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反社会的勢力に関する法律は?各業界の対応や暴排条例を徹底解説

反社会的勢力は健全な経済活動を阻害するものだが、どんな法律があるのかはっきりと知らない人も多いのではないでしょうか。

実は暴力団に対する法律はあるが、反社会的勢力を規制する法律は存在しません。そもそもの法律の制定の経緯や内容、政府指針を受けた各業界の対応について解説していきます。

目次

反社会的勢力に関わる2つの法律

政府指針をもとにした暴力団排除条例とは

業種・業界ごとの反社会的勢力に関する対策と対応

反社会的勢力に対する対応は法律に限られない

反社会的勢力に関わる2つの法律

反社会的勢力に関係する法律は、現在「暴力団対策法」と「犯罪収益移転防止法」の2つが存在します。

これらの法律は本来、暴力行為、覚せい剤、恐喝、賭博、ノミ行為等を規制するため、主に指定暴力団を対象にして検挙するための法律として成立しました。そのため、規制内容はそれまでの暴力団による犯罪が対象となっています。

暴力団対策法は1991年、犯罪収益移転防止法は2011年に公布された法律ですが、急速に多様化サイバー化する反社会的勢力の犯罪に対し、全てをカバーできているとは言い切れません。

しかし、反社会的勢力に対しては無効であるというわけではなく、多くの反社会的勢力の背後にいる暴力団に対して多くの犯罪を規制しています。

それぞれの法律が制定された経緯と内容について詳しく見ていきましょう。

暴力団対策法

1991年に施行された暴力団対策法について詳細に解説をしていきます。

犯罪収益移転防止法

先に施行された本人確認法を取り込んだ犯罪収益移転防止法について解説します。

政府指針をもとにした暴力団排除条例とは

2007年に、政府の「犯罪対策閣僚会議」が「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を公表しました。この政府指針によって、社会から排除し根絶するべき犯罪集団の定義が、暴力団から反社会的勢力に拡大されました。

この政府指針をもとに、各自治体は暴力団を含む反社会的勢力に対して利益供与と供与の享受を禁止する暴力団排除条例を制定しました。

暴力団排除条例には努力義務が設定され、違反すれば行政勧告・公表の対象となります。

この政府指針と暴力団排除条例について、その設立の経緯と内容を解説していきましょう。

企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針とは

2007年、政府の「犯罪対策内閣会議」は暴力団がフロント企業などを使い、不透明化を進展させて、証券取引や不動産取引等の経済活動を通じて資金獲得活動を巧妙化させていることから、これまでの暴力団というくくりから反社会的勢力という大きなグループへと排除対象を拡大した指針を発表しました。

この指針は法的な拘束力は持たず、あくまで反社会的勢力による被害を防止するために企業はどう考え、どう行動するべきであるかを示したものです。

そのため、遵守しなくても即罰則などを受けるようなものではありません。

法務省は「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に関する解説」の中で以下のようにこの指針について定義しています。

本指針は、あらゆる企業を対象として、反社会的勢力による被害を防止するための基本的な理念や具体的な対応を定めたものであり、法的拘束力はない。したがって、本指針の内容を完全に実施しなかったからといって、直ちに、罰則等の何らかの不利益が、与えられるものではない。また、中小企業や零細企業においては、これらの内容を忠実に実施することは困難を伴うため、適宜、企業規模に応じて、指針の5つの基本原則を中心とした適切な対応をすることが大切である。なお、法的拘束力はないが、本指針策定後、例えば、取締役の善管注意義務の判断に際して、民事訴訟等の場において、本指針が参考にされることなどはあり得るものと考えている(例えば、東証一部上場のミシン等製造販売会社の取締役に対する損害賠償請求訴訟における最高裁判決(平成18年4月10日)が参考となる)。

反社会的勢力に対する対策が法的拘束力を持たない指針に留まる理由の一つは、反社会的勢力に暴露しやすい中小零細企業には忠実に全てを実行することが困難であるなどの、企業規模に対する配慮にあります。

また、反社会的勢力については明確かつ限定的な定義を避けているため、各業界や自治体、企業によって定義に幅があります。これは反社会的勢力が時流に合わせて形態を刻々と変えて犯罪が巧妙化するため、柔軟に対応するためでもあります。

反社会的勢力の定義についての詳細は、下記のページを参照してください。

都道府県における暴力団排除条例

政府指針を受け、各自治体は暴力団排除条例を各個に制定しました。2009年に佐賀県で最初に制定され、2011年には全都道府県で制定されたことで、全国で暴力団に対する排除を目的とした条例が完備されました。

暴力団排除条例は各自治体が個別に内容を決定しているため、条文には多少の違いがありますが、どの条例でも反社会的勢力に対する利益供与の禁止と、利益供与の享受を禁止する事項が設けられており、違反すれば行政勧告・公表の対象となります。

