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信用調査会社によって違う?信用会社8社の評点の見方を徹底解説

信用調査会社の報告書を受け取ったものの「評点について正しく理解できているだろうか」「評価項目の見方はあっているだろうか」と悩む担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

信用調査会社による格付けである評点は、会社によって点数が異なります。評点の付け方やその意味、評点から読み取れる危険度などを知ることで、与信管理に必要な情報についてより深く報告書を読み解くことができるため、評点の見方に対する理解を深めることは与信業務に対して不可欠といえます。

今回は信用調査会社ごとの評点の基準などを説明しながら、評点・企業評価情報を提供している8社について解説します。

目次

帝国データバンクの評点

帝国データバンクの評点は、企業の健全な経済活動や支払い能力などを独自基準で数値化しています。

帝国データバンクは日本の信用調査の約60%のシェアを持つ、全国区対応の信用調査会社であるため、多くの企業で与信調査のために利用され、各企業の与信管理の担当者が目にします。

銀行の融資などの判断にも用いられるため、帝国データバンクの評点は企業の信用力として重視されます。

多くの企業が帝国データバンクの信用調査を受け入れていますが、一部の企業は調査取材を受けないため、その場合評点が予測値になることもあります。また、金融機関や保険会社、保健所や外国公館、公的機関も評価対象外となります。

帝国データバンクの評点についての考え方

100点満点で評価を行い、業績・業歴などの「定量評価」と経営者や企業活力などの「定性評価」の合計7項目に加え、十分に反映されない要素があると判断された場合、加点・減点の項目で評点を調整します。

帝国データバンクの7項目の評価項目の内容と配点については以下のとおりです。

【業歴】

(1~5)企業運営の継続性を評価。業歴が長いほど高得点

【資本構成】

(0~12)企業財務の安定性を評価

【規模】

(2~19)年売上高、従業員数など経営規模を評価

【損益】

(0~10)会社の損益を決算報告書などから客観的に評価。

【資金現況】

(0~20)調査時点での業況・収益・回収状況・支払状況・資金調達余力を評価

【経営者】

(1~15)経営者を、個人の資産背景や経営経験、人物像などの要素から評価

【企業活力】

(4~19)TDB調査員が、企業活力を人材・取引先・生産販売力・将来性の要素で評価

【加点/減点】

(+1~+5)/(-1~-10)上記項目だけでは十分に反映されていない要素がある場合、当項目で反映

このうち、業歴、資本構成、規模、損益、資金現況が定量評価、経営者、企業活力が定性評価となります。

帝国データバンクは定性評価に比較的重点を置いた判断を行うため、この2項目については配点比重がやや高くなっています。

86~100点がA評価、66~85点がB評価、51~65点がC評価、36~50点がD評価、35点以下がE評価となります。

資金力や規模、業歴などの面から、比較的社歴の浅いベンチャー企業や多くの零細企業はボリュームゾーンである40点台に分類されD評価となります。

評点項目から読み取れる情報

評点が同じであっても、信用力がまったく同等とは言い切れません。どの評点項目が大きく評価されているのかに注目する必要があります。

業歴:企業の継続性を評価します。長期的な安定した経営が続いているため、業界や地域で信頼を得ていると考えることができます。

資本構成:財務状況の安定性の評価です。高いほど健全な財務状況といえます。

規模:年間の売上高や従業員数など、経営規模が評価されます。点数が高いほど規模が大きく安定した企業といえます。

損益:決算報告書などを参考に、会社の損益のバランスを評価します。

資金状況:業況や収益、支払い、回収状況、資金調達余力など資金繰りに関する能力です。高いほど資金力があります。

経営者:経営者個人の資産状況や、経営経験、人物像、専門分野などを評価します。経営判断力の高さを表します。

企業活力:人材、取引先の多様さ、生産力、販売力、将来的な成長力を評価します。高いほど成長力と将来性があります。

例えば業歴が浅く定量評価では平均以下であっても、新しい製品を打ち出し積極的にクラウドファウンディングなどで資金調達を行っているような、資金状況や経営者評価、企業活力が高いベンチャー企業は、評点ではDであっても今後高い成長力を秘めている可能性があります。

逆に業歴が長く、定量評価が平均的であっても、経営者の交代や経営方針の変更などがあり、定性評価が下方修正された企業は、経営陣に問題がある可能性を示唆しているため、今後の評価に対して注意深く動向を見守る必要があります。

倒産予測値とは?

