今回は「反社かどうか調べるための方法」を紹介し、「自社に適した反社の調べ方を選ぶポイント」や「反社かどうか調べる際の注意点」を中心に解説します。
さらに、反社を効率的・効果的に調べる際の大きな手助けになるツールについても紹介します。
今回の記事を参考にして、今やどんな企業でも無関係ではない反社リスクに適切に備えましょう。
- 反社と関係を持つだけで大打撃を受ける可能性が生じる「反社リスク」は今やどんな規模の企業にも関係ある
- 反社かどうか調べるには4つの手段(自社調査・専門家・行政機関・チェックツール)がある
- どの手段を選ぶべきかは「リスクの大きさ」と「自社のコスト」の2軸を中心に判断する
- 効率的で効果的に反社かどうかを調べるには反社チェックツールを上手く活用することが大切
目次
1 反社かどうか調べる方法「反社チェック」
反社と関係を持つことで大打撃を受ける可能性が生じる「反社リスク」は今やどんな規模の企業でも無関係ではいられません。
反社とのつながりが発覚したことで倒産にまで追い込まれた中小企業も実際に存在するのです。
そういったリスクを可能な限り回避するための「反社チェック」と呼ばれる反社の調べ方について解説します。
反社チェックとは
別名コンプライアンスチェックとも呼ばれるものですが簡単に言うと、
「個人や法人が取引を行う際、相手が反社会的勢力(反社)に関わっていないかを調べること」のことです。
なお、反社会的勢力とは「暴力や詐欺などの不当な行為で利益を得る個人や集団の総称」を指します。
暴力団や半グレと呼ばれるような集団が代表的な存在ですが、これらと繋がりを持つ者も反社と見なされることがあります。
※反社や反社リスクについて以下の記事で詳しく解説しています。
反社チェックの方法
反社リスクを可能な限り未然に把握して取り除くための方法である「反社チェック」の主なものとして次の4つの手法があります。
- 自社で調査
- 専門調査機関に依頼
- 行政機関に照会
- 反社チェックツールを活用
ただし、どの方法でも闇雲にやっておけば良いという訳ではありません。
後述の「5.反社の調べ方をどう選べばよいか?」で説明しているポイントを理解した上で自社に適した方法を選択しましょう。
①自社で調査
インターネット検索や新聞などでの情報収集といった身近な手段を使った調査方法であり、金銭的なコストも少なく済むことが多いのがメリットと言えます。
一方で、調査する手段が限られている上に手間も掛かってしまうことも多いです。
また、一般の社員が調査する場合、専門のプロではないため調査の精度も必ずしも高いとは限りません。
②専門調査機関に依頼
信用調査会社や興信所などの専門調査機関は独自の情報網を使った情報収集に加えて、内偵調査まで行うこともあるため、一般の社員による自社調査よりも精度の高い反社チェック調査の結果を期待できます。
その一方で、調査費用も高くなる場合が多いです。
また、相手側に「調査されているのでは?」と察知される可能性もあります。
③行政機関などに照会・相談
警察や(公財)暴力団追放運動推進都民センターなどの公的機関に相談することで情報を照会するという反社チェック方法もあります。
反社を取り締まる警察のデータベースを参考にするので情報の精度は非常に高いと言えますが、相手方が反社である疑いが濃厚などの事情が無いと情報開示は容易ではないのも事実です。
④反社チェックツールを活用
「インターネットなどでの情報収集やリスク注目度の判定などをAIの力で自動化させる」という反社チェックツールを活用する方法であり、最近導入する企業が増えています。
反社チェックツールの例:「RoboRoboコンプライアンスチェック」
従来型の自社でのインターネット調査だと「情報収集の手間が掛かった割に精度が高くない調査になってしまった」などのデメリットが起こりがちでしたが、インターネット検索や判定などをAIで自動化することで、
手間やコストをあまり掛けずに、ある程度の深度の情報は精度よく収集できるので、担当者によって調査の精度に差が生じるというマイナス面も避けられるようになって来ています。
ただし、利便性が高いからと言っても万能ではないので、頼り過ぎは禁物です。
2 反社かどうか調べなくてはならない理由
反社かどうか調べなくてはならない理由とは「現代の反社リスクは会社に大打撃を与える重大なリスクであり、しかも従来の考え方では対応困難なリスクになったから」です。