また、企業が行うべき反社会的勢力排除のための努力義務として、以下の2点がすべての暴力団排除条例に盛り込まれています。

・取引の相手が反社ではないかの確認をする(反社チェック)

・取引の際の契約で、「暴力団排除条項(反社会的勢力排除条項)」を入れる

取引相手が反社会的勢力ではないことを調査する反社チェックは、努力義務とされていますが、企業のコンプライアンス遵守が求められる昨今、信用調査と併せて実質必須な調査であるといえます。

反社チェックは契約時だけでなく、相手が反社会的勢力に影響されていないか定期的に確認作業を行う必要があるため、多くの企業で反社チェックツールを導入しています。一例として、弊社のRoboRoboコンプライアンスチェックは反社チェック担当者の負担を軽減する特許出願中の独自技術を搭載し、膨大な情報の中から見るべき情報を素早く確認できます。

また、反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項、暴排条項)は、万一相手がチェックをすり抜けた反社会的勢力であることが判明した場合、一切の是正勧告などを必要とせず、事前告知なしで契約を解除する、無催告解除のための条項です。

この条項は自社も反社会的勢力ではないことを宣言し、相手も反社会的勢力ではないことを宣告することで、相互に反社会的勢力ではないと証明する条項でもあります。

この条項の中では自社にとっての反社会的勢力の定義を明確化する必要があるため、契約書の雛形を作成する時は必ず法務関係者に内容の確認を行いましょう。

業種・業界ごとの反社会的勢力に関する対策と対応

政府指針に従って、各業界・業種でも独自に対応を行っており、業界全体が一丸となって反社会的勢力の排除に尽力しています。

業界によって反社会的勢力が関与しようとする部分や法的に理論武装を必要とする部分が異なるため、業界によってさまざまな対策と対応がとられています。

このような多様性、柔軟性を維持するにはやはり、反社会的勢力を明確に定義した法律を制定するよりも、政府指針という形で反社会的勢力による被害を防止し、排除する取り組みを示すことの方にメリットがあるといえます。

では、代表的な業界の対応例を見ていきましょう

不動産業

不動産業界はかねてより暴力団を含めた反社会的勢力による不当な不動産売買などにより、さまざまなトラブルが生じていたため、不動産関係5団体が暴力団等反社会的勢力の排除のためのモデル条項を策定しました。

こうした情勢を踏まえ、警察庁、国土交通省などの関係行政機関と不動産業界団体が連携を強化し、モデル条項の普及と活用の促進などを始めとして、不動産取引からの反社会的勢力排除の取り組みを推進しています。

また、2011年9月30日に、警察庁、国土交通省と不動産業界6団体、全国暴力追放運動推進センター、弁護士からなる「不動産業・警察暴力団等排除中央連絡会」を設置し、さらなる連携強化と排除の推進に力を入れています。

損害保険業界

反社会的勢力による保険金詐欺の被害に対策し、排除するため、日本損害保険協会は会員企業に向けて「損害保険業界における反社会的勢力への対応に関する基本方針」を定めています。

このガイドラインは、組織としての対応や外部機関との連携、取引を含めた一切の関係者段、有事における民事と刑事の法的対応、裏取引や資金提供の禁止の5つの基本方針を示し、すべての会員会社はこの方針を遵守して断固とした態度で反社会的勢力に対応することを定めています。

また、さまざまな保険のパターン別に法的な効力を持つ約款の規定のサンプルを示した「反社会的勢力への対応に関する保険約款の規定例」を公開しており、会員会社が万一反社会的勢力に標的にされた際の刑事及び民事訴訟での理論武装を助け、毅然として反社会的勢力を排除する姿勢を明確にしています。

証券業界

日本証券業協会は2010年5月に制定した「反社会的勢力との関係遮断に関する規則」の中で、会員企業に対して厳しい規則の遵守を求めると同時に、反社会的勢力に対する示して取るべき対応を明言しています。

新しく口座を解説し取引を行う企業・人物に対しては、同協会の反社情報照会システムへの照会を行い、反社会的勢力ではないことを確認することを会員企業に対して義務付け、証券取引への反社会的勢力の関与を排除する徹底した施策を行っています。

また、近年活性化しているクラウドファンディングに関しても、反社会的勢力排除のための契約内容の義務付けを行い、クラウドファンディングを行おうとしている人物や組織が反社会的勢力であることが判明した場合即座にクラウドファンディングに関わる業務を停止するなど、行動指針を示しています。

インターネット上での活発なファンディングは反社会的勢力の資金調達の場として温床となりやすいため、最新の時流に合わせて即時細かな対応を盛り込んだ規則が更新されているのが特徴といえます。

