「中小企業でも反社チェックは必要なの?」
「中小企業の反社チェックはどこまでやればいいの?」
中小企業のコンプライアンス担当者の中には、こういった疑問のお持ちの方も多いのではないでしょうか?
中小企業においても、反社チェックは重要事項です。
反社との関わりが発覚すれば、取引先を失ったり、金融機関から融資を引き上げられるなど、経営を揺るがす事態になりかねません。
一方で、人員や費用面が限られる中小企業においては、十分な対応が難しく苦慮している担当者の方も多くおられます。
本記事は、中小企業のコンプライアンス担当者に向け、中小企業における反社チェックの重要性や具体的な取組方法を解説します。
中小企業の実情に応じた適切な体制を整備し、経営リスクを回避する上で重要な取組となるため、ぜひ最後までご覧ください。
- 中小企業においても、経営上のリスク回避のため、反社チェックは必要!
- 反社とのと関係性が判明すると、取引先や金融機関からの取引拒否など重大なリスクにさらされる
- 反社チェックは取引開始前に行うのがベスト
- 反社チェックの具体的な方法を解説
- 中小企業の反社チェックには反社チェックツールがオススメ
- 取引先に反社の疑いがある場合は専門家に相談し対応すること
目次
中小企業でも反社チェックは必要!
冒頭でも申し上げた通り、中小企業であっても経営上のリスク回避のため、反社チェックは必要不可欠なものです。
以下では、反社チェックがなぜ必要なのかについて、3つの視点から解説します。
企業のコンプライアンスおよび社会的責任のため
1つ目の必要な理由は、企業のコンプライアンスおよび社会的責任のためです。
不法行為を行う反社と関係性を持つことは、コンプライアンスの遵守が徹底できず、健全な経営とは言えません。
また、2007年6月に政府より「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」(参照:法務省)が発表されました。
企業が反社会的勢力を社会から排除し関係を遮断することは、コンプライアンス・社会的責任・企業防衛の観点から不可欠であるとしています。
また、政府の指針に合わせ、地方自治体においても「暴力団排除条例」が制定され、企業に反社との関係性遮断のために以下のような対応をするよう求めています。
- 反社チェックの実施
- 契約時の暴力団排除条項の織り込み
- 暴力団・暴力団関係者への利益供与の禁止
暴力団排除条例は、47の全都道府県、46都道府県の全市区町村で制定されており、社会全体として反社の排除が求められています。
企業として反社チェックを行わないことは、社会的責任を果たしていない企業とみなされてしまいます。
企業価値を維持するため
2つ目の理由は企業価値を維持するためです。
現代ではコンプライアンス遵守やガバナンス強化は、企業として非常に重要な事項となっているとともに、それらへの取り組み自体が企業の評価を左右するようになっています。
反社との関わりが判明すれば、顧客や取引先の信用は一瞬にして失われ、顧客からの取引拒否、金融機関の引き上げなどにつながる可能性があります。
最悪の場合、経営の継続すら難しくなってしまうでしょう。
このような事態を避けるためにも、反社チェックは重要な取組と言えます。
反社会的勢力への資金源遮断のため
3つ目は、反社会的勢力への資金源を遮断するためです。
企業が反社との関係を遮断するのは、企業自身を守るためだけではありません。
企業が反社チェックを行い、取引を未然に防止できれば、反社は資金源を失い活動できなくなります。
たとえ取引自体が合法的なものであったとしても、取引をすることで反社へ資金や利益を提供することにつながり、非合法な活動に活用される可能性もあります。
反社を社会的に根絶させるためにも、合法・非合法に関わらず一切の関係性を断つことが重要です。
反社会的勢力と取引するリスク
では、実際に反社会的勢力と取引した場合に、どのようなリスクがあるでしょうか。
具体例とともに解説します。
反社会的勢力との取引は合理的な理由のある取引でもしてはいけない
