採用活動を行う企業にとって、企業の信用性の証明となる反社チェックは必須です。
企業と反社会的勢力との関わりが発覚すると、取引先との関係悪化や金融機関からの融資停止といった事態に発展する恐れがあるためです。
そこでこの記事では、誤って反社会的勢力を採用してしまうのを防ぐために、反社チェックにのやり方や
自社の企業価値を高めるうえで重要な、体制整備の知識に役立ててください。
反社チェックにはツールを利用するのが効率的です。オススメの反社チェックツール「RoboRobo」も紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
目次
1.採用における反社チェックとは?
採用における反社チェックとは、候補者が反社会的勢力と関係を持っていないかどうかについて調べることを指します。
反社会的勢力とかかわりのある人物を社員として採用した場合、仮にその自覚がなかったとしても、会社が反社会的勢力と関係を持ったことになります。
その場合、取引先との関係や金融機関からの融資が停止され、事業の継続が困難になる可能性があります。
そのため、反社会的勢力が社内に入り込まないよう、採用時に候補者をチェックするのが一般的です。
2.採用時に反社チェックをするべき根拠
ここでは、採用時に反社チェックするべき3つの理由をお伝えします。
それぞれの内容を確認しておきましょう。
政府指針
採用時に反社チェックすべき最初の理由として、政府指針が挙げられます。
2007年に政府は「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」として以下の5箇条を発表しており、守らないと政府指針に背くことになるからです。
- 組織としての対応
- 外部専門機関との連携
- 取引を含めた一切の関係遮断
- 有事における民事と刑事の法的対応
- 裏取引や資金提供の禁止
もしも反社会的勢力関係者を雇用した場合、これらの中で「一切の関係遮断」の項目に反することになります。
多くの企業が政府指針に従って運営している以上、採用においては重視すべきと言えます。
暴力団排除条例
都道府県によって暴力団排除条例(いわゆる、暴排条例)が定められているのも、反社チェックをすべき理由と言えます。
暴排条例では、事業活動の健全な発展のために暴力団と関わらないことが基本理念となっています。
一例として、神奈川県では以下の3項目が条例の基本方針となります。
- 社会対暴力団の構図
- 暴力団の資金源対策
- 少年の健全な育成を図るための措置
参照:神奈川県
条例の遵守を徹底するためにも、採用活動時には反社会的勢力が社内に入ってしまうことの無いよう、徹底する必要があるのです。
「反社会的勢力に対する基本方針(姿勢)」の宣言
現在多くの会社が「反社会的勢力に対する基本方針(姿勢)」を宣言しています。
企業が独自に宣言するものではありますが、反社会的勢力とのかかわりを遮断するという内容が含まれることがほとんどです。
一例として、三井住友海上の基本方針の中には「反社会的勢力との関係を遮断することに努め」(参照:三井住友海上)という文言が含まれています。
企業はこういった方針を立てて守るのが一般的なため、やはり採用時にも遵守した姿勢が求められます。
3.反社会的勢力を採用するリスク
反社会的勢力を採用してしまうことには、どのようなリスクがあるのでしょうか?
ここでは4つのリスクを挙げているので、確認してみてください。
取引中止等の損害が発生する
反社会的勢力の関係者を採用してしまうと、取引中止等の損害が発生する可能性があります。
政府指針や条例の中で、反社会的勢力とかかわりを持つことは禁じられているためです。
社員の中に反社会的勢力がいることが知られれば、取引先企業はリスクを避けようと取引を打ち切る可能性が高いと言えます。
その結果売り上げの低下などの深刻な被害が発生し、経営そのものが不可能になる恐れもあります。
反社会的勢力の採用は、このように会社に大きなダメージを与える可能性があるのです。
社会的信用を失う
反社会的勢力とのかかわりを持てば、その情報が広まり社会的信用を失ってしまうでしょう。
違法行為を行う団体に所属する人物に給与を払うと、間接的に活動資金を供給することになるからです。
場合によってはニュース等で報じられ、不名誉な形で社名が世間に広まることも考えられます。
そうなれば、その後の経営に悪影響が出る可能性が高いでしょう。
また、その後信用を回復するには、相当な時間がかかることも考えられます。
上場できなくなる
反社会的勢力の関係者を雇用すると、上場できなくなる恐れがあります。
日本証券業協会が、証券取引および証券市場から反社会的勢力の排除を掲げている(参照:日本証券業協会)からです。
そのため、将来的に会社を上場させようとした際に審査落ちのリスクが高まってしまいます。
また、すでに上場している場合には上場廃止となる可能性もゼロではありません。
融資を受けられなくなる
金融機関からの融資を受けられなくなる可能性があるのも、反社会的勢力を雇用するリスクの一つです。
銀行などの金融機関では、反社会的勢力との関係遮断に取り組んでいるためです。
たとえば、みずほ銀行では「反社会的勢力の排除に係る規定(参照:みずほ銀行)」を発表しており、暴力団などとの関係者とは取引を停止すると記載しています。
このように反社会的勢力との関係があると融資を受けられなくなり、資金繰りに大きな影響が出る恐れがあります。
4.反社会的勢力の採用を事前に防止するには?
