「給与計算アウトソーシングでどこまで委託できる?」
「サービスの選定方法は?」
「おすすめサービスや利用時の注意点は?」
これまで社内でまわしていた給与計算業務。突然に給与計算アウトソーシングを検討することになり、どのように検討を進めたら良いのか悩まれてはいませんでしょうか?
本記事では、給与計算アウトソーシングサービスについて以下5つについて詳しく解説していきます。
給与計算アウトソーシングサービスの特徴の理解と、自社に最適なサービスの選択に繋がりましたら幸いです。
目次
1.給与計算代行(アウトソーシング)とは
給与計算アウトソーシングは、給与計算業務を代行するサービスです。
しかし、給与計算は付随する業務が多く、「どこまで依頼できるのかわかりにくい」と感じてはいないでしょうか?
対応可能な範囲はサービスにより異なりますが、ここでは一般的な給与計算アウトソーシングで依頼できる業務範囲を紹介します。
上記記載の通り、委託できる業務は6つになります。
給与計算アウトソーシング活用を検討する際に、どこまでを委託できるのか、また委託することで自社の課題解決に繋がるのか事前に整理しておくことが大事です。
例えば給与計算アウトソーシングによっては、勤怠データのチェックまで行ってくれるサービスと、勤怠データのチェックまでは行ってくれないサービスがあります。
また、導入初期において、お客様のこれまでの給与計算業務をそのまま受託するサービスと、労働基準法に照らし合わせて法令違反に繋がるような点がないか示唆を共有してくれるサービスがあります。
給与計算アウトソーシングを検討するに際して、どのような悩みや課題を解決したいのか予め整理しておくと良いでしょう。
それでは給与計算アウトソーシングでは具体的にどのような課題を解決できるのか次章で見ていきます。
2.給与計算アウトソーシングで解決できる3つの課題と活用する3つのメリット
給与計算アウトソーシングを取り入れることで、解決出来る課題は3つあります。
①人手不足の解決
給与計算アウトソーシングは業務そのものを外部に委託するため、人手不足の解消を実現することが可能です。人手不足が顕在化するケースは以下3つに分けることができます。
自社がいずれかにあてはまる場合は、給与計算アウトソーシングを検討することは経営判断として合理性があると言えるでしょう。
更に具体的な人手不足に陥るケースとしては以下のような事象があります。
現時点では課題は顕在化していないものの、今後発生し得る課題である場合は、早期に検討を進めることも事業の継続性の観点では大切です。
なお、欧米では7割の企業が給与計算アウトソーシングを活用しており、当たり前となっています。
引用:ペイロール
給与計算業務は直接的に利益を生まない、また最終的な成果物は変わらない、いわゆる「非生産的業務」になります。
今後、国内の生産年齢人口は毎年約80万人ずつ減少し、人手不足は更に深刻化していきます。経営を取り巻く環境が変化していくことを踏まえ、先手の対策をとることはますます重要になってくるでしょう。
(出典)総務省「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2017)」
(出典)労働市場の未来推計 2030|パーソル総合研究所
②業務の属人化解消
給与計算業務は、実務経験やスキルが求められるため、担当者に業務知識や運用が集中し、属人化しがちな業務です。
これまで当たり前にまわっていた業務がある日突然に止まる危機が発生し、はじめてその属人性に気づいた、といった経験をされたことはありませんでしょうか?
