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海外企業の信用調査の方法と信用調査会社の選び方

「海外にある企業の信用調査はどうやればいいのだろう」「海外企業と取引をすることになったが、信用調査はどこへ依頼すればいいのかわからない」という悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

近年急激に経済活動がグローバル化し、海外との直接的な取引も増加しています。しかし、日本国内と違って、海外の企業についての調査はさまざまな国際情勢や政情もあり、なかなか難しいのが実情です。

今回は海外企業と取引をする場合の信用調査の方法について、自社で行える範囲や、海外企業に対する信用調査は日本企業とは異なる理由を解説しながら、信用調査会社の選び方を紹介していきます。

目次

海外企業に対する信用調査が必要な3つの理由

海外企業との取引に際して信用調査が必要な理由は大小様々ですが、最も大きな理由は3つあります。

まず、国際競争の激化から「信用状」や「前金」のような比較的安全性が高く支払側に有利だった決済条件の利用が困難になりました。

そのため基本的に後払い、掛け払いを行うための与信調査として、経営実態や企業の経営姿勢などを把握する必要性が生じました。また与信的裏付けがないまま取引を行い、債権の回収が困難になるケースが過去にも多数発生しました。

特にアジア地域は政情の不安定などもあり、取引が一方的に中断されたり、代金未払いのまま会社の消息がわからなくなるなどのトラブルは珍しくありませんでした。このようなトラブルを踏まえ、取引前の信用調査は事実上必須となったといえます。

もう一つの理由として挙げられるのが、今まで現地に工場や支社を持つ日系企業中心だった海外取引から、海外現地企業との直接のビジネスが拡大してきている状況があります。

3つ目の理由が中国との貿易拡大です。中国は近年急激に産業力と技術力が向上し国際競争力を高めているため、日本との取引の性質もオフショア生産地から同等以上の技術力を持つ貿易相手国に変化しました。

しかし、中国企業は政治の影響を受けやすく不透明な点が多いため、取引を行う場合は現地情報を調査することは不可欠となります。

それぞれの理由について、さらに具体的に解説していきましょう。

決済条件の主流が代わり、掛売りが主体になった

日本が経済大国として海外取引において主導権を握っていた時期は、決済方法は日本企業にとって有利な条件となる信用状決済や前金取引が主流でした。

しかしグローバル化によって中国を始めとするアジア諸国が価格面での有利性を持ちながら技術力を強化し、国際競争力を高めた結果、競争が激化したことで、今までの決済方法での取引では相手企業の条件受け入れが困難になってきました。

日本企業であるという信頼性だけでは契約交渉での有利性を確保しきれません。相手企業にとって魅力的な決済条件を提案できることが契約獲得に対して重要性を増したため、請求書(Invoice)を発行してから支払いを受ける掛売りでの取引を提案するには与信調査が必要になりました。

海外現地企業との直接取引が増加した

従来の海外取引は、日系法人の海外支社や現地法人化した工場などを中心に、現地でビジネス展開をしていた日系の中小企業が主体となっていました。

しかし、近年の競争激化によって海外における日系法人の市場シェアが低下したため、ビジネスを拡大して維持するために、海外の地場企業との直接取引を行う機会が増加しています。

そのために信用供与が必要になり、まずは相手企業を調査してビジネス展開の情報獲得するために信用調査が活用されています。

中国との貿易拡大による調査の需要

中国の産業力と技術力の向上によって、日本との取引の性質は大きく変化しました。当地の安い人件費を目的とした生産拠点からの輸入から、輸出ビジネスの対象に変わり、貿易の規模が拡大しました。

一方で中国企業は政治の影響を受けやすいため、現時点での情報以上の現地情報がないと先行き不安な部分があります。急な政府の方針変更によってビジネスに打撃を受けた例は過去に多数あり、現在はグローバル化に対応しつつあるとはいえ、不安要素は拭えません。

