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反社チェックマニュアルの作成方法まとめ!具体的な5つの調査手段や対応策も解説

反社チェックマニュアルの作成方法まとめ!具体的な5つの調査手段や対応策も解説\アイキャッチ

「反社チェックではマニュアルが必要?」
「どのようにマニュアルを整備すればいい?詳しい内容について知りたい」

あなたはこんな疑問を持っていませんか?

反社チェックには、マニュアルの整備が必須です。マニュアルがないと社内でノウハウを共有できず、チェック漏れが生じてしまうリスクがあります。

この記事では、反社チェックマニュアルの整備方法や、反社会的勢力に対する対応方法などについて詳しく解説します。

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出典:RoboRoboコンプライアンスチェック

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反社チェックではマニュアル整備が必須

反社チェックを行う際は、必ずマニュアルを整備しておきましょう。社内で対応方法を共有できていないと、いざという時に混乱を招く恐れがあります。

まずは反社チェックの概要や必要性について解説します。

①反社チェックとは

反社チェックとは、従業員や取引先などが反社会的勢力でないかを確認する作業を指します。

反社会的勢力と聞くと、暴力団をイメージする方も多いですが、具体的には「集団的又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体等」を意味します。(参考:法務省

反社会的勢力は、脅しや暴力などあらゆる手段で金銭的利益を得ようとします。反社チェックを適切に行えば、反社会的勢力と関わるリスクを減らし、会社の安全を確保できます。

②反社チェックが必要な3つの理由

以下のような理由から、反社チェックは必ず行うべきだと言えます。

  • 政府の指針等で定められているため
  • 暴力団への資金源を遮断するため
  • 企業の安全性確保のため

(1)政府の指針等で定められているため

政府は「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」をまとめており、反社会的勢力の排除を努力義務としています。

反社会的勢力が取引先や株主となって、不当要求を行う場合の被害を防止するため、契約書や取引約款に暴力団排除条項を導入するとともに、可能な範囲で自社株の取引状況を確認する。
取引先の審査や株主の属性判断等を行うことにより、反社会的勢力による被害を防止するため、反社会的勢力の情報を集約したデータベースを構築する。同データベースは、暴力追放運動推進センターや他企業等の情報を活用して逐次更新する。

引用元:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針

また、各都道府県でも「暴排条例」を定めており、違反した企業は勧告や行政処分などの対象になる可能性があります。

事業者は、その行う事業に係る契約が暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる疑いがあると認める場合には、当該事業に係る契約の相手方、代理又は媒介をする者その他の関係者が暴力団関係者でないことを確認するよう努めるものとする。

引用元:大阪府暴力団排除条例について

(2)暴力団への資金源を遮断するため

反社会的勢力の撲滅は企業が果たすべき責務です。

全ての企業が反社会的勢力との取引を停止し、資金源を遮断すれば、実質的に反社会的勢力を撲滅できます。

反社会的勢力は、資金源調達のためあらゆる手段で企業に近づいてきます。全ての企業がしっかり反社チェックを実施し、取引を未然に防ぐことが非常に重要です。

(3)企業の安全性確保のため

反社チェックは、企業の安全を確保することにもつながります。

反社チェックをきちんと行っていないと、コンプライアンスを軽視している企業だと判断され、信用が失墜してしまいます。

実際、大分県の設備工事会社・九設の社長は、相手が暴力団だと知らずに飲食を共にしたためにニュースで取り上げられました。その結果、同社は取引先を失い、さらに銀行からの融資も止められ、最終的に倒産してしまいました。(参考:朝日新聞

九設の事例からわかるように、反社会的勢力との取引は非常にハイリスクです。厳格に反社チェックを行い、リスクを徹底的に減らしましょう。

ここでは、反社について簡単に説明しましたが、反社リスクや反社の基本的な概要については「反社チェックが必要な理由や具体的な方法」にて詳細に記載しておりますので、そちらもあわせてご覧ください。

反社チェックマニュアルのテンプレート

反社チェックのマニュアルでは、必ず以下のような条項を定めておきましょう。

  • 目的を定める
  • 反社会的勢力の定義を明確にする
  • 適用範囲を明らかにする

①目的を定める

まずはきちんと目的を定めましょう。反社チェックを徹底するためには、企業の指導者だけでなく、全社員に反社会的勢力排除の重要性を伝える必要があります。

具体的には以下のような内容を記入しましょう(コピーして使用可能です)。

本マニュアルは、取引先の反社会的勢力との関係の有無を含む属性チェックの手続きについて定める。新規取引開始及び既存取引先の取引継続については、本マニュアルに定める手続を必ず経るものとする。