中小企業

2012年3月、東京の中小企業4団体が連携し、警察及び関係機関・団体との緊密な連携を取り、反社会的勢力による介入を排除して、会員企業や組織が健全な発展を目指すため、東京都中小企業4団体暴力団等排除対策連絡協議会が発足しました。

この発足式において、同団体は連名で暴排宣言を出すなど、反社会的勢力からの接触が特に多い中小企業でも積極的に排除に乗り出しています。

東京に限らず、全国商工会連合会では2015年、中小企業庁から指針羞恥の依頼を受け、会員企業に向けて「企業活動からの暴力団排除の取組強化について」という呼びかけを行い、基本原則に則って反社会的勢力からの被害防止に向け、適切に対応するよう協力を求めています。

中小零細企業はその経営体力からなかなか一社単体で反社会的勢力に対しての対策が取りにくい部分があるため、対策と認知が進まない面があることから、業界団体が連携して対応していく傾向が全国に広がっています。

銀行・金融業界

暴力団及び反社会的勢力によって資金のロンダリングや口座の不正利用による被害を受ける銀行業界は、銀行取引からの暴力団排除を推進するため、2008年11月に銀行取引約定書へ、2009年9月に普通預金、当座勘定及び貸金庫の各規定へ、それぞれ暴力団排除条項の導入を開始しました。

また、東日本大震災復興の事業への参入の動きを見せる反社会的勢力が、反社会的勢力の共生者などを利用しながら不正に融資を受け、資金獲得活動を行っている点に言及し、融資取引及び当座勘定取引の契約条項の改正を行い、暴力団排除条項をより明確化して盛り込むことで対策を行っています。

加えて2019年1月には、警察庁と預金保険機構との間において、銀行が扱う個人向け融資取引を申請する者等の暴力団員等該当性について照会に応じるシステムを構築しました。これにより、さらに反社会的勢力排除のための情報共有が強化される見通しです。

反社会的勢力を発見し、排除するために必要な反社チェック

各業界が各業態に合わせてさまざまな対策や条項の設定を行い、積極的に反社会的勢力を遮断しているように、単純に暴力団排除条例にしたがって契約に排除条項を入れるだけでは、反社会的勢力を遮断することは困難です。

自社の属する業界に沿った対策法を業界団体の示す指針などに沿って検討して盛り込むと同時に、取引先に対する反社チェックが必要です。

契約前に発見して取引を拒絶するために事前の調査を行うのは勿論、定期的に反社チェックを行うことによって巧妙に隠蔽していた反社会的勢力を発見したり、反社会的勢力の関与によって共生者となった企業を発見することができます。

反社チェックには弊社のRoboRoboコンプライアンスチェックのような反社チェックツールを活用して自社で行う一次調査と、それをもとに信用調査が行う二次調査があります。

一次調査はインターネット上にある新聞や雑誌、官報、さまざまな噂話、口コミなどの公知情報を収集し、相手企業の公開している企業情報や商標などと併せて実在性や問題点を精査するものです。

この時点でネガティブワードと関連する情報が浮上する場合、取引の交渉を停止し、契約を行わないのが妥当でしょう。

二次調査は一次調査の情報に加え、信用調査会社に依頼してより細かな企業情報や経営実態、経済状態、社長の気質や倒産確率まで調査するものです。この時点で問題が浮上することもあります。

二次調査で問題がなかった企業であっても、前述の通り企業活動の中で反社会的勢力との関係が発生するケースもあります。そのため、半年から一年程度のスパンで一次調査を行い、取引先として問題がないかをこまめに確認する必要があるのです。

反社チェックについてのさらに詳細な解説は、下記のURLを参照してください。

反社会的勢力に対する対応は法律に限られない

暴力団に対する法律は存在するが、反社会的勢力に対しては指針に従って、社会が一丸となり、各業界が努力して社会倫理として排除を推進していることがおわかりいただけたでしょうか。

反社会的勢力は今や暴力団に限らず、急速に多様化し、今までにはない方法で各業界の企業から利益を奪おうと接触してきます。それを排除するためには、指針をもとに柔軟かつ迅速に、断固とした姿勢で対応しなければいけません。

また、業界全体の動きだけでなく、自社での対策も大切です。反社会的勢力に対して法的に理論武装するには、反社会的勢力排除条項を契約書に盛り込む必要があることや、業界団体の指針を遵守する必要があります。

加えて自社でできる反社会的勢力の排除の一環として、反社チェックによって反社会的勢力との接触を避けることも大切です。

弊社のRoboRoboコンプライアンスチェックには反社チェックにかかる工数を削減する特許出願中の独自機能を搭載し、導入することによって日常的な反社チェックの工数を押さえながら、反社会的勢力を積極的に排除できます。

このような各社の対策によって、暴排条例や各業界の指針が活かされ、法律の規制に限らない社会倫理としての反社会的勢力の排除が推進されています。