飲食業界では、反社会的勢力による被害は決して珍しいことではありません。反社会的勢力からアプローチがあった場合の対処法や、事前に行うべき反社チェックの方法は把握しておくべきでしょう。この記事では飲食店が行うべき反社チェックの方法および対策と、具体的な過去の事例を紹介します。
目次
反社会的勢力とは?
反社会的勢力とは、一般的に暴力団と呼ばれる団体のことを指します。
脅迫や恫喝など暴力的な行為によって金銭を強奪したり、精神的に追い詰めて無理な要求を押し通したりする犯罪行為を行う集団・個人が、いわゆる反社会的勢力と呼ばれているのです。
暴力団以外にも、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団なども、反社会的勢力に含まれる場合があります。
飲食店の店内で反社とトラブルになったらどうする?
飲食店のように顧客の出入りが多い業界では、意図せずに反社会的勢力と接触してしまう機会が多いです。
ミスに言いがかりをつけて飲食代金を支払わない、他のお客さんを威嚇して店に近づきにくくする、といった嫌がらせ行為に巻き込まれる可能性があります。
飲食店の営業時に反社とトラブルになったときや、反社の疑いがある人を発見した場合には、刺激せずに、警察や暴追センターなどの専門家に相談しましょう。実害があればすぐに対応してくれる可能性もあるため、無用なトラブルを避けるために直接対峙するのではなく警察や暴追センターに依頼することがおすすめです。
飲食店での反社への対処方法
反社による被害はあらゆる業界で発生していますが、飲食店の場合その被害の形が他とは異なっていることが多いです。以下からは、飲食店ならではの反社への対処法を紹介します。
みかじめ料など払わない
飲食店を経営していると、反社から場所代、用心棒代、おしぼり代などといった名目で「みかじめ料」を要求されるケースが多いです。
みかじめ料を支払うと反社への資金提供を行ったとみなされ、自社も反社会的勢力の一部として認識される恐れがあります。
社会的な立場を守るためにも、反社からのみかじめ料の請求には応じないようにしましょう。
支払わないことによって嫌がらせなどを受けた場合には、警察や暴追センターに連絡して早急な対応を求めてください。
闇金などと関係を持たない
飲食業界は店舗の経営難を乗り切るために闇金からお金を借りてしまい、結果的に反社と関係を持ってしまうケースもあります。
1度でも闇金からお金を借りると、その後もしつこく付きまとわれて弱みを握られる可能性が高いです。
闇金に対する法外な利子を返済することが、反社への資金提供とみなされる可能性もあるため、まずは怪しい企業からお金を借りないことを徹底しましょう。
結託など求められても契約しない
飲食店経営における結託を提案されても、取引に応じないことも重要な対策です。
メリットがあることをにおわせて結託した結果、相手が反社であったためにお店を乗っ取られるようなケースも珍しくありません。
仮に友人からの紹介などであっても、少しでも怪しい言動や予兆があればすぐに反社チェックを行って相手の身元を確認しましょう。
飲食業界に反社が入り込んだ事例
飲食業界に反社が入り込んでしまった事例は、これまでにも多数報告されています。
以下からは、飲食店が反社によって被害を受けた実際の例を紹介します。
共同利益を得ている事例
飲食店を経営する企業が反社と共謀して、利益を得ていた事例があります。
企業が急成長を遂げるときに反社の暴力的な交渉力を利用して、他企業に圧力をかけるケースがあるのです。
過去には「地上げ」による立ち退き交渉で多額の利益を獲得し、反社会的勢力の規模を拡大させていた時代があります。結託している企業側にも利益があることから、良い関係性を築けているように錯覚しがちです。しかし、実際には「反社と協力していた」というレッテルを貼られるリスクを背負うことになり、健全な企業としての活動が困難となるでしょう。
乗っ取られる事例
企業の経営危機につけ込まれ、会社を乗っ取られる事例も少なくありません。事業成果が振るわずに赤字となったことを理由に粉飾決算を行ってしまい、その弱みを反社に握られて経営権を乗っ取られるケースが多いです。