②反社会的勢力の定義を明確にする

まずは反社会的勢力の定義を明確にしましょう。条項内で典型的な「属性」について記載し、当てはまる人物を徹底的に排除していきます。

具体的には以下のような内容を記入しましょう(コピーして使用可能です)。

反社会的勢力とは「暴力団」、「総会屋」、「えせ右翼行為」、「えせ同和行為」、「ブラックジャーナリズム」、「金融商品取引法等に違反する反市場勢力」などの違法、不当な行為を行う団体、個人等をいう。

参照: 法務省

③適用範囲を明らかにする

適用範囲も明らかにしましょう。

反社会的勢力はあらゆる手段を通じて企業に近づいてくるため、取引先から従業員に至るまでチェックは欠かせません。

具体的には以下のような内容を記入しましょう(コピーして使用可能です)。

反社会的勢力の排除にかかる信用調査を実施する範囲は以下の通りとする。

「販売」「外注・仕入」「経費」等の全ての取引先
株主
役員及び役員に準ずる者
従業員

反社会的勢力の不当要求への対応マニュアル

反社会的勢力から不当な要求を受けたときのことを考え、対応方法を事前に考えておきましょう。この項では、反社会的勢力への対応マニュアルを紹介します。

  • 毅然とした対応を取る
  • 有事の対応方法も整備する
  • 契約書に反社条項を記載しておく

①毅然とした対応を取る

不当な要求に対しては、毅然とした対応を取ることが大切です。

反社会的勢力は強引な手段で契約の締結を迫ってくるため、あいまいな態度で応じてしまうと、付け込まれて契約に持ち込まれてしまう可能性もあります。

あらかじめ対応責任者を定めておく、マニュアルを整備しておくなどして、対反社の姿勢を従業員全員に周知することも重要です。反社会的勢力に対しては、全従業員で一丸となって対処しましょう。

②有事の対応方法も整備する

いざというときの対応を考えておくことも大切です。具体的には、次のような内容をマニュアルに定めておきましょう。

  • 対応形式の徹底
  • 返答に関する配慮
  • 応対内容の記録

対応する際は必ず相手の要件を確認し、応対場所を決めておきます。また、優位に立つために必ず相手よりも多い人数で対応するようマニュアルに定めておきましょう。

また、応答内容は必ずレコーダー等で記録し、相手にもその旨を伝えるようにしてください。

③契約書に反社条項を記載しておく

契約書には必ず反社条項(暴排条項)を定めておきましょう。

相手が反社会的勢力であったとしても、契約内容に違反していない限り契約を解除するのは困難です。契約解除しようとして、トラブルになるケースも考えられます。

きちんと反社条項を定めておけば、反社会的勢力との取引を未然に回避できるだけでなく、万が一契約してしまってもスムーズに取引を解除できます。

反社チェックの具体的な4つの方法

企業が反社チェックを実施する場合、以下の方法が考えられます。

  • Google検索で調査する
  • 反社チェックツールを導入する
  • 業界団体に問い合わせる
  • 暴追センターに相談する

①Google検索で調査する

自社で調査する場合、Google検索を活用しましょう。

ニュースサイトや新聞記事、SNSなどを調査することで、対象のネガティブなニュース(過去に起こした事件や逮捕歴)について調べられます。

具体的には、対象の名前と以下のようなネガティブキーワードを検索窓に入れて調べてみると良いでしょう。

  • 暴力団、反社、ヤクザ、闇、ヤミ
  • 検挙、釈放、送検、捜索、指名手配、逮捕、摘発、訴訟
  • 違反、容疑、不正、処分、疑い、詐欺、インサイダー、操縦、漏洩、脱税
  • 課徴金、追徴金、行政処分、行政指導

②反社チェックツールを導入する

取引先が多くチェックに時間がかかる場合や担当者の負担が大きい場合は、反社チェックツールを導入しましょう。

反社チェックツールとは、対象が反社会的勢力でないか効率的に調査できるツールです。膨大なデータベースを効率的に検索できるため、チェック時間の短縮・担当者の負担軽減につながります。

とはいえ、ツールの導入にはコストがかかります。自社の抱える課題や求める機能などを明確にした上でツールやプランを選択しましょう。

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出典:RoboRoboコンプライアンスチェック

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③業界団体に問い合わせる

業界団体のデータベースに問い合わせるのも手です。

業界団体とは、特定の業種に関わる個人、または企業で構成される利益団体のこと。いわゆる「ギルド」のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。