これは「社会の要請」「SNSなどの『拡散ツール』の普及」「反社の『見極め困難化』」という3つの要因によるものです。
下記に順番に説明します。
社会の要請
近年の社会的な「コンプライアンス意識の高まり」が背景要因としてあります。
企業の社会的責任(CSR)の一環として企業のコンプライアンスを求める社会的な高まりの中で「反社会的勢力との関係遮断」も求められるようになって来ました。
2007年の政府による「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」や、2011年に全国の都道府県で施行された「暴力団排除条例」、さらに東京証券取引所の「上場審査に関するガイドライン」などはその代表例です。
こういった社会的な趨勢の中で「反社と関係を持つこと自体」がコンプライアンス違反であるとみなされるようになったのです。
SNSなどの「拡散ツール」の普及
前節で説明した「社会の要請」という背景要因に加えて、SNSなどの「拡散ツール」の普及がコンプライアンス違反を重大なリスクへと増幅させた側面もあります。
ネットやSNSなどが普及する以前は、企業にとって「小さなつまづき」程度のダメージしか受けなかった不祥事やトラブルでも今や個々人によって発信され、瞬く間に世界中に拡散され、倒産にまで追い込まれるほどの大打撃を与えるものとなりました。
こういったSNSなどによる拡散は反社リスクも当然例外ではありません。
現代は企業のコンプライアンス違反が瞬時に拡散されてしまう時代なのです。
反社の「見極め困難化」
現代の反社リスクへの対応をさらに難しくしているのが反社の「見極め困難化」です。
過去には暴力団が主として反社会的勢力と呼ばれていました。
しかし近年では半グレ集団や特殊知能暴力集団、フロント企業といった従来の枠組みでは捉えられない反社も次々と出現しており、しかも様態も多様化しているため見極めが非常に難しくなって来ています。
こういった反社の多種多様化によって「反社かどうかの見極めも困難化」してしまったことも、「気づかぬうちに反社と関係を持っていた」という反社リスクを高める要因になっています。
3 反社かどうか調べるのが不十分な時のリスク
一時の利益のために反社との取引に手を染めてしまったり、反社に付け込まれる隙を与えてしまったり、反社との関係を把握しながら放置したままにしたり…といった反社に対する適切ではない対応をしていた企業はどんな結末になったのか。
反社に適切に対応しなかった企業の実例を3つ紹介します。
スルガコーポレーション事件
企業が反社の威力を利用して脅迫的なやり方で入居者を立ち退かせたことで社会的な信用を大きく失った事件です。
2005年にスルガコーポレーションは外部業者に委託して、取得したビル物件の入居者に立ち退き交渉を行いました。
しかし業務委託先が反社(暴力団のフロント企業)で、暴力的なやり方で立ち退かせた事実が明らかになりました。
スルガコーポレーションは過失による取引と強調したものの、実は150億円もの取引が行われていたことが発覚し非難されて信用を大きく失いました。
蛇の目ミシン(現:ジャノメ)恐喝事件
反社に会社を実質的に乗っ取られて大損失を被った事件です。
蛇の目ミシン工業株式会社(現社名:ジャノメ)の株式を反社が買い占めて恐喝した事件です。
平成元年から平成2年にかけて取締役を恐喝し、債務の肩代わりや不正融資などによって蛇の目ミシン工業に累計1,100億円以上の損失を与えました。
この問題に対して平成5年に株主の1人が提訴したことを口火にして訴訟が始まり、ようやく平成18年に関与した取締役5人に対する583億円ほどの支払い要求が認められて完結しています。
みずほ銀行暴力団融資事件
反社との取引を把握しながら2年以上対応を先送りにし続けたことで、結果的に反社の資金源になったことが問題視された事件です。
メガバンクによる反社との取引事例として有名です。
反社(暴力団)への融資を2年以上、230件以上も行っていたことが明るみになり大きな問題となりました。
2012年秋時点の提携ローンの残高が2億円を超えていたほどの大規模な反社との取引でしたが、「臭いものには蓋をする」ように対応が先送りされていました。
