の契約の相手方、代理又は媒介をする者その他の関係者が暴力団関係者でないことを確認するなど、暴力団関係者の関与を防止するために必要な措置を講ずるものとする。

参照：東京都暴力団排除条例

(3)暴力団対策法

暴力団対策法（暴力団による不当な行為の防止等に関する法律）では、契約書に反社条項を定め、暴力団に毅然として対応すべきと記載されています。

こちらは法律ですので、違反すると罰則の対象となります

この法律は、暴力団員の行う暴力的要求行為等について必要な規制を行い、及び暴力団の対立抗争等による市民生活に対する危険を防止するために必要な措置を講ずるとともに、暴力団員の活動による被害の予防等に資するための民間の公益的団体の活動を促進する措置等を講ずることにより、市民生活の安全と平穏の確保を図り、もって国民の自由と権利を保護することを目的とする。

参照：e-Gov法令検索

飲食店は反社トラブルに巻き込まれやすい！具体的な事例を紹介

飲食店では、反社会的勢力の関係者とのトラブルが後を絶ちません。リスクを未然に避けるため、具体的な事例についても知っておきましょう。

①店側が暴力団と共謀していた事例

飲食店側が好んで、反社会的勢力と共謀していた事例も多々あります

暴力団関係者を味方に付ければ、同業他社に圧力をかけられるため、店側としても共謀するメリットがあるのです。

飲食店ではありませんが、過去に建設業で反社会的勢力を地上げに使い、ニュースに取り上げられた事例があります。（参考：ダイヤモンドオンライン）

一見良い取引に見えても、取引が公になれば強烈な社会的制裁を受けるため、リスクを考えると全く割りに合いません。

②店を乗っ取られた事例

店を乗っ取られるリスクもあります

反社会的勢力は、利益を得るためなら他人に不利益を与える行為も平気で行います。経営危機などに付け込まれ、そのまま経営権を乗っ取られるケースも少なくありません。

事実、副社長として働いていた人物が実は乗っ取り屋で、わざとトラブルを起こすという事例もあります。

反社会的勢力の関係者と知らず知らずのうちに関わるのを防ぐには、従業員や取引先の調査が必須です

③社内に反社が入り込んでいた事例

社内で反社会的勢力が浸透している可能性もあるため要注意です。

暴力団関係者が社内の上層部に食い込み、反社会的勢力に対して融資を行ったり、会社の不利益となる取引を実施したりするケースもあります。

一見裏の人間には見えなくても、反社会的勢力として企業に入り込んでいる場合も少なくありません。

見た目に騙されず、どんな相手でも徹底的に調査してトラブルを未然に防ぎましょう

飲食店経営者が知っておきたい危険な取引先の5つの特徴

以下のような取引先は、特に暴力団やそのフロント企業である場合が多いため要チェックです。

①大企業との取引を誇張している

大企業との取引実績をやたらと前面に出す会社には注意です。

反社会的勢力の運営する会社やそのフロント企業は、悪い評判をもみ消すために過剰なブランディングを行う傾向にあります。掲載されている実績も、取引先の許可なしで掲載されているケースがほとんどです。

なかには、嘘の内容を事実と偽って平然と記載している場合もあります

②治安が悪い地域にある

治安が悪いとされている地域では、特に反社会的勢力と関わるリスクが大きくなります。そもそも悪人と遭遇する確率が高いことに加え、元々治安の悪い地域なら、多少トラブルを起こしても目立ちにくいという事情もあるでしょう。

あまり詳しくない地域に店を構えている方は、周辺住民に聞き込みをするなどして、危険なエリアについて把握しておきましょう

③経営陣の悪評が目立つ

単純に悪評が目立つ会社にも注意してください。

例えば、金銭面や女性関係でのトラブルが目立つ、裏切り行為を行っているなどです。評判の悪い会社は、何らかの形で反社会的勢力と関わりを持っているケースが少なくありません。

こうした悪評は、口コミサイトやSNS、ネットニュースなどを検索すればある程度把握できます

④お金の流れが怪しい

使途不明金が多い会社にも警戒してください。

領収書や請求書がないにもかかわらず、経費として計上されている場合、反社会的勢力に資金が流れている可能性もあります。

怪しい会社でないか調べるには、対象の財務状況を分析してみるのも有効です

⑤過去に暴力団との関わりがあった

過去に反社会的勢力に関するトラブルを起こし、ニュースになっている会社とは取引しないようにしましょう。

一度ニュースになれば社内体制が見直されている可能性もありますが、完全に反社会的勢力と縁が切れているとは考えにくいためです。

反社会的勢力と深く関わり、不当な利益を得た会社がそこから抜け出すのは難しいため、できる限り取引を避けるべきです。

飲食店経営者が取るべき反社会的勢力への適切な5つの対応

飲食店の経営者は、反社会的勢力に対し次のような方法で対処しましょう。

①みかじめ料を払わない

みかじめ料を支払わないようにしてください。

みかじめ料とは、反社会的勢力へ支払う場所代、もしくは用心棒代などのことです。反社会的勢力にみかじめ料を支払うと、資金供与を行ったとして条例違反になります。

とはいえ、反社会的勢力は暴力的な手段で無理やりみかじめ料を請求してくるケースが多いでしょう。

嫌がらせなどを受けた場合、証拠を持って警察に相談してください

②闇金などと関係を持たない

資金繰りが苦しくても、闇金からは絶対にお金を借りないようにしましょう。

闇金とは、貸金業登録していない業者、または登録していても利息制限法を超える利息で貸付を行っている業者のことです。

参考：e-Gov法令検索

闇金は、反社会的勢力と関わりを持っている可能性が極めて高く、一度お金を借りるとターゲットとして狙われやすくなります。

金融機関からお金を借りられない時には甘い言葉が刺さるかもしれませんが、決して誘いに乗ってはいけません

③絶対に契約しない

契約を求められても、断固として拒否してください。

反社会的勢力はただ脅迫するだけでなく、契約する利点をチラつかせてくる場合もあります。しかし、反社会的勢力と関わって社会的制裁を受けるリスクを考えると、どんな条件でも割に合いません。