給与計算業務を安定的に継続するためには、以下3つの要素をおさえることが大切になります。
しかし、すべての要素を満たせる人材を社内に抱え、給与計算業務の運用を構築、維持することはコストが膨らみがちです。
その点、給与計算アウトソーシングでは上記3つの要素を満たし、属人化を解消する上で現実的かつ有効な手段と言えるでしょう。
注意したいのは、すべての給与計算アウトソーシングサービスが上記3つの要素をおさえているわけではありません。事前に把握することが大切になります。こちらの詳細については、給与計算アウトソーシングを利用する際の3つの注意点、の章にて解説していきます。
③コスト削減
給与計算を外部に依頼すると、コスト削減効果も期待できます。具体的に内製の場合とアウトソーシングの場合とで比較してみましょう。
比較対象は、以下の3つになります。
- 給与計算業務担当者の人件費
- 給与計算システムの利用料
- 社会保険労務士へのチェック委託費
この3つの費用を足し合わせた一般的な企業における1名あたりの給与計算にかかるコストは2,500円から3,500円になります。
給与計算代行サービス+給与計算システム+給与プロによるチェックを包括するサービスを提供する「RoboRoboペイロール」では、1名あたり1,000円としており、内製化よりも40%~33%のコストで1名あたりの給与計算業務を実現することが可能です。
現在、給与計算業務にいくらのコストを支払っているのかを明らかにし、アウトソーシングにより削減できる場合にはアウトソーシングサービス活用に経済合理性があると言えるでしょう。
給与計算アウトソーシングの料金相場については、次の記事で紹介していますので参考にしてください。
3.給与計算代行サービスの選定における5つのポイント
給与計算アウトソーシングの活用にメリットがあることを実感してもらい、具体的なサービス検討に入られたい場合は、5つのポイントを抑えて選定していただくことをお薦めします。
①初期費用
給与計算アウトソーシングサービスでは、初期費用がかかるケースが一般的です。サービスにもよりますが、初期費用として利用料の2〜3ヶ月分を見積もる業者が多いようです。
また、公式サイトなどには初期費用についての記載がなく、見積もりのために問い合わせてから明らかになることも少なくありません。
上記で紹介しました『RoboRoboペイロール』においては、利用規模にかかわらず、導入サポート付きで初期費用0円です。
初期費用が発生するか否か、サービスの説明を請ける際に確認できると良いでしょう。
②運用費用
給与計算代行にかかる月額費用です。料金体系はさまざまですが「〇〇名まで月〇〇円」「1名あたり月〇〇円」といった形が主流です。
代行費用は1人あたり月額1,000〜2,500円が相場となっています。賞与計算や社会保険料の計算、年末調整の計算などは別料金であるケースが多いため、確認するようにしましょう。
③運用サポート体制
アウトソーシングサービスがどういった体制で運用されているかも注目しましょう。担当者によって品質がばらつく代行業者も多いからです。
④システムとの連携サポート
自社で勤怠管理システムは既に導入しているという会社も少なくはないのではないでしょうか。給与計算アウトソーシングサービスを検討する際は、自社のシステムとの連携サポートの有無を確認すると良いでしょう。
勤怠管理システムなどとの連携サポートが別料金であったり、そもそも給与計算代行に留まりシステム連携までサポートしてもらえなかったりすることもあるからです。
⑤セキュリティ
給与計算では従業員の個人情報を扱うため、十分なセキュリティ対策が求められます。近年、サイバー攻撃は巧妙化・高度化し、その被害件数は増加傾向にあります。
セキュリティ対策が脆弱なアウトソーシング会社に依頼してしまわないように、注意しましょう。とくに社会保険労務士事務所や零細の給与計算代行会社では、セキュリティ対策が脆弱な場合が多いです。
セキュリティに関して具体的にどのような対策をしているか、チェックすることをお薦めします。
4.給与計算アウトソーシングおすすめの3サービス
選び方を知っていても1つずつサービスを吟味していくのは、手間がかかるものです。
ここでは、企業規模別におすすめサービスを紹介していきます。
①小規模向け(50名以下)
小規模の場合には、社会保険労務士事務所/法人の利用がおすすめです。小規模企業の特性や事情を踏まえた柔軟な対応とリーズナブルな料金体系、また労務顧問とのセットで対応してくれることが多いです。
しかし、社会保険労務士事務所や法人であっても給与計算アウトソーシングを請けていなかったり、得意としていない事務所や法人もあるため、注意しましょう。
お近くの社会保険労務士事務所/法人に問い合わせるか、「社会保険労務士事務所 〇〇(地域名)」とネット検索して依頼先を探してみてください。
②中規模向け(51名以上1,000名以下)