結果的に2年以上に渡り反社の資金供給源になっていたことが問題視され、2013年9月に金融庁から業務改善命令が出されています。
4 反社の調べ方の流れ
ここでは反社かどうか調べる際の具体的な流れの例を紹介します。
反社かどうか調べる際には以下の流れで反社チェックを進めていくことが多いです。
- 第一段階:通常の反社チェック
- 第二段階:より深い反社チェックが必要な場合
- 第三段階:反社である可能性が濃厚な場合
以下に順番に解説します。
第一段階:通常の反社チェック
通常の反社チェックを行う場合、インターネットや新聞記事データベースといった公知情報の検索による情報収集から始めることが多いです。
ただ、記事の情報だけでは調査対象と同一なのか判断できない場合がありますので、登記や本人から提示を受けた公的な身分確認書類も使用して確認することもあります。
なお、この段階の反社チェックを自社調査として行った場合、調査範囲を漏れなくすべてチェックして、画面の保存、その後の情報の選別などの作業をすべて自社の人間の手で行う必要があります。
こういった作業は手間も時間も掛かる場合も多いので反社チェックツールを活用した方が効率は良いです。
RoboRoboコンプライアンスチェックツールの無料お試しはこちらから
第二段階:より深い反社チェックが必要な場合
公知情報を調べた結果、反社の疑いが強くなった調査対象に対しては専門調査機関に依頼して、より深い調査を行います。
公知情報だけではない独自の情報網を使った調査や内偵調査も含めた調査を実施することで、調査対象の内実に関する情報を収集します。
また、自社でも調査対象の住所地に赴いて実際の様子を確認する実地調査を行う場合もあります。
第三段階:反社である可能性が濃厚な場合
専門調査機関で調査を行った結果、調査対象が反社である可能性が濃厚であり、緊急性が高いと思われる場合は警察や各地の暴力団追放センターとの相談・連携をしましょう。
その際、調査対象の氏名(名称)や住所、生年月日などの情報も可能な限り準備しておきましょう。
行政機関に個人情報などの開示を求めるのは簡単ではない場合が多いためです。
警察には差し迫った事情であることを説明した上で、どんな準備が必要なのかも事前に確認しておきましょう。
また、相手方である反社から不当な契約解除であると損害賠償請求訴訟を起こされることもありえます。
そういった場合に裁判の中で「相手方は取引が禁止される反社関係者に該当する」と警察に確認した情報を提出できるようにしておくためにも警察等への相談は行いましょう。
5 反社の調べ方をどう選べばよいか?
反社かどうか調べる方法とは前述の4つの反社チェック方法ですが、ここでは「どの方法をどういう基準で選べば良いか」について解説します。
ポイントは以下の2点です。
- 調査範囲や深さを決めるための2つの評価軸
- 各反社チェック方法の特性
この章で紹介する考え方を参考にして、自社にとって最適な反社の調べ方を選べるようになりましょう。
調査範囲や深さを決めるための2つの評価軸
反社チェック方法はどれか1つだけを採用するというよりは、自社に適した複数の方法を組み合わせて活用するのが効果的です。
自社に適した反社チェック方法を選ぶ上では、どのくらいの範囲を調査すべきかという「調査範囲」と、どのくらい深く調査すべきかという「調査の深さ」の2つが大切になります。
これらを決めるためには以下の2つの評価軸で考えましょう。
- 反社チェックの調査対象と取引をするリスクの大きさ(取引額の大きさ、取引先の業種、評判など)
- 自社が調査に掛けられるコスト・手間
取引するリスクが大きい相手ほど深い調査が必要だと言えますし、自社が掛けられるコストが多いほど数多くの対象を反社チェックができると言えます。
また、主にこの2軸で考えるべきですが、細かく言えば以下のような点も考慮する必要があります。
- 自社の規模(取引規模や会社規模、知名度等)
- 反社チェックの緊急性など
これらの軸を基に自社に適した反社チェック方法の組み合わせを考えてみましょう。
各反社チェック方法の特性
各反社チェック方法がどんな場合に適しており、どんな特性を持っているのかを紹介します。
前節で紹介した2つの評価軸に即した形でそれぞれの特性を説明します。
自社に適した反社チェック方法の組み合わせを考える上で参考にしましょう。
①自社調査
コストが掛からない代わりに、手間や時間が掛かり、調査精度もそこまで高くないことが多いです。
