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反社会的勢力の定義は困難?接近に気づくための3つのポイント

契約書を作成する時、「反社会的勢力の定義はどう決めればいいのだろう」「反社会的勢力について法的な定義はないのだろうか?」と疑問に思い、調べている方も少なくないのではないでしょうか?

反社会的勢力の定義は、政府ですら明確に定めていません。その大きな理由のひとつとして挙げられるのは、反社会的勢力とされる集団は時流に併せて姿を変え、巧みに一般人や一般企業への関与をするためです。

反社会的勢力は、以前のようにわかりやすい暴力団と企業舎弟の構図から、隠蔽が巧妙化したフロント企業や、背後に暴力団を持たない半グレ、サイバー犯罪集団など、多様化しているためはっきりとした線引きが難しいのです。

今回は反社会的勢力という言葉の意味と、その言葉が生まれた背景を知り、契約書に盛り込むべき反社会的勢力の定義と接近に気づくためのポイントを3つ紹介します。

目次

反社会的勢力の定義とは?統一されないその理由と背景

明確に定義できない反社会勢力、その接近に気づくための3つのポイント

反社会的勢力と関わらないための3つの注意点

反社会的勢力は定義がないからこそ、接近を防ぐための体制づくりが大切

反社会的勢力の定義とは?統一されないその理由と背景

反社会的勢力の定義は、法的に明確な定義はされていません。その理由は、政府の「犯罪対策閣僚会議幹事会」が2007年6月19日付け文書で公開した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」にあります。

同指針の中で、反社会的勢力とは以下のように定義されています。

暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である「反社会的勢力」をとらえるに際しては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である。

一見定義が明確であるようですが、表現が抽象的で、はっきりとした線引きは行われていません。

その理由を内閣は、2019年12月10日に閣議決定した答弁書の中で「反社会的勢力」について、「あらかじめ限定的かつ統一的に定義することは困難」と説明しています。

反社会的勢力という定義に明確な線引きを行うと、時流に敏感で常に変化する反社会的勢力に抜け穴を与え、逆に捕らえにくくなるという考えが根底にあるため、統一した定義は行われていません。

政府の指針を受けた定義の解釈は省庁や団体によって異なる

政府の示した指針を受けた反社会的勢力についての定義や解釈は、政府機関であっても各省庁や外郭団体によって異なります。

2007年の政府指針をもとに、省庁や団体、各企業は独自に反社会的勢力に対する定義を行っています。

反社会的勢力と接触する可能性が高い中小企業を支援している中小機構では、反社会的勢力について以下のように定めています。

(条文引用)

独立行政法人中小企業基盤整備機構反社会的勢力対応規程(抄)

(定義)

第2条 この規程において反社会的勢力とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

一 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下「暴力団対策法」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)

二 暴力団員(暴力団対策法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)

三 暴力団準構成員(暴力団員以外の暴力団と関係を有する者であって、暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがあるもの又は暴力団若しくは暴力団員に対し資金、武器等の供給を行うなど暴力団の維持若しくは運営に協力し、若しくは関与するものをいう。以下同じ。)

四 暴力団関係企業(暴力団員が実質的にその経営に関与している企業、暴力団準構成員若しくは元暴力団員が経営する企業で暴力団に資金提供を行う等暴力団の維持若しくは運営に積極的に協力し若しくは関与するもの又は業務の遂行等において積極的に暴力団を利用し、暴力団の維持若しくは運営に協力している企業をいう。)

五 総会屋等(総会屋その他企業を対象に不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)

六 社会運動等標ぼうゴロ(社会運動若しくは政治活動を仮装し、又は標ぼうして、不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)

七 特殊知能暴力集団等(暴力団との関係を背景に、その威力を用い、又は暴力団と資金的な繋がりを有し、構造的な不正の中核となっている集団又は個人をいう。)

八 前各号に掲げる者と次のいずれかに該当する関係にある者

イ 前各号に掲げる者が自己の事業又は自社の経営を支配していると認められること

ロ 前各号に掲げる者が自己の事業又は自社の経営に実質的に関与していると認められること

ハ 自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって前各号に掲げる者を利用したと認められること

ニ 前各号に掲げる者に資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められること

ホ その他前各号に掲げる者と役員又は経営に実質的に関与している者が、社会的に非難されるべき関係にあると認められること

この定義からわかることは、基本的に暴力団を中心としていますが、現在は反社会的勢力とは「不当な行動によって利益を得ようとする行為そのもの」まで定義が拡大している点です。

定義が統一されない事によるメリット

反社会的勢力が法の穴を突くような行為を未然に防ぎ、定義を統一しないことによって逆に網羅的に反社会的勢力の存在を契約書などに盛り込むことができます。

反社会的勢力は法の網をかいくぐることに関しては専門的と言っても過言ではありません。もし定義が統一され、反社会的勢力という存在が法の上で限定的になると、法の抜け穴の突くことを得意とする反社会的勢力は必ずそれを逆手に取ります。

