あわせて基準を設ける際のポイントや、与信管理で注意すべきポイントなども解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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目次
与信とは
与信とは、取引を行う相手に信用を与えることを意味する言葉です。ビジネスシーンでは、商品の納入から代金の回収までに期間が空く取引において、取引相手として信用できるかを把握する際に重要になります。
与信管理とは
与信管理とは、取引相手の信用度にもとづいて与信を設定することです。たとえば、代金の支払いで遅延したことがないなど、信用度の高い取引相手なら与信を高めに設定できます。一方で、支払期限を過ぎても代金が支払われなかったことが一度でもある取引相手には、与信を低く設定するなどの対応が必要です。与信管理は、取引先と継続的に取引を交わすうえで欠かせません。
与信管理が重要な理由
与信管理を行わずに取引をした場合、取引相手から売掛金を回収できないなど、自社に損失が発生するリスクが高まります。損失額が大きければ倒産するおそれもあるため、取引前に与信管理をしっかりと行うことが重要です。また、与信管理を行うとともに、関係性を築き上げていくことも大切です。信用調査会社の東京商工リサーチの調査結果によると、1998年に法的倒産(会社更生、民事再生、破産、特別清算)をした企業は16.1%でしたが、2012年には82.7%にまで増加しています。取引相手が法的倒産をすれば売掛金の回収はできないため、取引前に与信管理を行う必要性が指摘されています。
「与信とは?企業にとって重要な与信管理についてポイントを解説」の記事では、与信の基本的な概要から与信管理までを網羅して解説していますので、あわせてご確認ください。
与信管理の基準とは
与信管理を行う際に、まず与信枠を設定する必要があります。与信枠とは与信の限度額のことで、取引相手の与信にもとづいた金額を設定しなければなりません。与信枠の基準は、自社の財務状況と取引先の財務状況の2つに分けることができます。自社の財務状況を基準にする場合は、一定のルールを決めることで複数の取引先に当てはめられます。取引先の財務状況を基準にする場合は、取引先ごとに与信枠の設定が必要です。
与信管理の方法の流れ
何の情報もないまま与信管理を進めれば、リスクに備えた対応ができない可能性があります。とくに財務状況を基準に与信を判断する場合は、取引先の財務状況などの情報が不可欠です。必要な情報を収集してから与信管理を進めるようにしましょう。継続的に取引を行う場合は、取引相手の財務状況などにあわせて与信枠を定期的に見直すことも必要です。
1:取引先の調査
取引先の情報は、大きく分けて外部情報と内部情報の2種類があります。集める情報の種類によって、選ぶべき調査方法は異なります。情報収集を行う際に大切なポイントは、情報源を1つに定めないことです。複数の情報源を持ち、多方面から集めた情報を組み合わせながら取引先の与信を判断しましょう。外部情報の調査
外部情報は、取引先のホームページから情報を集めることができます。具体的には、コーポレートサイトに掲載されている情報を主に調べることになります。他にも、第三者によって提供されている情報から、取引先の与信を判断することも可能です。主に、有料で得られる情報と無料で得られる情報に分けられます。有料情報には、調査会社の独自調査や法務局の商業登記簿などがあります。有料で得た情報は信頼度が高く、取引先の与信を判断する際に有効です。
無料情報を得る場合は、インターネットでの検索が基本になります。たとえば、口コミサイトなどから、取引先の評判や口コミなどを確認したい場合におすすめです。ただし、口コミサイトに掲載されている口コミは、必ずしも正確な情報とは限らないため参考にする程度に留めておきましょう。
内部情報の調査
内部情報を調査する場合は、取引先にヒアリングを行うのが一般的です。取引先で聞き取り調査を行った際の情報を内部情報として取り扱います。ただし、与信管理が目的でも取引先にヒアリングを強要できないため、協力を仰いで情報を教えてもらわなければなりません。また、自社の営業担当者が取引先で得た情報や相手から受け取った名刺情報も内部情報として扱われます。たとえば、取引先を訪問したときの職場の雰囲気や、名刺に記載された所在地にオフィスが実在するのかを確認した際の情報などがあげられます。
2:与信の承認