「取引する上でリスクがそこまで大きくない相手」や「深度をあまり必要としない場合」の反社チェック調査の際に適している方法だと言えます。
②専門調査機関に依頼
調査精度や深度は非常に高いですが、コストも相応に高いことが多いです。
また、調査完了まで時間が掛かる場合もあります。
「取引する上でリスクが大きい相手」や「コストを掛けても深い調査が必要な場合」の反社チェック調査に適している方法だと言えます。
③行政機関などに照会・相談
警察などの行政機関でしか照会できない情報であるため非常に精度は高いです。
ただし、よほど差し迫った事情が無ければ開示できないハードルの高さもあります。
「取引する上でリスクが高く、かつ反社の疑いが濃厚な相手」や「緊急性の高い場合」に適した反社チェック方法だと言えます。
④反社チェックツールを活用
AIなどテクノロジーの力を活用して膨大な情報を精度高く効率的に調査できます。
大半が有料ですが専門調査機関に依頼するほどのコストは掛かりません。
また、API連携も可能であれば他部署間の連絡コストといった諸費用も節約できます。
非常に使い勝手が良い一方、万能ではないので依存しないように注意も必要です。
相手方の取引リスクの大きさに関わらず、ある程度の深度の調査を短時間で大量に可能であるため、幅広く活用できる反社チェック方法だと言えます。
ちなみに、「RoboRoboコンプライアンスチェック」はAIで注目度の高い記事を優先度順に自動判定してくれるので、効率よくスクリーニングができ、人的・時間的コストが劇的に抑えられて便利です。
反社チェックを効率化!「RoboRoboコンプライアンスチェック」
6 反社かどうか調べる最適な方法とは?
今回は「反社かどうか調べるための方法」について解説して来ました。
ここでは「今回のポイント」を振り返った上で「反社を効率よく調べる上でおすすめの反社チェックツール」を紹介します。
自社に最適な調べ方を選ぶ
今回は反社かどうかを調べるための方法である「反社チェック」について解説してきました。
反社チェックの代表的な4つの手法を紹介した上で、「どの方法をどう選ぶべきか」については「取引先のリスクの大きさ」や「自社が調査に掛けられるコスト」を主たる軸として考えるべきと解説しました。
今回のポイントを振り返ると以下の通りです。
- 反社と関係を持つだけで大打撃を受ける可能性が生じる「反社リスク」は今やどんな規模の企業にも関係ある
- 反社かどうか調べるには4つの手段(自社調査・専門家・行政機関・チェックツール)がある。
- どの手段を選ぶべきかは「リスクの大きさ」と「自社のコスト」の2軸を中心に判断する
- 効率的で効果的に反社かどうかを調べるには反社チェックツールを上手く活用することが大切
今回の記事やポイントを参考にして自社に適した反社の調べ方を検討しましょう。
反社チェックツールで効率よく調べる
今回は「反社かどうかを調べるための手段」や「反社チェックツールの有効性」を中心に解説してきましたが、
「反社チェックツールを使えば効率的に調べられるのは分かったけど、具体的なイメージが湧いてこない」
「反社チェックに手間も時間も費用もそんなに掛けられない」
というお声もあるかと思います。
そういった人にはRoboRoboコンプライアンスチェックツールをまずはお試し頂くことをおススメします。
インターネット検索情報から各種新聞記事、官公庁情報、SNS、掲示板などに至るまでの多種多様な幅広い情報を1クリックで網羅的に収集・調査できるという強みを持っています。
さらに、収集した情報はAIが関連リスクの高さで自動判定して示すスクリーニング機能も、自社の既存の顧客管理システムとの連携も可能なAPI連携も備わっているので、非常に効率的で手間も時間も掛かりません。
それでいて、コスト面も検索料金100円/件から利用可能という業界最安レベルであり、
さらに、無料お試しプランもご用意していることもおススメできる理由です。
数あるコンプライアンスチェックツールの中でも有数のコストパフォーマンスだと自信を持っておススメできるツールですので、まずはRoboRoboでコンプライアンスチェックツールとの付き合い方を無料でお試し頂ければと思います。
RoboRoboコンプライアンスチェックツールの無料お試しはこちらから