前提として、「反社会的勢力との取引は取引内容が合理的なものであったとしても一切してはいけない」と、認識してください。
反社会的勢力は、表向きは一般企業のように振る舞い、取引によって得た資金や利益を裏で非合法な活動に使っていることがあります。
つまり、たとえ取引そのものに違法性がなく、合理的な理由のある取引であったとしても、取引することで企業は間接的ながら、非合法な活動に荷担することにつながってしまうこともあるのです。
政府が公表した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」(参照:法務省)でも、企業には、反社会的勢力との一切の関係を遮断することが求められています。
反社会的勢力とは、取引に違法性があるかどうかに関わらず、関係を持たないことを徹底することが重要です。
【リスク①】取引先を失うリスク
1つ目のリスクは取引先を失うリスクです。
反社会的勢力と関係性を持つということは、他社から見れば自社が反社会的勢力の可能性があると判断される恐れがあります。
たとえば、ある企業では反社会的勢力と関係があると思われる企業と取引していたことが判明し、広く報道されました。
取引そのものは合法的なものでしたが、この報道をきっかけに同社の重要な仕入先から取引を解消され、倒産に至ったというケースもあります。
政府指針では、すでに取引がある場合でも反社会的勢力と判明した時点で取引を解消することが求められています。(参照:法務省公式HP 企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針 第2項)
つまり、反社会的勢力と関わることは、他社は自社との取引そのものが経営リスクになると判断し、取引を拒否されることもあるということです。
【リスク②】金融機関からの融資拒否、一括返済の請求により資金繰りが行き詰まるリスク
2つ目のリスクは、金融機関からの融資拒否、一括返済の請求により資金繰りが行き詰まるリスクです。
金融機関との取引では、ほとんどの場合、銀行取引約定書や金銭消費貸借証書などに暴力団排除条項が盛り込まれており、反社と判明した時点で期限の利益を喪失するとされています。
期限の利益とは、融資契約において一定の期日が到来するまでは返済しなくて良いとしているものです。
つまり期限の利益を喪失すると、金融機関から受けている融資はその時点で一括返済を請求されます。もちろん、判明以降の融資も拒否されるでしょう。
一括返済の負担や資金調達が滞れば、資金繰りはみるみる厳しくなり会社の存続を揺るがすことになるでしょう。
尚、反社チェックの重要性や反社リスクについては「反社チェックが必要な理由と具体的な取り組み」にて詳しく記載しています。
反社チェックの具体的な方法
では具体的に反社チェックとは、どのように行えばいいのでしょうか。
反社チェックのタイミングや具体的なチェック方法を解説します。
反社チェックを行う適切なタイミング
販社チェックのタイミングは「契約前」がベストです。
債務の履行後や金銭のやり取り後では、すでに反社に利益供与をしてしまっている状態です。
債務履行前でも契約を締結してしまうとすでに反社会的勢力との関わりをもってしまうことになるため、適切とは言えません。
また、契約締結後に反社会的勢力と判明し契約解除する方法もありますが、弁護士に依頼しなければならないなど、対応に苦慮する可能性もあります
反社チェックのタイミングは、一切の権利・義務や金銭のやり取りが発生していない契約前がベストです。
反社チェックの具体的な方法
次に反社チェックの具体的な方法として、以下の方法をご紹介します。
- ①会社情報を商業登記情報や不動産登記情報で確認する
- ②インターネットで検索する
- ③新聞記事・Web記事を検索する
- ④反社会的勢力データベースで検索する
- ⑤現地調査する
- ⑥専門調査機関へ依頼する
- ⑦行政機関へ照会する
- ⑧反社チェックツールを利用する
反社チェックはこれさえ行えば大丈夫というものはなく、複数の方法を組み合わせて適切な方法で行う必要があるものです。
自社との取引状況や各調査での結果なども踏まえながら、適切な調査を行いましょう。
