「反社チェックはどこまで行うべき?」
「なぜ企業に反社チェックが求められる?具体的な実施方法についても知りたい」
こんな疑問を持っている方も多いと思います。
反社チェックはあくまで努力義務。反社チェックをどこまで細かく行うかは企業に委ねられていますが、それゆえに具体的な実施方法に悩むところです。
この記事では、反社チェックの必要性は具体的な実施方法、反社チェックに関するおすすめのサービスまで紹介しています。
この記事を読めば、反社チェックをどこまで実施すれば良いか具体的に理解できますよ。
結論からお伝えすると、手動での調査だと手間がかかるためツールの導入がおすすめです。
RoboRoboコンプライアンスチェックならインターネットを網羅的に検索できるため、担当者の負担を大幅に減らし、業務の効率化・人件費の削減にもつながります。
目次
反社チェックはどこまで実施すればいい?
反社チェックの導入を検討しているものの、どこまで実施すればいいのか悩む企業が多いかもしれません。反社チェックの実施先は、大きく分けて以下3つです。
- 新規・既存の取引先企業
- 株主
- 役員・従業員
役員や従業員に関しては、入社前の『リファレンスチェック』と合わせて実施するのが適切です。本章では、反社チェックの対象範囲や実施のタイミングについて解説します。
新規・既存の取引先企業
新規・既存の取引先企業ともに反社チェックをどこまで実施するかは業界ごとに異なりますが、一般的には下記項目のチェックは最低限実施しておきましょう。
- 取引先の企業名
- 代表者名
- 役員名
- 取引先企業の主要株主
なお、上場審査では課長以上の従業員も審査の対象となります。反社チェックの目的によってもどこまで実施するか変わるため、あらかじめ社内ですり合わせ・共有しておくべきです。
既存の取引企業に関しても、一度のチェックだけでなく最低でも3年に1回実施する必要があります。これまで問題がなかったとしても状況が変わって、反社会的勢力と関わりを持ってしまっている可能性があります。
株主
株主も反社チェックの対象となります。株主が法人であれば法人名や役員、また株主企業の大株主などのチェックも必要です。反社チェックを行うタイミングとしては、株主を増やしたり変更したりする際に実施しましょう。
役員・従業員
反社チェックを実施する場合、取引先や株主などの外部に目を向けがちですが、コンプライアンス違反を起こしてしまう原因の多くが社内の役員・従業員にあります。そのため、入社前のリファレンスチェックの強化とともに反社会的勢力と関わりがないかのチェックは必ず実施しましょう。
役員の場合、役員就任決定から就任前までの期間に実施するのが適切なタイミングです。
大企業になればなるほど役員や従業員数が多くなり、どこまで実施すればいいのか悩むかと思います。一般的には、過去の経歴や家族・親族、家族・親族が経営している企業などを中心に反社チェックしましょう。
業界ごとの反社チェック、どこまで実施するべき?
取引先や株主など、反社チェックの対象範囲についてはどの業界においても同様ではありますが、「どのような部分を重点的にチェックするか」においては業界ごとで微妙に異なります。
反社会的勢力の介入が非常に多い不動産業や飲食業における反社チェックの実施について下記表にまとめましたので、ご参考ください。
業界 | どこまで実施するか? |
---|---|
不動産業界 | 法人登記を取得し、商号、役員をメインにチェックを実施。場合によっては、土地の権利書やパスポートなどの詳細確認を実施することもあります。 |
サービス業界(飲食など) | 企業・個人のチェックだけでなくテナント(オーナー)の反社チェックも必要です。 |
M&A業界 | 銀行や保険会社との取引が多い業界です。不正受給や取引などがないかを念入りに確認しましょう。 |
反社チェックの必要性
反社チェックをどこまで行うか考える前に、まずは反社チェックの必要性を知っておきましょう。企業に反社チェックが求められる理由は、大きく分けて以下の3つです。
- 反社会的勢力排除の流れ
- 企業の社会的責任
- 企業存続への影響
それぞれ詳しく解説します。
反社会的勢力排除の流れ
時代が進むにつれ、反社会的勢力排除の流れはどんどん強まっています。2007年6月には、政府が「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(※1)を取りまとめました。
反社会的勢力が取引先や株主となって、不当要求を行う場合の被害を防止するため、契約書や取引約款に暴力団排除条項を導入するとともに、可能な範囲で自社株の取引状況を確認する。