7 自社で反社かどうか調べる方法
ツールを導入する前に「まず自社で調べてみよう」と考える企業も多いかと思われます。
ここでは「自社調査」として反社チェックを行う手法を細かく5つに分けて紹介します。
- ネットや新聞記事などの公知情報で調べる
- 登記などで企業情報を確認する
- 各種業界団体に確認する
- 取引条件などを再確認する
- 契約書の反社条項への反応を見る
いずれも有効な手法ですが、手間や時間も掛かってしまうことが多いのも事実ですので、その点は注意しましょう。
※もっと効率化して効果的に反社を調べたい場合はこちら
ネットや新聞記事などの公知情報で調べる
自社で可能な最も手軽な反社の調べ方です。
インターネット検索で調べる場合、「暴力団」「検挙」「摘発」といった言葉を含めて法人名や代表者、関係者を調べることで、調査対象の過去の犯罪やトラブルを把握できます。
各新聞社が保有している過去記事のデータベースを使った検索という調べ方もあります。
一般的なインターネット検索では表示されにくい過去の古い情報まで確認できるのが長所ですが、地方紙や専門紙でないと取り上げていない記事や事件もあるので注意する必要があります。
登記などで企業情報を確認する
国税庁の法人番号公表サイトや許認可を所管する官庁に照会して確認する方法です。
法人番号公表サイトであれば、商標や名称、本社所在地、主たる事業所などを調べることができます。
短期間のうちに会社名称や所在地を頻繁に変更している会社は反社との関連を疑う余地がありますので、別な情報源からの確認や実地調査含めて、さらに深い調査も検討しましょう。
また、許認可を所管する官庁への照会では、各官庁が持っているデータベースを活用した検索も可能な場合があり、過去の行政処分歴も確認できることがあります。
各種業界団体に確認する
業界の中には独自のデータベースを保有しているところもあり、それらを活用することで反社チェックを行える場合があります。
特に不動産や証券、銀行などの業界の場合、システムを活用しての照会も可能です。
自社が所属する業界団体でもそのような照会が可能か確認しておきましょう。
取引条件などを再確認する
取引条件や取引の紹介者、取引に対する切迫感などを振り返って、怪しい点がないか改めて確認することです。
取引条件が相場に比べて異様な好条件だったり、取引開始を異様に急かしてきたりした場合は、その理由をよく考えた上で不審点が無いか反社チェックを行いましょう。
また、取引先自体は反社チェックでは何も該当しなくても、その紹介者が反社というケースも考えられます。
紹介者が反社の場合は取引先も何らかの関係を持っている可能性がありますので、後々のためにも紹介者も反社がどうか調べておきましょう。
契約書の反社条項への反応を見る
契約書に記載する反社排除の条項(反社条項)に対して相手方がどのような反応を示すかを見て判断する方法です。
反社条項とは、反社であると発覚した場合、ただちに契約を解除する旨を定めた条項のことです。
一般的な取引先であればこの条項を嫌がることは殆どありません。
しかし相手方が反社条項の削除や修正などを求めてきた場合、何らかの理由でこの条項を避けたいと考えられますので反社の可能性を疑ったほうが良いでしょう。
なお、「反社会的勢力ではないこと等に関する覚書・確認書」を反社条項に代えて提出を求めるという方法もあります。
いずれにせよ、契約局面での反社チェックになりますので、相手方への伝え方などの対処にも注意が必要です。
※詳しくは「10.反社と判明した後の対処法」を参照
8 反社かどうか調べるタイミング
反社チェックをすべき効果的なタイミングとして以下の主に5つが考えられます。
- 新規取引先の開拓のタイミング
- 契約更新前
- 会社の上場のタイミング
- 役員就任や社員雇用のタイミング
- 定期的なチェック
これら5つのタイミングでなぜ反社チェックが必要なのかを順番に説明します。
新規取引先の開拓時
新規の取引先と契約を締結するタイミングでコンプライアンスチェックが必要です。
新規開拓した取引先がどのくらい反社とつながっているか分からないからです。
会話や雰囲気などから経験則だけで判断せず、反社チェックも行った上で本当に信頼できる相手か見極める必要があります。
相手企業と新規取引をする時や新規契約時のタイミングで、可能な限り広範囲の情報を詳細に確認しましょう。