反社会的勢力とはなんであるかを明言した定義を統一のものとして持たないことは、時流に合わせて柔軟に判断し、反社会的勢力を検挙するために有利な手段と言えます。

定義が統一されないことによるデメリット

一方で、定義が統一されないことによるデメリットとして、反社会的勢力や反社会的行動についての定義が企業や団体の各自に一任されるため、反社会的勢力排除条項に盛り込む際の明確化した定義を独自で行わなければいけないという点があります。

契約書の中に反社会的勢力排除条項を設定する場合、必ず定義を明確化しなければ、法的な根拠と効力を問われるケースがあります。実際にいざという時にすみやかに契約を解除できず、逆に契約解除による損害賠償を請求された例もあります。

しかし、ある程度網羅的に定義するための根拠として引き出せる政府や行政による定義がないため、各自で設定しなければいけません。

もし法的に穴のある定義を行うと、非常時にその契約を逆手に取って賠償を求められた場合、対処できなくなってしまいます。

実際に隠蔽が巧妙化している暴力団以外の反社会的勢力の存在

暴力団以外の反社会的勢力、いわゆる半グレや背後に暴力団が存在しない犯罪集団の存在は、以前と比較して確実に増加しています。また存在の隠蔽も巧妙化し、固定観念に囚われていると存在に気付かないことも少なくありません。

今まで威勢や威力、詐欺などによって利益を不当にかすめ取るのは、そのバックに暴力団の存在があり、暴力団の資金調達の一環として行われているという認識でした。

しかし最近のサイバー詐欺などは、まったく暴力団と関係ない一般人が行うケースもあり、また犯人グループが海外に拠点を置くなど国際化した犯罪もあります。

そのため、暴力団を中心とした定義を定めてしまうと、インターネット時代の新しい反社会的な犯罪に対応しきれなくなる可能性があるのです。

そこで柔軟に対応するため、ある程度の網羅的な定義を行いながら、明確な線引きは行わず、反社会的行動を含むフレキシブルな表現が用いられています。

明確に定義できない反社会勢力、その接近に気づくための3つのポイント

行政でも明確に定義が難しい反社会的勢力は、その接近の仕方も巧妙化しています。そのため、従来の暴力団をイメージした防御では企業を守りきれません。

接近に気付くために意識するべきポイントは、時代に即した注意点に注目することと、防御方法を選択していくことです。

以下に近年急増しているパターンと注意点を3つ挙げました。

・飲み会だけでなくSNSなどを通じて近付いてくることがある

・社外の人間の紹介で入ってくる人材には注意が必要

・インターネットを駆使して定期的な調査と情報更新をするのが大切

このポイントについて、それぞれ詳細に解説していきます。

反社会的勢力からの接触はインターネットを経由することもある

コミュニケーションツールとして企業活動にも不可欠となったSNSは、反社会的勢力にとって企業に接近するためにまたとないツールともなっています。

以前のパターンとしては飲み会を通じて知り合い、接触して巧妙に取り入り、信頼を得たところで反社会的な利益誘導を持ちかけるなど、物理的な接触が中心でした。

しかしSNSの発達と一般化によって匿名あるいは素性を隠蔽した接触が用意になったため、SNSを経由しての接触が増加しています。

中小企業の経営者は苦労が多いため、ついSNSで知り合った人物に本音を吐露してしまい、心を許したら巧妙に近付いてきた反社会的勢力だったという実例は既に何件も存在しています。

近年の接触方法は現実で対面している場合に限らないため、耳障りよく相談に乗ってくれる知らない人物には注意しなければいけません。

これは経営者に限らず、社員にもその精神を徹底する必要があります。思わぬところで反社会的勢力と接触して情報を漏洩したり、取引を持ちかけられている可能性があります。

社外からの紹介で現れた人材には注意が必要

近年増加しているパターンとして、人材採用の多様化を利用して、社内に反社会的勢力と関係している人材を送り込む手法があります。

紹介を通じて入社した人物が、一見普通の職歴があり、仕事もできて優秀な人材に見えたが、実態は反社会的勢力への窓口として利益を供与するために入り込んでいたという例が、フロント企業化されやすいキックオフ仕立ての企業やベンチャー企業を中心に、過去に多数存在しています。

身元がある程度はっきりしている人からであっても、飲み仲間やゴルフ仲間などのプライベートな関係からの紹介を通じてなどの紹介には注意が必要です。

そのような場合は、必ず入社前に身辺調査を行い、反社会的勢力との接触がないか確認するべきでしょう。

定期的な反社チェックと与信判断によって情報を更新する

一度調査を行った企業に対しても、反社会的勢力の関与は定期的な再調査と情報の更新が必要です。

定期的に追跡調査を行い、反社チェックと与信判断によって情報更新を行うことで、「この取引はおかしいのでは」「これはなにかあやしい」という情報をいち早く掴み、詳細な調査を行うことができます。