反社会的勢力が会社に入り込む前に、事前に防止するにはどうしたらいいのでしょうか?
2つの対策方法を紹介します。
就業規則を整備する
就業規則に反社会的勢力との関わりについて記載が無ければ、早急に明記する必要があります。
会社全体として反社会的勢力に対応するには、会社全体で守るべきルールとして反社会的勢力への対応を定める必要があります。
たとえば以下のような内容を、会社全体の規則として定めるといいでしょう。
- 反社会的勢力との決別や反社会的勢力排除に関する内容
- 違反した際の懲戒処分や内定取り消しについて
こういった内容を明記することによって、反社会的勢力を採用してしまうリスクを大きく減らせます。
誓約書の提出を求める
誓約書の提出によって、反社会的勢力とかかわりがなく、今後も持たないことを証明させることが重要です。
こうすることで反社会的勢力を排除できる可能性があり、入社後に判明した場合でも解雇できるからです。
具体的には以下の内容を書類に記載するようにしましょう。
- 反社会的勢力ではないこと
- 入社後にも関与を持たないこと
- 入社が関与が発覚した場合解雇となる
さらに、役職が変わる際などには再度書類へのサインと提出を求めるなどし、反社チェックを徹底すると尚良いでしょう。
5.反社会的勢力の採用を避けるチェック方法は?
具体的な採用活動の中では、反社会的勢力の採用を避けるためにどのように対策するべきでしょうか?
4つのチェック方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
インターネットで情報を調べる
まずは、インターネットを通じて発信内容や人間関係を調査してみましょう。
グーグル検索やSNSを利用すれば人間関係や職歴が分かるので、ある程度の反社チェックが可能です。
具体的には、以下のような内容を調べるといいでしょう。
グーグル検索 | 人物名で検索し、過去に事件を起こしていないか調べる |
SNS | 投稿やコメントの内容、フォロワーの属性などを調べる |
もちろん、応募者は多くの場合一般人なので、特に情報が見つからないことも多いと予想できます。
しかし、過去に起こした事件の情報が見つかったり、SNSで反社会的勢力とのつながりが判明したりすることもあります。
ただし、検索エンジンで表示される情報や様々なSNSをチェックするには、手間や時間、人的なコストがかかる点には注意が必要です。
また、調査する人の仕事のやり方によってチェック品質が変わるため、反社チェックの品質が一定にならない恐れがあります。
調査会社を利用して調べる
調査会社に依頼して行動や交友関係を調べるのも、よく行われる方法です。
インターネットで特に怪しい情報が見つからない場合でも、調査会社を利用すれば反社会的勢力とのかかわりが判明することがあります。
調査会社では、以下のような調査を行います。
- 官公庁情報を利用した調査
- 聞き込みや張り込みでの調査
これらを通じて、インターネットでは見つからなかった、反社会的勢力とのつながりが判明することも珍しくありません。
ただし、調査会社に毎回依頼すると費用が高額になってしまうのが欠点です。
当然企業としてはコストを削減したいところですが、そうすると反社会的勢力を見逃す確率が上がってしまうのが悩ましい点と言えます。
反社チェックツールを活用する
反社チェックツールを利用するのも役立ちます。
反社チェックツールとは、応募者の前職の上司や同僚といった第三者に、候補者についてヒアリングを行うことを指します。
導入することで、過去の反社会的勢力との関係について、他の方法では得られない情報が手に入る可能性があります。
ここで問題がある人物だと分かった場合、候補から除外することもできスクリーニングに役立つでしょう。
注意点として実施する際には、必ず候補者本人の了承を得る必要がある点が挙げられます。
無断で行った場合には、個人情報保護法に抵触する可能性があるので気を付けましょう。
反社チェックツールはRoboRoboがオススメです。自動で反社チェックができ、作業が非常に楽になるのでチェックしてみて下さい。
警察・暴追センターに問い合わせる
警察や暴追センターに問い合わせるのも有効な手段です。
まず警察では、候補者が反社会的勢力の可能性がある場合には、事業者に対して情報提供することになっています。
そのため、最寄りの警察署などに問い合わせれば、その人物についての情報があれば聴取できます。
また、暴追センター(公益財団法人暴力団追放運動推進センター)でも暴力団排除の運動を行っているので、反社チェックへの協力を得られます。
ただし、暴力団を辞めた人の動向など、警察が情報を把握しきれていないケースもあるので、注意が必要です。
有効な方法の一つではあるものの、警察や暴追センターに問い合わせたから安心できるとは限らないのが実情と言えます。
6.反社チェックにはRoboRoboコンプライアンスチェックがおすすめ!