業界団体によっては、業界内の情報を収集した反社会的勢力に関するデータベースをもっていることもあります。以下は業界団体の一例です。

業種 主な業界団体
建設業 ・インテリア産業協会
・リビングアメニティ協会
・輸入住宅産業協会
・日本建築構造技術者協会
・全国中小建設業協会
・全日本建築士会
・日本建築士会連合会
・日本建設組合連合(建設連合)
金融業 ・全国銀行協会
・全国地方銀行協会
・日本損害保険協会
・生命保険協会
・日本証券業協会
・日本証券投資顧問業協会
・全国信用組合中央協会
・全国信用協同組合連合会
不動産業 ・一般社団法人不動産協会
・公益社団法人全日本不動産協会
・全国不動産政治連盟
・公益社団法人不動産保証協会
・公益社団法人東京共同住宅協会
・日本高層住宅協会
・一般社団法人不動産証券化協会
・一般社団法人マンション管理業協会
サービス業 ・全国ビルメンテナンス協会
・日本ダクリーニング協会
・日本探偵業連合会
・日本興信探偵業協会
・日本観光協会
・日本旅行業協会
・全日本冠婚葬祭互助協会
・全国冠婚葬祭互助会連盟

④暴追センターに相談する

怪しい取引先に関しては、暴追センター(全国暴力追放運動推進センター)に相談しましょう。暴追センターは、企業の暴力団排除活動を支援する組織です。

暴追センターに相談すれば、警視庁のデータベースを照会できるため、対象をより詳しく調査可能です。

ただし、警察のデータベースにアクセスするには賛助会員になる必要があり、年会費が5万円かかります。

相談する際は、対象の氏名などがわかる書類や、反社条項を記載した契約書などを持参しましょう。

反社チェックを行う際の3つのポイント

反社チェックを実施する際は、必ず以下のポイントに注意しましょう。

  • できるだけ早いタイミングで実施する
  • 同姓同名の場合はより詳細に調査する
  • 収集してはいけない個人情報に注意する

①できるだけ早いタイミングで実施する

反社チェックは契約前、雇用契約を結ぶ前のできる限り早い段階で実施しましょう。

一度反社会的勢力と取引してしまうと、関係を断つことは困難です。場合によっては脅迫などの手段で強引に契約を継続させようとするケースもあります。

また、反社会的勢力との取引が明らかになれば、社会的制裁を受けるリスクもあります。契約締結前に相手が反社会的勢力だと判別できれば、未然にリスクを防げるでしょう。

②同姓同名の場合はより詳細に調査する

反社チェックで、同姓同名の個人が出てきた場合はより綿密に調査しましょう。

調査がいい加減だとチェック漏れが生じ、反社会的勢力と契約を結んでしまうリスクがあります。

具体的には、以下のような方法が挙げられます。

  • 生年月日を照会する
  • 経歴を確認する
  • 印鑑証明書を請求する

また、同名の法人が出てきた場合は、ホームページや法人番号などを確認すれば区別がつきます。

③収集してはいけない個人情報に注意する

反社チェックの際は、収集してはいけない個人情報に注意です。「労働者の個人情報保護に関する行動指針」によると、収集してはいけない情報は下記の3つです。

  • 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項
  • 思想及び信条
  • 労働組合への加入状況

参考:労働者の個人情報保護に関する行動指針

これらの情報を無断で調べるとトラブルの原因になり、最悪の場合訴えられる可能性もあります。

反社会的勢力と判明したときの2つの対応方法

反社チェックの結果、取引先等が反社会的勢力だと判明した際は以下の方法で対応しましょう。

  • 社内で情報を共有する
  • 弁護士に対応を依頼する

①社内で情報を共有する

相手が反社会的勢力である証拠を掴んだら、まずは社内で情報を共有しましょう。

法律の素人が反社会的勢力に立ち向かうのは難しく、勝手な判断で行動するとトラブルを招く恐れがあります。

まずは社内で相談の場を設け、本当に相手が反社会的勢力であると思われる場合は、情報を共有する必要があります。確信が持てるようなら、契約書の反社条項に則って速やかに契約を解除してください。

②弁護士に対応を依頼する

反社会的勢力のトラブルに関しては、必ず弁護士に相談しましょう。

反社に関するトラブルを自社だけで解決するのは難しく、場合によっては状況がさらに悪化する恐れもあります。

情報を収集できたら、速やかに顧問弁護士に共有してください。弁護士から書類が届けば、相手も手を引く可能性が高いため、スムーズに問題を解決できます。

弁護士に投げて終わりではなく、今後二度と同じようなトラブルが発生しないよう、今後の改善案についても取り決めておきましょう。

まとめ|反社チェックではマニュアル整備が必須!事前に対応を考えておこう

今回は、反社チェックに関するマニュアルについて解説しました。

反社会的勢力の排除は、企業が果たすべき責務です。会社の代表者だけでなく、従業員一丸となって取り組むためにも、マニュアルの整備は必須だと言えるでしょう。

また、不当な要求を受けた場合のマニュアルも整備・共有しておきましょう。

  • 毅然とした対応を取る
  • 有事の対応方法も整備する
  • 契約書に反社条項を記載しておく

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出典:RoboRoboコンプライアンスチェック

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