この指針は法令ではないため法的拘束力はなく、あくまで努力義務です。しかし、違反すると組織の代表者に勧告等が行われることもあり、決して無視できるものではありません。
企業の社会的責任
反社チェックを怠り反社会的勢力との関わりを持ってしまうと、企業のコンプライアンス(法令遵守)への意識を疑われてしまうでしょう。
コンプライアンスの観点からも、企業は反社会的勢力と関わりを持つべきではなく、むしろ積極的に排除すべきです。各都道府県の定める「暴力団排除条例」(※2)でも、次のような条項が盛り込まれています。
契約時に相手が暴力団関係者でないことを確認すること
契約書に暴力団排除条項を盛り込むこと
暴力団関係者に対する利益供与の禁止
企業存続への影響
反社チェックは自社の存続のためにも必須です。もし反社会的勢力と関係を持っていることが公になれば、故意であるかどうかは関係なく、企業イメージは大幅にダウンしてしまうでしょう。
もしニュースになれば信頼は失墜し、取引先から契約を打ち切られたり、金融機関から融資が受けられなくなったりするなどのリスクも生じます。
実際に、反社会的勢力と関与していた経営陣が株主に訴えられ、損害賠償を求められた事例もあります。反社会的勢力と関わるリスクを考えれば、反社チェックは欠かせない業務です。
なお、反社チェックの必要性や反社の定義については「反社チェックが必要な理由や具体的な方法」の記事にて記載しておりますので、そちらもあわせてご覧ください。
反社チェックを怠った場合の3つのリスク
反社チェックの重要性をより明らかにするため、反社チェックを怠った場合のリスクや事例について見ていきましょう。
- 罰則や行政指導
- 顧客や金融機関との取引停止
- 上場廃止
罰則や行政指導
取引相手が反社会的勢力と知らなかった場合、利益供与にはなりませんが、それでも条例違反に当たる可能性があります。実際、反社会的勢力と関わりを持ったために罰則・行政指導に至ったケースは少なくありません。
事例として、設備工事会社・九設の社長が暴力団関係者と飲食等を共にしたことから、公共工事から排除されるなど排除措置の対象になりました。同社はその後、信用低下による銀行口座の凍結や取引中止が相次ぎ、倒産に至っています。(※3)
参考事例からもわかるように、相手が反社会的勢力だと知らなかったとしても、企業の信用が傷付くなどのリスクがあります。
顧客や金融機関との取引停止
どんな企業でも、反社会的勢力やそれに関わる組織との関わりは持ちたくありません。反社会的勢力との関係が明らかになると、取引中止や融資停止などになるリスクがあります。
2008年にはスルガコーポレーションが用地取得の際、立ち退き交渉を依頼した関係者が反社会的勢力であると報道されました。同社はその後、銀行による融資停止などによる資金繰り悪化により、黒字のまま民事再生に至っています。(※4)
企業の信用が失われると、取引先や銀行との取引や融資が停止となり、そのまま倒産してしまうことすらあるのです。
上場廃止
上場企業の場合、反社会的勢力と関わりを持ってしまったために、上場廃止の憂き目に遭うリスクまであるため要注意です。東京証券取引所のガイドライン(※5)には次のような記載があります。
新規上場申請者の企業グループが反社会的勢力による経営活動への関与を防止するための社内体制を整備し、当該関与の防止に努めていること及びその実態が公益又は投資者保護の観点から適当と認められること。
実際、2014年にオプトロムという会社が反社会的勢力との関わりがある事実を伏せていたため、最終的に上場廃止となりました。(※6)
反社チェックに有効な5つの調査方法を解説
紹介した通り、反社会的勢力との関わりは企業存続に甚大な被害を及ぼします。反社会的勢力と関わってしまうのを防ぐため、以下のような調査を必ず実施しましょう。
- インターネット検索
- 新聞記事の検索
- データベースに問い合わせ
- 調査会社に依頼
- 全国暴力追放運動センターに登録
インターネット検索
反社チェックの最も一般的な手段は、インターネット検索です。調査対象の氏名・会社名などとともに、以下のようなネガティブキーワードを検索してみましょう。
- 反社、暴力団、ヤクザ
- 検挙、釈放、書類送検、逮捕、摘発
- 詐欺、疑い、訴訟、違反、容疑
- 行政処分、行政指導
もしネガティブキーワードに引っかかった場合、過去にどのような事件や問題を起こしているのかより詳しく調査する必要があります。
とはいえ、自社だけでインターネット検索するには時間がかかります。反社チェックを効率化したい場合はツールを導入しましょう。ツールなら膨大なデータベースをワンクリックで検索できるため、担当者の負担削減につながります。
RoboRoboコンプライアンスチェックなら取引先のチェックがワンクリックでできるため、作業を大幅に効率化できます。取引先が多い場合、ぜひ導入を検討してください。