中規模の場合には『RoboRoboペイロール』がおすすめです。前述したサービス選びの5つのポイントを網羅しているのは『RoboRoboペイロール』だけになります。
社会保険労務士が監修した給与計算システムと、計算結果のチェック代行が付随し、1名あたり1,000円/月で委託することが可能です。法改正にも迅速に対応し、代行業務への反映はもちろん、改正内容の通知も行っています。
複雑な給与体系にも対応しており、給与体系の変更にも対応しているので組織の成長や変化により沿った支援が特徴でもあります。
【RoboRoboペイロールの特徴】
- 初期費用無料、1人月1,000円と明朗会計&リーズナブル
- 国際規格ISMSに準拠した堅牢なセキュリティ体制
- 給与プロによる計算結果チェック、給与計算システムの利用も可能
初期費用 | 無料 (導入サポート、システム連携サポートつき) |
運営費用 | 1人あたり月1,000円 |
サポート | メール・電話・Web・その他各種(Slack等)コミュニケーションツール |
③大規模向け(1,000名以上)
1,000名以上の大規模の場合には、以下2つのサービスがおすすめです。
大企業によくある複雑な独自の給与体系や手当制度などにも対応しており、安定的にサービス提供する体制が整っています。
ペイロール
引用:ペイロール
ペイロールは業界トップレベルの利用者実績がある、信頼できる給与計算アウトソーシングサービスです。
従業員からの問い合わせに直接対応してくれる点で、他サービスと一線を画しています。
給与に関わる疑問点について、ペイロールの窓口が対応してくれるため、自社内で問い合わせ対応する手間がなくなります。
また、社会保険労務士と連携しており法改正への対応も十分ですし、各種セキュリティ基準も満たしており安心です。
【サービスの特徴】
- 社会保険労務士事務所と提携している
- 従業員からの問い合わせ対応も外注できる
- ISMS認証、プライバシーマークを取得した堅牢なセキュリティ
初期費用 | 要問い合わせ |
運営費用 | 要問い合わせ |
サポート | 電話 |
エコミック
引用:エコミック
エコミックはデータ共有が容易です。社会保険労務士とも給与計算データを共有できるため、すでに社会保険労務士と顧問契約しているケースに向いています。
勤怠管理システムをはじめとし、人事管理システムやWeb明細システムなどとも連携が可能です。システムの指定もなく、現状、使用しているシステムと連携できるのも魅力です。
また勤怠データなどをアップロードする際の、ファイル形式も問いません。形式変換が不要で現状の業務フローのままサービス利用できます。
【サービスの特徴】
- 顧問の社会保険労務士とも情報共有できる
- さまざまなWebシステムとの連携が可能
- データファイル形式が自由
初期費用 | 要問い合わせ |
運営費用 | 要問い合わせ |
サポート | Web |
5.給与計算アウトソーシング導入時の3つの注意点
各給与計算アウトソーシングサービスの比較検討をおこなううえで、見落としがちな注意点3つを最後に紹介していきます。
①自社の勤怠締め日から給与振り込みまでの対応期間で請け負い可能かの確認
勤怠データの共有からどのくらいで給与計算結果が納品されるのか、を確認するようにしましょう。
給与計算業務は勤怠の締め日から、給与振り込みの期間に完了する必要があるからです。
利用するサービスの対応スピードによっては、自社の給与サイクルに間に合わないケースもあります。勤怠締め日から振り込みまでのスパンが短い場合や、規模が大きい場合には特に注意が必要です。
②導入時にどれほどの手間がかかるかの確認
導入時の手間や期間についても確認が必要です。導入サポートがなかったり、別途費用が必要だったりするためです。また、導入までの期間も確認しましょう。導入までに最低3ヵ月からとなるサービスもあるため、自社が導入したい期間に応じてもらえるか確認することが大事です。
③自社の既存運用に関する課題をきちんと指摘してくれるかの確認
自社が給与計算業務に抱えている課題に対し、指摘をしてくれるかも確認しましょう。
代行サービスを単なる作業として捉えている業者では、労働基準法に反した運用がされている場合でも指摘してくれないからです。
例えば労働基準法24条に定められている「賃金支払いの5原則」に違反した場合には、30万円の罰金もしくは6ヶ月以内の懲役が科されます。
導入時に労働基準法に反している運用が成されている場合に、指摘や共有をしてもらえるか確認すると良いでしょう。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事では給与計算アウトソーシングの導入を進める上で、抑えておきたいポイントを中心に解説してきました。
生産年齢人口が急速な減少傾向にある国内において、非生産的業務のアウトソーシングの流れは今後ますます加速していくでしょう。
事業を取り巻く環境の変化を見据え、アウトソーシングサービスを検討してくことは合理的な選択肢と言えます。本記事が検討の一助になりましたら幸いです。