これから取引先を増やしていきたい企業にとって、相手企業の反社チェックは必須業務です。
新興企業に限らず、大手企業においても、反社との関わりによって企業存続に関わる重大なリスクを負う可能性があります。
しかし、実務の場では「どのタイミングで反社チェックを行えばよいか分からないし、業務負荷も大きい」という声も。
この記事では、反社チェックの実施タイミングや頻度、契約者が反社だった場合の対応方法について詳しく解説しています。
具体的には、次の内容です。
- 反社チェックの期間は法的に定められているのか?
- 反社チェックの実施に最適なタイミングとは?
- 反社チェック不備による重大なリスクの発生を避けるために必要なことは?
- 相手が反社かもしれない、反社だった場合の対応方法は?
それでは解説していきます。
目次
1.反社チェックを行う期間に法的な決まりはない
反社チェックの期間に、法的な決まりはありません。
業務上、反社チェックは次のタイミングで行います。
- 新規契約時(企業または個人)
- 契約更新時
- 転職者の入社時
- 新規上場時
これらの業務発生タイミングは常に不定期なため、業務発生時に実施するのが現状です。
期間に限らず自社でリスク管理方法を明確に定義しておく
法的に決まりがないからといって油断すると、重大なリスクを招くことにつながります。
場合によっては行政処分を受け、社会的信用を失い、企業存続の危機を招く恐れがあります。
ちょっとした油断で重大なリスクを招かないためにも、自社でリスク管理の明確な定義が必要です。
反社チェックの重要性や反社チェックの基準については、以下の記事で詳しく解説しています。
2.反社チェックは新規契約前の実施が最適
反社チェックの実施タイミングは不定期ですが、新規契約前での反社チェック実施が最適です。
調査すると、多くの企業が新規契約前に反社チェックを実施していることが分かりました。
新規契約時は反社条項を契約書に盛り込む
新規契約時の契約書には、必ず反社条項を盛り込んでおくようにしましょう。
反社条項は、正式名称で「反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)」と言います。
反社チェックで契約者が反社だった場合、締結した契約を解除できる条項です。
具体的には、次の契約書に盛り込まれます。
- 売買契約書
- 賃貸住宅契約書
- 雇用契約書
反社条項については、こちらの記事で詳しく解説しています。
反社条項を盛り込めなかった場合は契約更新時に追加
過去に締結した契約で、反社条項を盛り込んでいないと判明した場合、契約更新のタイミングで追加するとよいでしょう。
反社条項を盛り込んでいない状態を解消することで、企業が負う反社リスクを軽減することが可能です。
忘れずに対応するようにしましょう。
反社チェックは定期的に自社内で必ず行うこと
反社チェックは一度行えばよいというものではなく、定期的に行うことが大切です。
次のタイミングで実施すると良いでしょう。
実施タイミング | 確認・留意点 |
契約更新時 | ・既存顧客と交わした契約書に反社条項が盛り込まれているか ・反社条項が更新されず、古いままの契約書になっていないか ・専門データベースなどを用いた自社調査を実施する |
総点検時 | ・自社内で定期(1年に1回など)で総点検すると決めているか ・新規契約時のみしか反社チェックしてない契約書がないか ・契約更新までの期間が長く、反社チェックしていない契約書がないか ・既存顧客だから、1度済ませたからと油断していないか |
特に総点検時においては、新規契約から契約更新までの期間が長い場合の契約に注意しましょう。
「既存顧客だし、一度チェックしたから大丈夫」と思い込まないことが大切です。
油断せず、丁寧に反社チェックを行いましょう。
3.重大なリスクを避けるために意識すべきことは?
企業が存続できなくなるような重大なリスクを避けるために、どのようなことを意識すべきなのでしょうか?
反社チェックはやみくもに行えばいいというわけではありません。
ここでは、自社で反社チェックを行う際に気をつけるべきポイントや、検討すべきポイントについて解説します。
チェックの抜け漏れと、チェック負荷や工数増加に気をつける
反社チェックは実施タイミングが不定期で、非常に非効率です。
年々契約数が増えている、もしくは既に多くの企業と契約している場合、反社チェック業務自体に過度な負担を感じているのではないでしょうか?
反社チェック業務に割ける人も工数も限られています。
チェックの抜け漏れと、反社チェックの負荷や工数の増加に気をつけてください。
この意識が希薄になると、本来満たすべき水準の反社チェックができなくなります。
各社でそれぞれ工数やリスクを見極めること
反社チェック業務への取り組み度合いは、各社それぞれで一律的な答えはありません。
自社で反社リスクと、反社チェックにかかる工数を見極めることが求められます。
「リスクは発生するが、対応できる人手がないのでチェックをしない(手を抜く)」という考えはNGです。
自社で反社リスクに対する考えを明確に定義し、反社チェックを行うようにしましょう。
ツール導入を検討する
不定期で非効率な反社チェックや、負荷増加による人的ミスを大幅に軽減するためには、反社チェックツールの導入が有益です。
例えば、定期的かつ効率的に反社チェックができるツールとして、「RoboRoboコンプライアンスチェック」をご紹介します。
このツールはAIを活用し、インターネット上の情報収集やリスク度合いの判定を自動で行います。
反社チェックで行うネット検索や新聞記事検索など、煩わしい実作業を自動化することができるため、手間やコストを大幅に削減できます。
精度高く情報収集でき、担当者による属人的な情報精度の差も解消可能。
さらに、反社チェックを全契約対象者一括で実施でき、効率的です。業務負荷の軽減にもつながります。
反社チェックを効率的に行うために、このようなツールは総点検時の反社チェック作業時に導入を検討してみるとよいでしょう。
ただし、あくまで利用する側のリテラシーが重要であり、ツールへの過度の依存は禁物です。
4.契約者が反社の可能性がある場合の対応方法は?