具体的には、経営者や本人だけでなく、親族やその関連企業、株主、顧問弁護士や顧問税理士までチェックすることが望ましいです。
ただし、契約を結ぶまでに明確に「相手方が反社だ」と判明しない場合も出てきます。
そのような場合、契約後に反社だと判明した際には契約を破棄出来るように、契約書の文面に反社条項等を加えておきましょう。
契約更新前
契約前には気づかなかった、あるいは契約後に反社との関係が生じたという場合も考えられます。
万が一そういった場合であれば、契約更新のタイミングで自然な形で関係を切るのが穏便に関係を解消するのに適しているからです。
ただ、反社とはいえ契約中は取引をしていた相手なので、更新のタイミングで関係を解消するとしても相手が不信に思ったり、抵抗してくる可能性も考えられます。
そういった場合に備えて社内で情報共有したり、弁護士等の専門家に相談するなどして大きなトラブルにならないようにしておきましょう。
資金調達や上場審査前
会社が新規上場する時や資金調達の時でも反社チェックは必要です。
上場企業に相応しいか、資金供与しても問題ないか等の観点で反社との不適切な関係がないかをチェックされるからです。
企業が新規上場する際は「反社会的勢力との関係性がないことを示す確認書」を提出することが義務付けられています。
正確な確認書を提出するためにも、企業の経営者や取引先企業、子会社の役員など広範囲で高精度なコンプライアンスチェックをすることが必要です。
また、上場できたとしても反社とのつながりが後日判明した場合、処分として上場廃止になることがあります。
上場企業として反社勢力に毅然とした姿勢を保ち続けているかが問われ続けます。
従業員採用時
新たな役員や社員が会社に入ってくるタイミングでもコンプライアンスチェックは大切です。
新役員や新入社員がどのくらい反社とのつながりを持っているか分からないからです。
自社の社員や役員、株主もコンプライアンスチェックの対象になります。
デリケートな問題なので二の足を踏む経営者も少なくありませんが、社員であれば入社前の過去の経歴や行動は特に注意すべきです。
また、役員や株主であれば本人だけでなく親族や親族が経営する企業やその企業の関係者も反社チェックをしておくべきでしょう。
定期的に行う
過去に何回か反社チェックをしていたとしても定期的な調査は忘れずにおこないましょう。
現代では反社の様態が多様化しており、簡単に反社だと判別できなくなっているからです。
以前の反社チェックでは把握できずに、反社だと気づかないまま取引し続けたり、付き合い続けてしまったりしてしまうこともあり得ます。
後日の発覚により大打撃を受けるような事態を回避するためにも、定期的な反社チェックは欠かさず行いましょう。
9 反社かどうか調べる際の注意点
反社かどうか調べる際は以下の4点に注意しましょう。
- 反社を調べる際のリスクも考慮しておく
- 個人事業主も反社かどうか調べておく
- 代表者を入念に調べておく
- 反社チェックを行った証拠を残しておく
順番に解説します。
反社を調べる際のリスクも考慮しておく
反社かどうか調べる際に、反社からの報復や脅迫などを受けるリスクのことになります。
ネットや新聞記事などの公知情報の調査程度であれば報復の可能性は低いです。
しかし内偵調査のような深度の深い調査の際に察知されたり、契約の局面での取引拒否だったりする場合は反社から報復や脅迫などを受けるリスクは考えられます。
しかし報復や脅迫のリスクを恐れて反社との関係を持ってしまうことは、もっと重大なリスクを抱えることになります。
報復などに対しては警察や弁護士等の専門家の力を借りて適切に対処することが可能ですので、反社に屈することなく毅然とした対応を心がけましょう。
※詳細は「10.反社への対処法」参照
個人事業主も反社かどうか調べておく
今の時代、外注先などの個人事業主も反社かどうか調べておく必要があります。
反社の在り方が多種多様化して、見極めが困難になって来た現代においては、意図せずに反社と関わってしまうリスクが高まっています。
個人事業主に対する反社チェックも忘れずに行いましょう。
代表者を入念に調べておく
当然と思われるかもしれませんが、代表者の反社チェックは入念に行いましょう。
代表者について反社かどうか調べることが特に重要になって来るのはフロント企業の反社チェックの場合です。