反社チェックツールを活用してインターネット上の公知情報を収集し、与信判断の更新と合わせて確認することで不審点が浮上した場合、速やかに信用調査を行います。

この場合、通常の信用調査会社ではなく、反社会的勢力の調査に強い企業向けの探偵会社などを利用すると、より正確に反社会的勢力である可能性を判断できます。

反社会的勢力と関わらないための3つの注意点

反社会的勢力と関わらないためには、以下の3つの注意点を守る必要があります。

  • 事前の調査による防御と定期的な調査による洗い出し
  • 契約書などの法的な武装
  • 社内にルールを徹底する

入念なチェック体制を敷いていても、どうしても完全に防ぐことができないのが反社会的勢力の接触です。そのため、万一に備えてできるだけ早く発見して対策するために、契約を締結してからも定期的な調査が必要になります。

また、契約書に反社会的勢力排除条項を盛り込むことで、契約後でも反社会的勢力であることが判明次第、即時契約解除が可能であるように契約内容を設定します。

そして反社会的勢力への対応方法や通報の手順など、社内のルールを統一して徹底することで、従業員が反社会的勢力から接触を受けた時に判断に迷わず、速やかに情報共有が出来る組織づくりを行います。

この3つの注意点について、それぞれさらに詳しく解説していきます。

反社チェック(コンプライアンスチェック)を徹底する

契約前も契約後も、定期的に反社チェックを行い、反社会的勢力ではないことを入念に反復しながら確認する必要があります。

しかし、反社チェックは人的工数が大きく消費されるだけでなく、信用調査に依頼すると経費が跳ね上がってしまいます。

そこで、インターネット上にある新聞や雑誌などの記事や噂話、口コミなどの公知情報を収集して確認できる反社チェックツールを使用します。

反社チェックツールは基本的に情報を収集する事を主体としたツールですが、弊社のRoboRoboコンプライアンスチェックのように、特許出願中の機能によってAIが独自のアルゴリズムで情報を精査し、ドラマや小説などの不要なものの優先度を下げ、重要な情報に注目しやすい注目度設定のような機能が搭載されているツールも存在します。

このような日常的な使用を視野に入れたツールを導入することによって、反復的な定期調査の負荷が軽減されます。

反社会的勢力排除条項を必ず設定する

契約を行う際に必ず契約書の中に反社会的勢力排除条項(別名、暴力団排除条項、暴排条項)を設定します。これは各都道府県の暴力団排除条例の中で定められている努力義務でもあります。

反社会的勢力排除条項は、相互に反社会的勢力出ないことを表明・確約した上で、万一反社会的勢力であった場合には、契約の無催告解除を行う旨を定めた条項です。この条項によって、巧妙に存在を隠蔽していた反社会的勢力がその関与を顕にした時に即座に関係を断つことができます。

反社会的勢力排除条項の中で反社会的勢力について定義する必要があるため、この条項を設定する場合、必ず司法関係者の確認をもらい、法的にしっかりと機能する内容にしなければいけません。

反社会的勢力と接触した場合の社内ルールを浸透させる

反社会的勢力と接触した場合のルールを明確化し、社内に浸透させることで、速やかな情報共有と対応を行います。

反社会的勢力からの接触は巧妙化しているため、素人目には判断がつかないケースも少なくありません。そのため接触に対して厳罰によって処分を行うと、処分を恐れて報告を隠蔽する可能性があります。

そのため、報告を受け付ける窓口を専門に設定し、反社会的勢力と接触した場合に過度の処罰を与えないことや、報告者をしっかりと保護する体制を整える必要があります。

また、ルールを社内に徹底して浸透して、処罰を恐れて報告せずに隠蔽するよりも、分かった時点で速やかに報告したほうがより良い結果になることを従業員全体に理解させることも大切です。

反社会的勢力は定義がないからこそ、接近を防ぐための体制づくりが大切

反社会的勢力は明確な線引きと定義が存在しない理由と、だからこそ接近を防ぐための体制づくりが大切であるということを理解していただけたでしょうか。

反社会的勢力は様々な方法で接触し、企業に取り入って利益を吸い取ろうとしてきます。そのため反社会的勢力から企業を守るためには、インターネット時代に即した考えと対応が必要です。

社内の体制やルール作りによって現場からの報告をしっかりと受け取るだけでなく、日常的な反社チェックによってより早く情報を掴み、しっかり対処していかなければいけません。反社会的勢力の情報を更新するためにも、反社チェックツールは導入しておくべきでしょう。

反社会的勢力の接近を防ぎ、万一の場合は素早く対処できる体制づくりが、企業を守る上でなによりも大切です。