しかし中国との取引は無視できないほどの規模であるため、現地の情勢を踏まえた信用調査を行い、ある程度の安心を担保した上で取引を進める必要があります。

海外企業の信用調査を行うときに大切な5つの情報

海外企業の信用調査を行うためには、把握しておくべき5つの大切な情報があります。

  • 会社ホームページなどの公開情報
  • 相手企業の担当者に対するヒアリング
  • 登記などの公的な登録情報
  • 格付け機関の情報や、株式市場の動向、開示情報
  • オンラインにある海外企業の情報

これらのうち、格付け機関の情報や株式の動向などは信用調査会社を利用する必要があります。株式動向は自社でも確認できますが、データ化して整理する工数がかかるため、格付け情報とともに提供を受けたほうが効率も良くなります。

また登記情報は現地の法務機関に直接問い合わせて取り寄せる必要があるため、自社の社員を派遣するよりも、現地スタッフを配置している信用調査会社に依頼するほうが、入手が容易になります。

一方で会社ホームページやオンラインで検索できる企業情報などの公的情報は自社でも確認が可能です。また、担当者から直接ヒアリングを行うことも有効な手段です。

ただし、ホームページやインターネット上の情報が英語や日本語に対応しているケースはほとんどないため、ある程度の語学力を求められます。

会社ホームページなどの公開情報

Webサイトの情報や会社案内など、公開されている企業情報を収集することで、実在性や企業活動の頻度を確認することができます。

グローバル時代に海外と取引を行う企業が、Webサイトは設置してあるが更新を放置している場合、インターネットでの情報発信に注力していないことが容易にわかり、信用力に疑問が発生します。

海外の上場していない企業の公開情報は、日経テレコンのFactSet Company Profileを検索することで見つけられる可能性があります。

また、ベトナム企業の場合、地域に特化したStoxPlusベトナム公開企業情報を利用することで上場・公開企業2000社を検索できます。

相手企業の担当者に対するヒアリング

取引を行うための交渉で直接話をする中で、相手企業の担当者から直接企業情報を引き出す方法です。

ビジネスレベル以上の語学力が必要になりますが、聞くべき内容は日本企業に対する信用調査と同様であるため、国内の信用調査を担当した経験があれば、ヒアリング自体はさほど難しい内容ではありません。

オンライン会議や電話、メールなどを通じて情報を引き出し、公知情報などと比較して相違が内科を確認することで、信頼のある情報を提供してくれる取引先であるかを確認できます。

登記などの公的な登録情報

登記情報は日本の国内企業の登記同様、企業に関するさまざまな情報が記載されています。企業の設立年月日や役員の変遷、住所の移転など、過去の営業活動を確認できるため、企業の実在性を把握すると同時に不安要素の有無も知ることができます。

しかし、海外の非上場企業の場合、現地へいかないと登記情報を取り寄せるのは困難です。登記情報を入手するためには、海外企業の信用調査に対応している信用調査会社に依頼するか、現地で信用調査を行う代理法人に依頼する必要があります。

登記情報の取得を代行する企業もあるため、登記情報が必要な時は依頼すると良いでしょう。

格付け機関の情報や、株式市場の動向、開示情報を収集する

Moody’sなどの格付け機関の情報や、株式市場の情報、開示情報を収集することで、企業の競争力や安定性、倒産リスクなどを知ることができます。

海外企業情報を公開しているデータベースを検索し、該当企業の格付けの変遷などを確認することで、企業が成長しているのか、衰退しているのかも把握することができ、与信リスクを避けることができます。

しかし非上場企業の場合、株式市場の動向調査や開示情報の収集は困難であるため、与信審査を行う場合は格付け情報を別の企業から複数取り寄せて比較する必要があります。

オンラインにある海外企業の情報を収集する

国内企業同様に、海外企業もオンラインに様々な情報が公開されています。Webニュースや噂、口コミなどについて反社チェックツールなどを活用して情報を収集することで、国内企業に対する信用調査の一次スクリーニングと同様の情報を入手することができます。