フロント企業は表向きは健全な企業活動を行っており、従業員も反社とは全く関係ない人達である場合も多いです。
しかし代表者だけが反社の関係者であり、反社の資金源になっていたというケースもあります。
そういった企業と取引することは、意図せずとも間接的に反社に資金提供することになります。それを防ぐためにも「一見健全そうな企業」に対しても代表者が反社かどうか調べるのは怠らないようにしましょう。
反社チェックを行った証拠を残しておく
反社チェックを自社で間違いなく行ったという証拠(証跡)も保存しておきましょう。
反社チェックの証跡が上場審査の際に求められたり、裁判になった場合に提出が求められる可能性があるからです。
証跡とは具体的には新聞記事の該当箇所やWeb記事の画面保存等が該当します。
なお、反社チェックツールによっては証跡の保存や確認を簡単に行えるものもありますので、効率的に確実に行いたい場合はツールを活用すべきでしょう。
反社チェックの証跡もしっかり保存できる「RoboRoboコンプライアンスチェック」
10 相手が反社だと判明した後の対処法
反社チェックした結果や取引の途中などで相手方が反社だと判明した場合でも、適切に対処できれば自社へのダメージを可能な限り低く抑えることができます。
ここでは反社に対する基本的な心構えから具体的な対処法まで以下の内容で解説します。
- 反社に対する心構え
- 取引開始前の場合の対処法:相手方にやんわりと伝える
- 取引開始後の場合の対処法①:警察や弁護士と連携
- 取引開始後の場合の対処法②:取引の解消と損害賠償請求実施
反社に対する心構え
そもそもの心構えとして「反社は顧客でない」ということを明確に意識しておきましょう。
反社と関わること自体がルール違反(債務不履行の理由になるなど)であり、絶対に顧客にはなり得ない存在だからです。
そういった意識で反社には毅然とした態度で臨みましょう。
また、反社に対して「取引できない理由」を告げてはいけません。
反社の中には弁舌が非常に巧みな者もいます。
示した理由に言いがかりをつけて脅迫や揺すりを行ってくる可能性も考えられるからです。
取引開始前の場合:相手方にはやんわりと伝える
可能な限り穏便に取引できない旨伝えましょう。
「反社に属する人間だから」「反社と関わっている人間だから」取引できないという理由自体は正当なものですが、そのまま伝えても相手方は強く反発する可能性が高いです。
また、反社の中には人権侵害などのもっともらしい理由で大きく騒ぐことで威力を示す者もいます。
こういった事態を避けるためにも、相手方には可能な限り穏便に取引できない旨を伝えましょう。
しかし毅然とした気持ちで一線は引いておくことも忘れてはいけません。
取引を開始していた場合①:警察や弁護士と連携
反社と気づかずに契約し、その後反社だと判明した場合はできるだけ早く関係を断ち切ることが大切です。
契約書の反社条項や民法の規定を盾にすれば法律上は何の問題もなく即刻契約解除は可能ですが、現実的には自社の力だけでは即刻解除は難しい場合も多いです。
自社だけでは困難と判断した場合は警察や弁護士といった専門家の助力も求めながら連携して対応にあたりましょう。
また、内容証明郵便を用いて解除通知を送るなどの直接の対面を避けたやり方で対応することも大切です。
取引を開始していた場合②:契約の解除・取消と損害賠償請求
契約後に相手方が反社だと判明した場合、契約書に反社条項を設けていれば、契約解除ができ、損害が生じていれば損害賠償請求が可能です。
契約書に反社条項を設けていなかった場合には、ただちに契約の解除または取消をしたいところですが、法的な検討が必要です。
反社でない、将来も関わらないという誓約書があるかどうか、その他の状況によって、民法の債務不履行に基づく解除か、錯誤に基づく取消などを考えることになるでしょう。
併せて損害賠償請求などの可否も含め、弁護士に相談することが必要です。
ただ、反社から報復を受ける危険性もあるので、警察や弁護士などの専門家と連携を取りながら進めていくようにしましょう。
11 反社の調べ方のQ&A
今回の記事で解説した内容のポイントをQ&A形式でまとめました。
反社を調べる方法や反社チェックの選び方、反社チェックツールの活用の仕方等を確認する際にお役立て下さい。
反社を調べる方法にはどんなものがあるのか?