⑴会社情報を商業登記情報や不動産登記情報で確認する
1つ目の方法は、商業登記情報や不動産登記情報で会社情報を調査する方法です。
これらの情報に反社会的勢力であるかの記載はありませんが、記載内容から反社かどうかをチェックするヒントを見つけられる可能性があります。
商業登記情報では、法人商号や本支店所在地、事業目的、役員が不自然に変遷していないかを確認しましょう。
頻繁に変更されている場合は、さらに詳細な調査を行い、契約を控えたほうが無難でしょう。
ただし、これらの情報から反社会的勢力であることを明確に判断するのは、反社チェックに長けた人材であっても、簡単ではありません。
会社情報を詳細調査するきっかけとして利用すると良いでしょう。
⑵インターネットで検索する
2つ目の方法はインターネットで、取引先の情報を調査する方法です。
企業名やサービス名、役員の名前などで検索し、反社会的勢力と関連する情報がないかを調査します。
反社会的勢力にかかわる以下のようなキーワードと複合させて検索すると、見つけやすいでしょう。
- 反社
- ヤクザ
- 暴力団
- 違法
- 違反
- 不正
- 逮捕
- 不正
- 虚偽
インターネットでの検索は、よほど大きな企業や有名な人物でない限り、情報が得られるケースはあまり多くありません。
また、情報の信頼性もあまり高くないため、利用する際は情報の信憑性を十分に確認する必要があります。
⑶新聞記事・Web記事を検索する
3つ目の方法は、新聞記事やWeb記事を検索する方法です。
過去に反社会的勢力との関わりが報道されたり、事件・事故を起こしたりしている場合、新聞やWeb記事に掲載されている可能性があります。
デジタル新聞などであれば、文字検索が可能なため比較的簡単に調査が可能です。
新聞記事やWeb記事も、100%間違いないとは言えませんが、インターネット上の有象無象の記事と比べると、運営元が明確な点で信頼性は担保されるでしょう。
⑷反社会的勢力データベースで検索する
4つ目の方法は、反社会的勢力データベースで検索する方法です。
業界団体では反社会的勢力データベースの整備をしているケースがあります。
業界団体で共有されたデータベースなら、情報の信頼性も高く、反社会的勢力に関連がある情報などが簡単に調査可能です。
なかには、警察情報なども反映されている場合もあるので有効利用しましょう。
ただし、多くの場合は業界が独自に収集しているデータのみの掲載となっているため、情報量が多いとは言えません。
他の調査も含めて行うほうがベターです。
⑸現地調査する
5つ目の方法は現地に足を運び、情報を収集する方法です。
事務所に不審な人物の出入りがないか、郵便受けなどと会社名が一致しているかなどが主な調査事項です。
事務所周辺の環境などからも、反社の疑いが判明する場合もあります。
⑹専門調査機関へ依頼する
6つ目は、専門調査機関に依頼する方法です。
反社チェックを自社のみで行うためには、反社に関する知見や専門知識が必要です。
自社だけのチェックでは不十分と感じるのであれば、専門の調査機関に依頼することも有効でしょう。
専門的知識のある調査機関であれば、情報の精度も高く有効な反社チェックが可能ですが、費用がかさむ点には注意が必要です。
調査機関の調査方法は「聞き込み」「データベース照会」「メディア調査」などさまざまで、調査内容によって費用も異なります。
自社が求める情報量や精度などを踏まえて調査方法を確認し、チェックツールで怪しい人物や団体についてのみ依頼する、などダブルチェックに用いるのがおすすめです。
⑺行政機関へ照会する
7つ目は、行政機関へ紹介する方法です。
国、各都道府県では「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(通称:暴力団対策法)」に基づき、「暴力団通報運動推進センター(暴追センター)」を設置しています。
暴追センターでは、警察や弁護士会・行政機関と連携し、反社会的勢力に関するさまざまな相談に対応しています。