与信管理を行うプロセスの1つに、与信承認があります。一般的に、与信を承認するまでに時間がかかることも珍しくありません。与信承認は商談、情報収集・審査・判断、契約の交渉の手順で進められます。商談では営業担当者が訪問先でどのような会社なのかを調査し、集めた外部情報と内部情報は取引先の与信を判断する材料になります。
取引先の与信をもとに与信枠を設定し、与信枠にもとづいて取引先との契約交渉を進めていくのが一般的な流れです。
3:与信審査
与信承認後は、集めた取引先の情報を定量分析、定性分析、商流分析の3つの方法で分析します。定量分析とは、企業が公表している決算書などのデータを分析する方法です。定性分析は、数値化できない資金繰りの見通しや販売基盤、経営者の経営判断力などを数値に置き換えて分析できます。商流分析とは、商品などを利用・消費するエンドユーザーとの取引の流れや決済条件など、事業全体を分析したい場合に有効な方法です。
4:与信の後に行う管理
取引の開始後も定期的に外部情報と内部情報を収集することが大切です。たとえば、取引先の情報を定期的に収集していなければ、資金繰りの悪化に気づけません。取引を続ければ、売掛金の回収ができなくなるおそれがあります。与信の後は、債権管理、取引先の見直し、問題案件の管理を徹底しましょう。債権管理とは、取引先が支払いの遅れや与信枠を超えた取引をしていないかを確認し、資金繰りの悪化などを見逃さないようにする管理方法のことです。取引先の財務状況の確認後は、定期的な見直しも必要です。多方面から取引先の情報を集めて分析を行い、必要に応じて取引を中止するなどの判断をします。
問題案件の管理は取引先の倒産などのリスクに一早く気づき、自社の損失を最小限にするための対策を取るうえで重要です。
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与信管理の基準を設ける上でのポイント
与信管理の基準を設定する際にいくつかポイントがあるため、どのような点を意識すればいいのか把握したうえで基準を設けましょう。必要な情報の整理をする
与信管理で必要な情報を整理するためには、まず判断基準を策定する必要があります。たとえば、取引先の会社の規模や資本金の金額、事業内容などの会社の概要をまとめておくことも大切です。また、財務状況を把握するうえで損益やキャッシュフロー、賃借などの決算書に記載されている情報も必要です。
経営者の資質を判断するうえで、経営者や役員の人物像や経歴などの情報が欠かせません。さらに、債権譲渡や不動産、不動産譲渡などの登記にかかわる情報なども集めておきましょう。 他にも、事業の拡大・縮小や投資などの長期に渡る事業計画の情報を収集することで、継続的な取引を行える会社かどうかを判断する際に役立ちます。
与信限度額の設定
与信枠は取引先の信用度に応じて設定するのが基本的な考えですが、自社の経営に悪影響が及ばない範囲内で与信限度額を設けるようにしましょう。信用度の高い取引相手でも与信限度額を高く設定しすぎれば、自社の経営状況を圧迫する可能性があるため注意が必要です。与信限度額を設定する場合、純資産額と信用度ごとに設定された割合(ウェイト)によって判断する方法と、売掛期間もしくは手形期間にもとづいて設定する方法があります。
与信管理で注意すること
与信管理を行う際の注意点は、社内での情報共有と調査費用を決めておくことです。以下で、それぞれの注意点を解説します。情報共有を行う
与信管理では営業担当者が取引先から得た情報が必要になるため、与信管理部門と営業部門間での情報共有が必須です。営業担当者は取引先の与信の判断や定期的な見直しを行ううえで、取引先の内部情報を収集する重要な役割を担っています。調査のコストを定める
取引先の与信を判断する際の調査費用にいくらかけるのかを、事前に決めておくことが大切です。たとえば、1回の商取引で出る利益よりも高い費用を与信調査にかけてしまうと、取引を行う必要性がなくなります。自社で与信調査を行う場合は、調査にかかる費用・時間と調査会社への依頼費用・時間を比較し、費用対効果の高いほうを選ぶようにしましょう。
まとめ
取引先の与信管理は、取引先の情報を集めて与信審査を行い、信用度を判断した後に与信承認します。取引開始後は、債権管理や取引先の見直しなどを実施することが大切です。与信調査にかかるコストを安く抑えたい場合は、与信管理を行えるツールの導入を検討してみましょう。RoboRoboコンプライアンスチェックは、SBI証券推奨ツールとして上場準備に利用できるサービスです。検索結果が残るため、管理ツールとしての機能も備えています。他社のサービスに比べて価格が安いため、コストを抑えたツールをお探しなら、まずは資料請求をお試しください。