実は会社の副社長が反社の人間で、わざと事業経営の悪化や粉飾決算の指示などを行い、乗っ取りを計画的に行っていた事例もあります。自社に対しても反社チェックを行い、疑いのある社員や役員がいないか確認する必要があるでしょう。
人脈が浸透している事例
裏社会における人脈を利用して、経営上層部に反社の人間が潜入しているケースもあります。
企業や銀行の上層部に反社の人間が人員として食い込むことで、相手が反社会的勢力であるにも関わらず巨額の融資を行ったり、不当な取引を決定したりできてしまうのです。
飲食業界の上層部にも反社の人間が入り込んで、違法な企業と取引を強引に行った事例もあるため、人員選びの際にも反社チェックが必要となるでしょう。
飲食店は反社のフロント企業としても多い傾向がある
飲食業界には、反社のフロント企業(反社会的勢力が運営している企業)が多い傾向にある点も注意が必要です。
ぼったくりバー
高すぎる飲食代金を請求するいわゆる「ぼったくりバー」は、反社のフロント企業であることが多いです。
強引なキャッチや呼び込みによって客を連れ込み、高額な料金を強制的に支払わせるのが特徴です。
バーを経営する企業に対してショバ代(場所代)を請求されて、反社に資金が流れてしまうケースもあります。
キャバクラやガールズバー
キャバクラやガールズバーなどの飲食店は、結託して反社とつながりを持っているケースもあります。
表向きには普通のキャバクラとして運営していても、裏では反社におしぼり代などの名目で継続的に資金を提供していることがあります。
資金提供を行うことでトラブルの解決などを反社の人員に任せられるため、積極的に結託をする飲食店も珍しくありません。
反社チェックの方法とは
飲食業界には、あらゆる方法で反社会的勢力が入り込んでいる可能性があります。
そのため事前に反社チェックを行って、トラブルを回避するのが重要となるでしょう。
検索エンジンで会社名や個人名を調べる
反社チェックのなかでもっとも手軽かつコストがかからない方法が、インターネットの検索エンジンを使った手法です。ネット検索で会社名や個人名を調べることで、反社と結託した事実がないか、違法な営業によって検挙された過去がないかといった点を調べられます。
簡単に反社チェックを行える一方で、入手した情報の信憑性が低い可能性もあるため、必要に応じて別の方法で調べ直すのもポイントです。
日経テレコンを利用する
日経テレコンとは、国内最大級のビジネス情報データベースです。日本経済新聞を含んだ500を超える情報源を参考に、最新ニュースから過去30年余りの記事を検索できます。
新聞や雑誌の記事から情報収集が行えるため、会社や個人が反社と接触した報道がされていないかを確認できます。
調査会社に依頼する
自社の調査だけでは、相手が反社会的勢力かどうか判断できない場合もあります。
その際には専門の調査機関を利用して、より深く相手企業や個人を調べてもらうことがおすすめです。
専門の調査機関だからこそ活用できる情報源や人脈があるため、自社だけでは調べきれなかった部分をカバーしてくれます。
調査によって相手企業・個人が反社であることが分かったなら、確証を持ってその後の対応を行えるため、トラブルへの発展を未然に防ぎやすくなるでしょう。
まとめ
反社会的勢力の数は減少傾向にありますが、飲食業界においてはまだまだ油断ができない状況が続いています。反社の人物からのアプローチを避けるためにも、この機会に反社への対処法や反社チェックの方法を確認しておきましょう。
反社チェックを自社でスムーズに行いたい場合には、「RoboRoboコンプライアンスチェック」の利用がおすすめです。相手企業が反社と結託していないか、社会的なコンプライアンスを守っているかなどを、クラウド環境から自動でチェックできます。
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この機会にRoboRoboコンプライアンスチェックを導入して、反社チェックに必要な環境を整備してみてはいかがでしょうか。