情報照会には、取引先の氏名や生年月日、誓約書の提出などさまざまなハードルがあるものの、反社と判明した後の対応も含めて相談できる点は大きなメリットといえるでしょう。
⑻反社チェックツールを利用する
8つ目の方法は、反社チェックツールを利用する方法です。
反社チェックツールとは、ツールを運営する企業が用意したデータベースを利用し、反社チェックが簡単に行えるサービスです。
AIによる情報精査や反社かどうかの判断をアドバイスしてくれる機能が提供されているツールもあり、反社チェックをより効率的に行えます。
⑼RoboRoboコンプライアンスチェックなら効率的に品質の高い反社チェックができる
反社チェックツールを検討するなら「RoboRoboコンプライアンスチェック(以下、「RoboRobo」)」がオススメです。
RoboRoboではインターネット記事と新聞記事を集約した独自のデータベースが構築されており、取引先の名称などを入力するだけで、ワンクリックで反社チェックが可能です。
取引先登録のエクセルデータをドラッグ&ドロップするだけなので、取引先が多い場合でも確認の手間は大幅に短縮できます。
AIによる情報の自動選別で、注目度が高い情報から順にチェックできるため、大事な情報を見逃すこと無く効率的に確認できる点も強みです。
また、チェック結果の管理や証跡保存もまとめて行えるため、反社チェックの作業時間は最大で98%短縮されます。
中小企業が反社チェックを行う上での課題と効率的な反社チェック方法
ここまで、反社チェックの重要性や反社チェックの方法をご紹介してきました。
しかし、反社チェックに欠けられるリソースやコストが限られる中小企業では、いったいどこまで行えばよいかわからないという担当者の方もいらっしゃいます。
そこでこの後では、中小企業での反社チェックの課題や効率的かつ効果的な反社チェック方法をご紹介します。
中小企業の反社チェックでの課題
まずは中小企業の反社チェックでの課題を、3点について詳しく解説します。
⑴取引金額が小さく費用対効果が薄い
1つ目の課題は、取引金額が小さく費用対効果が薄い点です。
反社会的勢力との取引は、取引そのものが問題視されるため、規模の大小に関わらず手間とコストがかかります。
中小企業では取引規模が数十万円程度の場合も多く、場合によっては取引で得られる利益以上のコストが掛かってしまうこともあります。
経営を限られた資源の中でやりくりしている中小企業においては、大きなダメージとなることもある点は課題と言えるでしょう。
⑵取引先の絶対数が多くマンパワーが足りない
2つ目の課題は、取引先の絶対数が多くマンパワーが足りない点です。
中小企業の取引先は多岐にわたるケースも多く、すべての取引先について反社チェックを行うには膨大な作業が必要となります。
ただでさえ、リソースが不足している中小企業にとっては十分な人員が用意できないことで、反社チェックがままならないことも課題の1つと言えるでしょう。
⑶情報量が少なく反社チェックが難しい
3つ目の課題は、情報量が少なく反社チェックが難しい点です。
中小企業では反社に関する情報入手経路が限られており、反社チェックの調査による判断要素が乏しいのが現状です。
情報量が少ないために、調査をどこまでやれば充分かも判断できず、必要以上の調査を行ってしまうことも少なくありません。
加えて情報量が限られているため、明確な判断につながらず有効性が実感できない点も課題です。
効率的かつ効果的に反社チェックをする方法
上記の通り、中小企業での反社チェックはさまざまな課題を抱えており、形骸化したり不十分なままになっているケースも少なくありません。
反社チェックは、企業の規模に関わらず経営リスクを回避するために重要なもので、本来であれば取引先の全数について充分なチェックをしておくべきですが、現実的には難しいでしょう。
そこで、中小企業には全数チェックは厳しい状況にあることを踏まえた上で、より効率的に反社チェックを行うことが必要と言えます。
ここでは、中小企業が効率的かつ効果的に反社チェックをする方法について、詳しく解説します。
⑴対象先を限定する
1つ目の方法は、対象先を限定する方法です。