新聞記事の検索
インターネットだけでなく、新聞やニュース記事を検索しましょう。新聞記事などを調べることで対象が過去に事故を起こしたり、逮捕されたりしていないか把握できます。
特に新聞は過去数十年分の記事が残っていることが多いため、問題を起こしてから時間が経っていても問題ありません。
大切なのは、複数社のデータベースに検索をかけることです。インターネットは反社会的勢力を網羅しているわけではないため、あらゆる媒体を活用して情報を補完する必要があります。
データベースに問い合わせ
さらに詳しく調査したい場合、特定のデータベースに問い合わせてみましょう。業界団体によっては、業界内の反社会的勢力に関わるデータベースを保有している可能性があります。
以下は独自のデータベースを持っている可能性のある業界団体の一例です。
- 一般社団法人全国銀行協会
- 日本証券業協会
- 財団法人不動産流通近代化センター
- 社団法人不動産協会
- 日本生活協同組合連合会
業界団体に問い合わせることで、インターネットや新聞記事では得られなかった情報が手に入るケースもあります。
調査会社に依頼
対象に関するより詳しい情報を得たい場合、調査会社に依頼してみると良いでしょう。「信用調査会社」や「興信所」などに調査を依頼することで、より詳しい情報を得られます。
調査を依頼すると、数週間ほどかけて経歴や評判、ネガティブな情報の有無、逮捕歴などをまとめてくれます。
ただし、調査会社への依頼はコストがかかるため慎重に検討してください。1件あたり数十万円ほどの費用がかかるため、全ての取引先に実施するのは現実的ではありません。
全国暴力追放運動センターに登録
怪しい場合は暴追センター(全国暴力追放運動推進センター)に相談してみましょう。暴追センターに持ち込むことで、警視庁の保有する「暴力団関係者データベース」を照会できます。
ただし、警視庁のデータベースにアクセスするには暴追センターの賛助会員への登録が必須です。登録には年会費として5万円かかるため、登録する価値があるかどうか検討する必要があります。
なお、暴追センターは各都道府県に設置されているため、最寄りの暴追センターに問い合わせると良いでしょう。
反社会勢力だと分かったときの2つの対処法
反社チェックの結果、相手が反社会的勢力だと分かった際は即座に対応する必要があります。具体的には以下の方法で対処してください。
- 弁護士に相談する
- 取引を中止する
弁護士に相談する
相手が反社会的勢力だった場合、自分の判断だけで行動するのは危険です。まずは社内の人間と情報を共有し、速やかに情報を収集して顧問弁護士に相談する必要があります。
弁護士に相談すれば、状況に応じて適切な対応を取ることが可能です。それに、弁護士から受任通知や内容証明郵便が届けば、それだけで手を引いてもらえるケースも少なくありません。
問題を安全に解決するためにも、まずは法律の専門家に相談して指示を仰ぐのが良いでしょう。
取引を中止する
相手が反社会的勢力だと分かったら、すぐに取引を中止しましょう。関係が明るみに出れば、信用低下をはじめ甚大な不利益を被ってしまいます。
注意点として、取引先に事実をそのまま伝えてはいけません。なぜなら、事実を伝えると証拠の提示を要求されるなど、対抗策を講じられる可能性があるためです。
もし社内情報の公開を強要された場合、警察に相談してください。また、契約の際はあらかじめ反社会的勢力との関わりがないことを表明してもらうよう、書面に記載しておくのも有効です。
反社チェックができるおすすめのシステム5選
反社チェックを行う際、担当者だけで膨大な情報を調べ上げるのには時間も費用もかかってしまいます。効率化のためにツールの導入も検討しましょう。
おすすめなのは以下の5つです。
- RoboRoboコンプライアンスチェック
- sansan リスクチェック
- 日経リスク&コンプライアンス
- RISK EYES
- 反社DB Web検索
それぞれの特徴やメリットを詳しく解説します。
RoboRoboコンプライアンスチェック
最もおすすめの反社チェックツールは、RoboRoboコンプライアンスチェックです。取引先の調査を効率化でき、100件のチェックにかかる時間を98%削減できます。
取引先の登録はExcelからドラッグ&ドロップで簡単にでき、関連記事が注目度に合わせて3段階で表示されるため、重要度の高い記事からしっかりチェックできます。
セキュリティに関しても、一部上場企業「RPAホールディングスグループ」が提供しており、安心感も抜群です。反社チェックを効率化したい場合はRoboRoboコンプライアンスチェックの導入を最優先で検討しましょう!