- 自社で調査
- 専門調査機関に依頼
- 行政機関に照会
- 反社チェックツールを活用
「5.反社の調べ方をどう選べばよいか?」で説明しているポイントを理解した上で自社に適した方法を選択しましょう。
なお、おすすめは「反社チェックツールを活用」です。
自社だと手間も時間も掛かってしまう反社チェックを劇的に効率化してくれます。
自社で可能な「反社の調べ方」にはどんなものがあるか?
- ネットや新聞記事などの公知情報で調べる
- 登記などで企業情報を確認する
- 各種業界団体に確認する
- 取引条件などを再確認する
- 契約書の反社条項への反応を見る
いずれも有効な手法ですが、手間や時間も掛かってしまうことが多いのも事実ですので、その点は注意しましょう。
※もっと効率化して効果的に反社を調べたい場合はこちら
自社に合った反社の調べ方が分からない
- 反社チェックの調査対象と取引をするリスクの大きさ(取引額の大きさ、取引先の業種、評判など)
- 自社が調査に掛けられるコスト・手間
詳しくは「5.反社の調べ方をどう選べばよいか?」を参照
反社かどうか調べる際の流れを知りたい
- 第一段階:通常の反社チェック
- 第二段階:より深い反社チェックが必要な場合
- 第三段階:反社である可能性が濃厚な場合
「反社の調べ方」を実行するタイミングとは?
- 新規取引先の開拓のタイミング
- 契約更新前
- 会社の上場のタイミング
- 役員就任や社員雇用のタイミング
- 定期的なチェック
「反社の調べ方」を実行する際の注意点は何か?
- 反社を調べる際のリスクも考慮しておく
- 個人事業主も反社かどうか調べておく
- 代表者を入念に調べておく
- 反社チェックを行った証拠を残しておく
調べた結果、反社だと判明した場合どうすべきか?
- 反社に対する心構え
- 取引開始前の場合の対処法:相手方にやんわりと伝える
- 取引開始後の場合の対処法①:警察や弁護士と連携
- 取引開始後の場合の対処法②:取引の解消と損害賠償請求実施
詳しくは「10.相手が反社だと判明した後の対処法」を参照
なぜ反社かどうか調べる必要があるのか?
反社かどうか調べるのが不十分だとどうなる?
最悪の場合、倒産にまで追い込まれた企業も存在します。
反社を効率的・効果的に調べられるツールはないのか?
さらに、収集した情報はAIが関連リスクの高さで自動判定して示すスクリーニング機能も、自社の既存の顧客管理システムとの連携も可能なAPI連携も備わっているので、非常に効率的で手間も時間も掛かりません。
それでいて、コスト面も検索料金100円/件から利用可能という業界最安レベルであり、
さらに、無料お試しプランもご用意していることもおススメできる理由です。
数あるコンプライアンスチェックツールの中でも有数のコストパフォーマンスだと自信を持っておススメできるツールです。
RoboRoboコンプライアンスチェックツールの無料お試しはこちらから