たとえば、社会的な信用力が高く、反社会的勢力との関与がないと信頼される取引先については除外出来るでしょう。
具体的には、国・自治体・地方公共団体、金融機関、一部上場企業などが除外対象にあたります。
二部上場企業や新興市場の上場企業については、一部上場企業に比べて上場時の審査が厳格ではなく、信頼性は担保されないと見るべきです。
⑵取引金額、継続性、反復性でチェック先を絞り込む
2つ目の方法は、取引金額、継続性、反復性でチェック先を絞り込む方法です。
全取引先のチェックが難しい中小企業においては、取引による経営リスクの大小によって対象先を絞ることを検討しましょう。
具体的には取引金額、継続性、反復性などで絞り込むのがおすすめです。
反社チェックに求められる「反社勢力への資金源の根絶」という目的から考えると、「金銭の提供の有無」や「金額規模」、「反復性」により、社会的影響は比例して大きくなると考えられます。
経営的な面では、取引そのものにリスクがあるものの、上記の社会的影響を抑制することにより経営的なリスクを極小化することが現実的と言えます。
これらの項目をマトリックスとして、反社チェックの必要性や深度などを設定することで効率的な反社チェックが可能となるでしょう。
⑶反社チェックレベルを設定する
3つ目の方法は、反社チェックレベルを設定する方法です。
課題にも上げた通り、中小企業での反社チェックは情報量の問題から、明確な判断が難しく、どこで反社チェックを終えてよいか判断できないことがあります。
このため、前項で設定した重要性に基づいて、反社チェック方法を確定させておくことがオススメです。
たとえば、反社チェックの必要性が低い場合には会社情報の調査及びインターネット検索を主体とすると良いでしょう。
また重要性の高いものについては、専門の調査機関に依頼するなどメリハリを付け、必要な調査を明確にしておくことで、迷いなく調査を開始・完了させることができ、効率化につながるでしょう。
中小企業の反社チェック効率化はツールの利用がおすすめ
中小企業での反社チェックの効率化には、反社チェックツールの利用がオススメです。
反社チェックツールは、取引先の管理や情報確認、証跡保管などを一括して行うことができ、企業の反社チェックを大幅に効率化することが可能です。
オープンアソシエイツ株式会社が提供している反社チェックツール「RoboRoboコンプライアンスチェック」では、取引先が多い場合でも、エクセルのアップロードにより一括で反社チェックが可能です。
また入手した情報も、AIが自動的に重要度を判別して表示してくれるので、情報の確認も効率的に行えます。
また、確認した反社チェックの証跡や取引先の管理もツール内で簡単に行えるので、リソースの少ない中小企業でも品質のよい反社チェックが可能となるでしょう。
取引先に反社の疑いがある場合の対処方法
ここまで反社チェックの重要性やチェック方法を詳しく解説してきました。
しかし、どれだけ慎重に反社チェックを行っていても、反社会的勢力との取引リスクをゼロにすることはできません。
企業としては、もし反社の疑いがある企業との取引が判明した場合の対応方法を準備しておく必要があるでしょう。
契約書に反社会的勢力排除条項を盛り込んでおく
代表的な対処方法としては、万一反社会的勢力との取引が判明した場合に備え、契約書に反社会的勢力排除条項を盛り込んでおくことです。
反社会的勢力排除条項とは、契約する取引先に「将来にわたって反社会的勢力に該当せず、つながりがないこと」を証明してもらう内容です。
反社会的勢力排除条項の具体的な項目例については、「警視庁HP 暴力団対策」ページの「不動産取引契約書の暴力団排除モデル条項・解説書」の後にて例示されています。
例示は不動産取引計画におけるものですが、条項については別種の契約でも共通するものが多いため、必要に応じアレンジして利用すると良いでしょう。
専門家に相談した上で契約を解消する
契約に反社会的勢力排除条項を織り込んだとしても、それだけで契約が無条件に解除できるわけではありません。
反社会的勢力排除条項を適用するには、反社会的勢力に該当することを証明しなければなりません。