反社チェックで契約者に反社の可能性があると分かっても、何をしたらよいか分からず混乱することもあるでしょう。
いつもやりとりしていた企業が反社だと分かるのも、衝撃的です。
もし反社だと分かった場合の対応方法について、解説します。
怪しいと思った時点で社内関係者に報・連・相を実施する
まずは慌てず社内の関係者に報告・連絡・相談を行いましょう。
自分の上司に相談し、具体的な指示を待ちましょう。
独断で行動しないようにしてください。
より詳細に対象企業を調査する
反社の疑いがあると分かったら、次の行動をとりましょう。
- 行政機関への照会作業
- 調査会社や興信所への詳細調査依頼
行政機関への問い合わせ先は、警視庁組織犯罪対策第三課や、暴力団追放運動推進都民センターがあります。
その際、情報開示に必要な書類の提出を求められることがあります。
次のような資料の準備が必要です。
- 確認したい相手の氏名や住所、生年月日の分かる資料
- 相手企業の登記事項証明書
- 暴力団排除に係る特約条項が記載された契約関係資料
- 反社の疑いがあると判断した資料
調査会社や興信所などの専門調査機関への調査依頼に関しては、調査範囲や内容もさまざまです。
例えば、官公庁からの情報や各メディアからの情報調査、内偵調査などがあります。
調査内容を事前に確認し、費用面と合わせ丁寧に検討するようにしてください。
反社と判明しても相手方に事実を伝えてはいけない
詳しい調査の結果、反社と判明した場合でも、すぐに相手に伝えてはいけません。
まずやるべきことは、社内への情報共有です。
2006年に会社法が改正され、大企業では内部監査室の設置が必須となりました。
自社に内部監査部署があれば、そこへの連絡が適切です。
反社との取引は企業にとって、重大なリスクを引き起こす要因になります。
発生した原因や詳細な調査、関係者への報告を通じ、二度と同じリスクを発生させないための取り決めが必要です。
警察や顧問弁護士に対応方法を相談する
自社でうまく対応できないと判断した場合、速やかに警察や顧問弁護士に対応方法を相談しましょう。
弁護士からの内容証明や受任通知で、取引から手をひいてくれるケースもあります。
そういった成功事例が多数報告されています。
5.まとめ
反社チェックを行うタイミングは不定期で、かつ煩雑で工数もかかります。
かと言って、手を抜けば会社に重大なリスクをもたらすことにつながり、明確に自社内で管理体制を構築することが大切です。
反社チェック業務での属人的対応による、品質のばらつきを押さえるためには、反社チェックツールの活用が必須と言えるでしょう。
「RoboRoboコンプライアンスチェック」はAIを活用し、自動でコンプライアンスチェックを行ってくれるクラウドサービスです。
操作も直感的、かつとても簡単で、取引先100件あたりの定期的チェックにかかる時間が最大98%も削減できます。
実際の取引先で、10件までは無料でお試しいただけます。費用も自動的にかかることはありません。
ぜひ一度無料登録してみてはいかがでしょうか?
6.よくある質問
ここからは、定期的に実施する反社チェックについて、よくある質問に回答します。
反社チェックを行う期間に法的な決まりはある?
反社チェックを実施するのに、最適なタイミングは?
反社チェックの抜け漏れなどによる重大なリスクを防ぐために意識すべきことは?
- チェック工数の負担増加に配慮する
- 各社でそれぞれ反社チェックの工数やリスクを見極める
- AIを活用したコンプライアンスチェックツール導入を検討する
反社チェックで契約者に反社の可能性がある場合、どうすればいい?
その上で、反社の疑いのある企業を詳細に調査しますが、調査内容や調査にかかる費用を考慮しつつ、進めるようにしてください。
調査の結果、反社と判明した場合どうすればいい?
- 反社と分かってもすぐに相手にその事実を伝えない
- 警察・顧問弁護士に対応方法を相談する
一番やってはいけないのが、反社と分かったことを先方に伝えることです。まずやるべきことは、社内への情報共有です。
大企業であれば、内部監査室への連絡が適切でしょう。
発生した原因や詳細な調査・報告をふまえ、同様のリスクを今後発生させないための取り決めが必要です。
自社で対応方法について検討したものの、うまく対応できない場合、速やかに警察や顧問弁護士に相談してください。
内容証明郵便や、受任通知で取引から手を引いてくれるケースも多数あります。
年に1回やる総点検作業の負荷が大きく、人的ミスが発生しそう。どうしたらいい?
- 自動化による社内業務負荷の軽減
- 人的ミスの防止
- 継続的実施が可能となる
- 疑いのある契約者に対し、詳細調査の時間確保が可能となる
「RoboRoboコンプライアンスチェック」では、リーズナブルな価格で煩雑な反社チェック作業を自動で行うことができます。
実際の取引先で10件までであれば、無料トライアルが可能です。
ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。