sansan リスクチェック
引用:sansan リスクチェック
反社会的勢力との関わりを未然に防ぎたい場合は、sansan リスクチェックが最適です。名刺管理ツールと連携し、名刺をスキャンすることで相手の情報を検索できます。
名刺だけで反社チェックができるため、取引開始前に関わりを防ぐことができ、反社会的勢力との関わりを回避したい場合に適しています。
データベースは「Refinitiv社」と「KYCC社」の2社を照会しており、十分な信頼性があります。反社チェックしつつ未然にリスクを回避したい場合は、ぜひsansan リスクチェックを検討しましょう。
日経リスク&コンプライアンス
引用:日経リスク&コンプライアンス
情報の信頼性で選ぶなら、日経リスク&コンプライアンスです。日経の幅広い網羅性が強みの反社チェックツールです。
日経テレコンの情報を網羅した「ネガティブニューススクリーニング」と、グローバル情報との照会が可能な「ウォッチリストスクリーニング」の2種類を利用できます。
契約は1年単位で、無料で利用できるトライアル版も存在します。信頼できる情報を収入したい場合は、日経リスク&コンプライアンスを選びましょう。
RISK EYES
引用:RISK EYES
RISK EYES(リスクアイズ)は、余分な情報を徹底的に排除した反社チェックツールです。
同系列の記事をグルーピングしたり、AIによって余計な記事を排除したりして、チェックにかかる時間を大幅に削減しています。
機能も豊富で、調査代行や記事のスクリーニングなども可能ですが、オプションを利用するたびに300円の追加料金がかかるため注意です。
チェック時間の削減、または担当者の負担軽減を重視するなら、RISK EYESが良いでしょう。
反社DB Web検索
引用:反社DB Web検索
異なる観点から反社チェックできるのが、反社DB Web検索です。日本信用情報サービスが運営するツールで、警視庁の関連情報という独自のデータベースを保有しています。
データベースが豊富で、さらにクレーマー情報など他のツールとは異なる観点から反社チェックできるのが特徴。一度に10件まで検索できるため、気軽に反社チェックができます。
利用体系は月額と検索数になっており、契約は1年単位です。契約時には12ヶ月分の料金を支払う必要があるため注意しましょう。
反社チェックツールならRoboRoboコンプライアンスチェック!
今回は反社チェックをどこまで行うべきか詳しく解説しました。
反社チェックは国や都道府県などによって指針が定められており、努力義務のため、どこまで行うかは企業側の裁量に委ねられています。
とはいえ、反社チェックを怠り反社会的勢力との関わりを持ってしまうと、企業イメージの悪化や信用の失墜など重大なリスクを負うことに。
反社チェックはツールを導入して行いましょう。ツールを利用すれば作業を効率化でき、担当者の負担軽減にもつながります。
特にRoboRoboコンプライアンスチェックは取引先をサクッと一括登録でき、重要度の高い情報のみチェックできるため、ぜひ導入を検討してください。
【出典・参考】