少しでも怪しいと思った相手とは契約せず、無理やり契約を迫られるようなら警察に相談しましょう

④取引先には反社チェックを実施する

取引先の調査も欠かさないようにしましょう。

コンプライアンス強化の観点から、会社の経営者は取引先を調査し、反社会的勢力との取引を未然に防止するよう定められています。
違反すると、条例違反などにより罰せられるリスクがあります。
ただし、具体的な調査方法は各社に委ねられているのが現状です。

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⑤契約書に反社条項を盛り込む

契約書の反社条項も見直しましょう。

契約書にきちんと反社条項を定めていれば、反社会的勢力との取引を未然に防ぎやすくなります。また、仮に無理やり契約させられても、契約違反として合法的に解除できるのも大きなメリットです。

契約の種類によって記載すべき内容は異なりますが、今回は参考までに、一般的な契約における反社条項の雛形を紹介します。

私は、次の①の各号のいずれかに該当し、若しくは②の各号のいずれかに該当する行為をし、又は①に基づく確約に関して虚偽の申告をしたことが判明した場合には、この契約が解除されても異議を申しません。また、これにより損害が生じた場合は、一切私の責任とします。
① 本件取引に際し、現在次の各号のいずれにも該当しないこと、かつ、将来にわたっても該当しないことを確約します。
ア 暴力団
イ 暴力団員
ウ 暴力団関係企業
エ 総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等
オ その他前各号に準ずる者
② 自ら又は第三者を利用して次の各号に該当する行為を行わないことを確約します。
ア 暴力的な要求行為
イ 法的な責任を超えた不当な要求行為
ウ 取引に関して、脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為
エ 風説を流布し、偽計若しくは威力を用いて貴社の信用を毀損し、又は貴社の業務を妨害する行為
オ その他前各号に準ずる行為

参照：大阪府警察

具体的な反社チェックの方法3選

経営者が反社チェックを実施する場合、以下のような方法があります。

①自社で調査する（Google検索、反社チェックツールなど）

取引先がそこまで多くない場合、自社での調査も可能です。

Google検索を利用して、対象の氏名と以下のようなネガティブキーワードを同時に入力して調べてみましょう。

ただし、自社調査はどうしても時間がかかります。業務を効率化したいなら、ツールの導入を検討しましょう。

RoboRoboコンプライアンスチェックなら、ネット記事と新聞記事をワンクリックで調査できるため、ぜひ導入を検討してください。

②調査会社に依頼する

トラブルに発展しそうな場合、調査会社に依頼する方法もあります。

探偵事務所や信用調査会社などに依頼すれば、数週間かけて詳しい情報をレポートとしてまとめてくれます。調査会社のレポートがあれば、裁判でも有利になるでしょう。

調査会社の依頼には数十万円単位のコストがかかります。
トラブルに発展する可能性があり、どうしても証拠が欲しい場合にのみ相談すると良いでしょう

③暴追センターに相談する

怪しい取引先に関しては、暴追センターに相談しましょう。

暴追センターでは、警察の持つ暴力団関係者のデータベースを保有しており、取引先がクロでないか照合できます。警察のデータベースは銀行の審査で用いられているため、信頼性は抜群です。

暴追センターは全国に存在するため、取引先の情報や自社の契約書などを持って最寄りのセンターに相談してみましょう。

データベースの照会には年会費5万円を支払って賛助会員になる必要があります

取引先の反社チェックにおすすめのツールは「RoboRoboコンプライアンスチェック」！

反社チェックにツールを用いる場合、最もおすすめなのはRoboRoboコンプライアンスチェックです。

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社内で作業時間が取れない場合、代行サービスも受けられます

②取引先の管理がしやすい

RoboRoboコンプライアンスチェックなら取引先の管理も楽です。

取引先をフォルダ単位で管理でき、さらに取引先リストをクレンジングして、重複削除してくれる機能もあります。

取引先ごとにコメントを記録できるため、常に取引状況を把握できます

③チェック単価が安い

一般的なツールでは、1件あたりの調査に300円前後かかりますが、RoboRoboコンプライアンスチェックなら1件あたり120円から調査できます。

プランも豊富で、取引先の数に応じて自由に選べるのも魅力です。

ネット記事検索のみ
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まとめ｜飲食店は反社トラブルに巻き込まれやすい！脅しにも毅然として対応しよう

この記事では、飲食店における反社会的勢力のトラブルについて解説しました。

飲食店は反社会的勢力に狙われやすいため、取引先や従業員のチェックを徹底してください。み

みかじめ料などを請求された場合でも、毅然と対応しましょう

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