倒産予測値とは帝国データバンクが独自に算出している倒産に対するリスクを数値化したものです。

医学・薬学で用いられる基本的な統計的手法(ロジスティック回帰モデル)を使用し、帝国データバンクの企業データベースの情報を日次と月次で判断して、該当企業が1年以内に倒産する確率を予測する値を示します。

倒産予測値は%表記の予測確率の他に、確率を10段階に区分した予測値グレードを併用して表示し、G1~G10までの数字が大きくなるほどリスクが増大する評価となります。

この倒産予測値は倒産するリスクのみを表す指標であり、経営力などの細かな評価は表示されません。しかしリスクが高いと判断された企業は速やかに取引を停止する判断が必要なラインにあるため、素早い対応が必要な与信管理には非常に有効な判断指針となり得ます。

東京商工リサーチのリスクスコアと併せることでより正確な倒産リスクを算出することができます。

東京商工リサーチの評点

国内第二位のシェアを持つ東京商工リサーチの評点は定量データの評価に強いと言われています。100点満点で評価され、12の調査項目を4つに分類した評価分類で判断されます。

評点は報告書のほか、インターネット企業情報サービスや企業データファイルなどで閲覧できます。

東京商工リサーチの報告書であるTSR REPORTはグラフィカルで見やすいことに定評があるほか、企業の経営状態を診断するベンチマークツールによるローカルベンチマークの報告も付属し、定量データによる企業判断資料として重用されています。

東京商工リサーチの評点についての考え方

東京商工リサーチの評点は、以下の12の調査項目を4つに分類した評価分類で判断されます。

【経営者能力】

(20点)資産担保余力、経営姿勢、事業経験

【成長性】

(25点)売上高伸長性、利益伸長性、商品市場性

【安定性】

(45点)業歴・自己資本、決済状況・金融取引、担保余力・取引関係

【公開性・総合世評】

(10点)資料公開状況、総合世評

定量データに分類される成長性や安定性に評点の点数比重が高くなっていることが分かる通り、東京商工リサーチの評点評価は定量データの分析に強みを持ちます。

また報告書に7世代前まで評点を残すことにより、評点の評価の推移を見ることによって、企業の体質変化を視覚的に捉えることができます。

100~80点は警戒不要、79~65点は無難、64~50点は多少注意、49~30点は一応警戒、29点以下は警戒と評価され、多くの中小零細企業は一応警戒から多少注意に分類されています。

評点項目から読み取れる情報

東京商工リサーチの評点項目に対する考え方と読み取れる情報は以下の内容です。

【経営者能力】経営者の資産担保余力、経営姿勢、事業経験などの定性データを評価した点数です。高いほど経営者としての資質が高いと判断できます。

【成長性】売上の伸長、利益確保の状況、取扱い商品の市場性など、企業の成長性を評価します。高いほど市場が安定し、今後も利益が伸びると考えられます。

【安定性】業歴の長さのほか、財務内容や企業体力、取引先(仕入先、販売先)、金融機関などのステークホルダーとの関係、決済状況などを判断します。高いほど企業は安定した経済力があると判断できます。

【公開性・総合世評】企業の情報公開や総合的な世評、その他点数の加減調整です。高いほど情報公開に積極的であり、社会的な評価が高いといえます。

同じ評価値であっても、安定性が低いと判断されても経営者能力や成長性が高い企業は今後の成長に期待できます。一方で7世代分の情報を参照し、安定性が高くても成長性が徐々に低下している、経営者能力が落ちているなどのマイナス評価がある場合は、今後の経営動向に注意が必要です。

リスクスコア(倒産確率)とは?

リスクスコア(倒産確率)は東京商工リサーチの独自の算出方法によって1年以内の倒産確率を評価した100点満点の倒産リスクです。

スコアが99~100の企業の倒産確率が0.02%であるのに対し、スコアが1と判断された企業は19.84%と1年以内に高い確率で倒産します。

リスクスコアは東京商工リサーチが収集した過去の倒産企業の統計分析データを元に、倒産と関連部会データ項目をベースにして算出モデル式を構築した独自評価です。

帝国データバンクの倒産予測値と併せることでより正確な倒産リスクを算出することができます。

信用調査会社各社の評点

続いて国内で活用されている信用交換所、東京経済、金融工学研究所、AGS、リスクモンスター、クレディセイフの6社についてそれぞれの評点について解説していきます。

これらの6社はそれぞれ、業界や地域、産業、海外情報などに強みを持ち、帝国データバンクや東京商工リサーチとは異なる判断基準を持っています。

そのため、総合的な信用調査と評価を行う大手2社と異なり、より特定分野に特化した詳細な情報を入手することができます。また、同時に海外企業の格付けについても併せて説明します。