明確な証拠がない状態で契約解除や取引拒否を行ってしまうと、最悪の場合、訴訟に発展し、損害賠償金を請求する可能性もあります。
反社会的勢力の疑いが強くなり取引を解消する場合には、反社対応の経験がある弁護士や前述した暴力団通報運動推進センター(暴追センター)などと連携して、対応するようにしましょう。
まとめ
今回は中小企業における反社チェックの必要性や、具体的な方法、効率的なやり方について解説しました。
反社との関係性の断絶などコンプライアンス遵守が求められる昨今において、反社会的勢力との取引は、企業にとって大きな経営リスクになる可能性があります。
中小企業においても、反社チェックにより反社との関わりを完全に遮断することは非常に重要な事項になっているといえるでしょう。
一方で、中小企業においては反社チェックにあてるリソースやコストが限定されており、集められる情報量も多くないことから、充分な反社チェック体制の構築が難しいのが現実です。
そこで中小企業のコンプライアンス担当者様にオススメなのが、反社チェックツールです。
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よくある質問
最後に中小企業における反社チェックの必要性のよくある質問について回答します。
- 中小企業でも反社チェックは必要なの?
- 中小企業が反社と関わるリスクは?
- 反社チェックの具体的な方法は?
- 中小企業で反社チェックを効率的に行うには?
- 取引先に反社の疑いがある場合はどう対処すればいい?
- 反社チェックはどこまでやれば十分なの?
- 反社チェックを無料で行う方法はある?
中小企業でも反社チェックは必要なの?
中小企業であっても反社チェックは必要です。反社会的勢力との取引は企業の規模に関わらず、重大な経営リスクとなりうるものであり、反社チェック体制を構築する必要があるでしょう。
中小企業が反社と関わるリスクは?
反社チェックの具体的な方法は?
反社チェックには、以下のような方法があります。
- ①会社情報を商業登記情報や不動産登記情報で確認する
- ②インターネットで検索する
- ③新聞記事・Web記事を検索する
- ④反社会的勢力データベースで検索する
- ⑤現地調査する
- ⑥専門調査機関へ依頼する
- ⑦行政機関へ照会する
- ⑧反社チェックツールを利用する
中小企業で反社チェックを効率的に行うには?
中小企業で反社チェックを効率的に行うためには、以下のような対策を行うとよいでしょう。
- 経営リスクによる調査対象先の絞り込み
- 調査レベルの設定
また、情報量が少ない中小企業においては、反社チェックツールによる効率化も効果的です。
取引先に反社の疑いがある場合はどう対処すればいい?
取引先に反社の疑いがある場合には、さらなる詳細調査を行い、反社である証拠が明示できるかを確認するとともに、取引先との取引解消を検討します。ただし、情報が誤っている場合や対応を間違ってしまった場合には、損害賠償などに繋がる可能性もあるため、弁護士や暴力団通報運動推進センター(暴追センター)などの専門家に相談し、対応するようにしましょう。
反社チェックはどこまでやれば十分なの?
反社チェックで、完全に疑いがない状態まで調査を行うのは困難でしょう。反社チェックは、取引により懸念される経営的リスク、社会的リスクを踏まえて、反社チェックレベルを設定しておくのがオススメです。
反社チェックを無料で行う方法はある?
インターネットでの検索など、一部の反社チェックは無料で行うことが可能です。しかし、無料でできる範囲の調査では情報量が不十分なことも多いと言えます。
取引先が反社会的勢力の疑いがある場合には、有料情報を活用するなど状況に合わせた柔軟な対応が求められます。
RoboRoboコンプライアンスチェックなら、低コストで品質の高い反社チェックが可能ですので、よろしければご検討ください。
メタディスクリプション
中小企業の反社チェックの必要性や反社との取引によるリスクについて解説しています。中小企業の反社チェックのタイミングや具体的なチェック方法、効率的な反社チェックの工夫についても紹介します。