反社チェックにはここまでにご紹介したように様々な方法がありますが、専用ツールを導入するのが最もオススメです。
利用することで手間を削減でき、ツールによっては低コストで利用できることもあるからです。
「RoboRoboコンプライアンスチェック」は、導入によって反社チェックが非常に楽になる上に導入コストが低いため、非常にオススメです。
調査したい個人名をExcelにまとめてRoboRoboにドラッグ&ドロップするだけで一括で登録でき、ワンクリックでインターネット上のあらゆる情報を検索しチェックを行えます。
検索対象にはインターネット記事はもちろん、新聞記事も含まれるので、人間の目視確認は一切不要で反社チェックが完了します。
また、検索結果の保存やチェック結果一覧の作成も簡単で、誰が行っても同じ品質の反社チェックができるので、採用担当者が変わっても滞りが生じる心配がありません。
反社チェックを低コストで効率よく行いたい場合は、導入を検討してみるといいでしょう。
7.まとめ
採用時に候補者の反社チェックをすることで、反社会的勢力が社内に入り込むのを防げます。
ただし、自社で行うのは負担が大きいうえに、見落としの可能性も考えられます。
そこで、RoboRoboコンプライアンスチェックツールを使えば、企業倫理や社会規範に反するような活動が無いかを自動でチェック可能です。
かんたんな操作で様々な情報を一括で確認できるため、候補者の反社チェックにかかる労力を削減できます。
リーズナブルな価格で利用でき、10件まで無料お試し可能なので導入を検討してみてください。
8.よくある質問
ここでは、採用時の反社チェックについてよくある質問をまとめました。
採用時の反社チェックって何?
採用時の反社チェックとは、候補者が反社会的勢力とのかかわりが無いかを調べることです。
反社会的勢力が社内に入り込むのを防ぐ上で非常に重要です。
どうして採用時に反社チェックが必要?
政府指針・暴排条例・反社会的勢力に対する基本方針(姿勢)の宣言、といった物が存在し、会社が反社会的勢力とのかかわりを絶つことが社会全体で重視されているからです。
反社チェックしないとどうなる?
主に以下のようなリスクが挙げられます。
取引中止等の損害が発生する | 反社会的勢力とのかかわりを避けようとする取引先から、取引を打ち切られる恐れがある。 |
社会的信用を失う | ニュースで報じられるなど、社名が広まり信用されなくなってしまう。 |
上場できなくなる | 日本証券業協会が証券取引および証券市場から反社会的勢力を掲げているため、上場できなくなる。 |
これらのリスクを小さくするためにも、採用時の反社チェックは徹底して行うべきと言えるでしょう。
採用開始前にできることは?
採用開始前にできることは以下の2つです。
- 就業規則を整備する
- 誓約書の提出を求める
事前にこれらの対策を行い、反社会的勢力への対策を強化しておくといいでしょう。
採用時に具体的にチェックすべきことは?
採用時に行うべきことは以下の4つです。
- インターネットで情報を調べる
- 調査会社を利用して調べる
- 反社チェックツールを活用する
- 警察・暴追センターに問い合わせる
これらの対策を通して、反社会的勢力が社内に入り込むのを防ぐようにしましょう。
採用後に反社会的勢力と判明したらどうすればいい?
採用時に反社会的勢力であることが見抜けず、採用後に判明するケースもあるでしょう。
その場合には、被害が出る前に迅速に解雇の手続きを行います。
入社前に提出された誓約書を用いて手続きしてください。
また、自社のみで対処するのではなく、暴追センターや警察にも対処方法を相談した方がいいでしょう。
親族に反社会的勢力がいる場合は雇用は可能?
親族に反社会的勢力がいる場合でも、本人が属していなければ採用は可能です。
ただし反社会的勢力が候補者の周囲にいる場合、本当に候補者本人が反社会的勢力でないのかは、入念に確認する必要があります。
また、本人が反社会的勢力と密接な交流があったり、誓約書の提出を拒否する場合は、雇用は見送るべきでしょう。
バックグラウンド調査は本人の許可は必要?
バックグラウンド調査の際には、本人の許可が必要となります。
本人に無断で調査すると、個人情報保護法に抵触する恐れがあるためです。
また、本人から許可を得ていても「国籍」「信条」「病歴」「犯罪歴」など、差別に繋がる可能性のある情報は本人の了解無しに入手してはいけません。