信用交換所の格付けについて

繊維業界に強く、業界特化した信用調査が可能な企業です。評点は100点満点で行われ、A~Eの評価で分類されます。点数に対する評価の分類は以下の通りで、信用交換所における評価のボリュームゾーンはDa~Dbに入ります。

A      100~86 警戒を要しない

B      85~70 さしあたり警戒を要しない

C      69~65 多少注意を要する

Da     64~60 注意を要する

Db     59~55 やや警戒を要する

E      54以下 警戒を要する

企業サイト上で倒産情報についてデータ公開を行っているため、併せて閲覧することで業界の動向を判断することができます。

東京経済の格付けについて

九州地方に強い地盤を持つ信用調査会社である東京経済は、定性データを特に重視した格付け評価を行っています。100点満点で、50点未満はD1、D2、D3で表示します。50点に近い方からD1、D2、D3となります。

そのため、企業の調査報告に代表者の詳細な人物調査レポートを添付し、評価しているのが特徴です。

代表者の氏名、生年月日、現住所、経歴、関係事業及公職、所有不動産、出身畑、就任経緯、人物像、趣味、家族、後継者、健康状態などの定性データを重視しており、評点評価の重点も人物像に重きをおいています。

金融工学研究所の格付けについて

金融工学研究所の評点はC1からC10の10段階で表示され、数字が大きくなるほどリスクが高いことを示しています。また独自の統計から1年・2年・3年間に該当企業が倒産する確率を予測し、表示します。

評価はチャート式のグラフで行われ、下記の項目について評価されます。

財務:規模、収益性、成長性、健全性、流動性

非財務:資本関係、取引関係、定性情報

事業環境:地域、業種、規模

AGSの格付けについて

AGS金融機関の融資審査ノウハウをベースに行っている信用格付けになります。9段階で評価し、数字が大きいほどリスクが高くなります。

財務情報+企業情報による総合的な判定を行うAモデルと企業情報で判断するBモデルで判定が異なります。Aモデルの場合はA1~A9、Bモデルの場合はB1~B9と表示されます。

評価と同時に予測倒産率を算出しており、A7・B7以下の企業は倒産確率が1.0%~7.0%の要注意先と判断されます。

リスクモンスターの格付けについて

リスクモンスターが行っている格付けは、企業をA、B、C、D、E、Fの6段階で分類しています。Cが平均値で、D以下は支払い能力に懸念があり倒産リスクが2%を超えると判断されます。

リスクモンスターの格付けは倒産判別に特化した格付けで、与信管理業務の目的に則したシンプルな指標となっています。

クレディセイフの格付けについて

海外資本であるクレディセイフの格付けは100点満点で5段階のA~Eランクに分類されます。29点以下のD評価、20点以下のE評価は取引リスクが高いと判断されます。

判断基準は倒産確率をベースとしており、統計評価から算出した倒産確率を評点の基準としています。そのため、30~50点が分布するC評価がボリュームゾーンとしてなだらかな分布となっています。

海外企業の格付けはどこの格付けを見れば良い?

海外企業の格付けは、世界規模での企業情報を取り扱う信用調査会社のデータを参照する必要があります。

日本国内でデータを入手するには、基本的に海外規模で情報を共有している企業(帝国データバンク、東京商工リサーチ、クレディセイフ)の格付けを見る必要があります。

また中国や東南アジアなど、目まぐるしく経済状況が変化する地域の格付けについては、当地の調査を専門としている信用調査会社を別途探し、依頼する必要があります。

企業の格付けは評点とリスクの二面から見ながら参考とする

企業の格付けの見方について、各社さまざまな評価軸を持っていることが理解できたでしょうか。評点の評価軸が異なるため、調査会社によっては多少の評点に違いが出ることも珍しくはありません。

膨大なデータからはじき出された格付けや倒産リスクですが、これらはあくまでも企業を評価する情報の一つとして考え、過信しすぎてはいけません。大切なのは、評点の中にある情報を細かく読み解き、倒産リスクと併せて今後の取引を迅速に判断していくことです。

反社チェックや信用調査の他の情報などを加味して、多角的な目線から判断を行うことが大切です。

またRoboRobo与信チェックのようなインターネット情報(ニュースサイト、SNS、ブログなど)からリスクのアラートを提供するサービスとも連携し、多くの情報を総合的に判断して、リスクヘッジを行う必要があります。

格付け、評点、附帯(ふたい)するさまざまな情報を読み取り、どのような長所短所を持ち合わせた企業であるのかを理解した上で判断し、同時にリスクを知らせるアラートツールを活用することで、万一のときにも素早く対応するのが、高度情報化社会における企業の与信管理です。