その場合、検索結果を読むには語学力が必要になる場合があります。また、使用する反社チェックツールが多言語に対応している必要があるため、場合によってはツールが使用できないこともあります。

海外企業の信用調査ができる信用調査会社

海外企業について自社で調査ができない範囲の情報については、海外企業の調査に対応している信用調査会社に依頼したり、データベースから情報を探す必要があります。

実際に海外企業の信用調査に対応している信用調査会社はどこなのか、国内の信用調査会社の提携先や、調査にかかる料金などを含めて、海外調査が可能な4社について解説していきます。

帝国データバンク

世界各国の信用調査会社と契約し、海外信用区分など独自の分析を添えた海外企業の信用調査が可能です。原則英文での報告になりますが、台湾、中国、韓国は日本語での報告書作成が可能です。

有償での翻訳サービスや和文サマリーの添付もオプションで追加できるため、英文の報告書では読解に自信がない場合でも対応が可能です。

海外の信用調査費用も日本の企業の調査と同様で、調査対象の企業数によって1万5000円~2万4000円になります。新規調査の場合、調査から報告まで23営業日前後かかります。オプションを追加することで最短7営業日まで短縮することができます。

200カ国2億件以上の情報が取り寄せられる他、オンライン照会もできるため、基本的に現在日本から取引ができるほとんどの国と企業をカバーしています。

国によって報告書が多少異なるため、調査したい企業の所在国の報告書サンプルを確認した上で調査を依頼するほうが良いでしょう。

https://www.tdb.co.jp/lineup/pamphlet.html#overseasLink

東京商工リサーチ

D&B社と提携し、最大級のネットワークを有するD&Bの事業所データ(240ヵ国超 3億件以上)の情報を検索、取り寄せることができます。

検索画面が英語、簡体字中国語、繁体字中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、日本語に対応しており、幅広い言語からの企業情報検索が可能となっています。

世界各国で最も活用され、紛争地域を除く全世界をカバーしているダンレポートを取り寄せることができるため、グローバルスタンダードの格付けによって国を跨いで相手企業の格付けを比較することができます。

費用は取り寄せたい企業の所在国や地域によって異なるため、料金表の確認が都度必須となります。

クレディセイフ

英国の欧州系信用調査会社「Creditsafe」の日本法人株式会社クレディセイフ企業情報が提供するクレディセイフ海外企業情報レポートには、北米、応酬、アジアをはじめとした世界200カ国以上2億4000万件以上の企業情報が収録されています。

オンラインですぐに企業情報を照会することができるほか、新規に調査を依頼することも可能です。

レポートは2種類あり、詳細な企業情報と分析が記載されている英文のフルレポートと、与信管理に必要な情報を集約して日本語に翻訳した基本レポートがあります。

与信調査として資料が必要な場合、基本レポートを取り寄せることで英文レポートを読解する工数が軽減されるのもクレディセイフレポートの利点と言えます。

また特徴的な企業レポート情報として、DBT(Day Beyond Terms)と呼ばれる支払遅延日数の情報を提供しています。これによって直近の支払情報を把握し、与信管理に役立てることができます。

調査費用については非公開であるため、都度見積もりを取り寄せる必要があります。

エクスペリアン

エクスペリアン(Experian)は北米、アジア、ヨーロッパ、アジア、太平洋地域を中心に世界37カ国に拠点を置いて事業を展開している信用情報機関です。

日本法人であるエクスペリアンジャパンは、エクスペリアングループや世界各国の調査期間とネットワークを構築して相互に情報を共有することにより、世界200カ国以上の海外企業調査レポートを提供しています。

エクスペリアンの代表的なレポートとして挙げられる「海外企業統一評価レポート」では、世界各国の企業を統一化した基準で評価し、統計学モデルから独自に導き出したアルゴリズムによって8段階に分類した倒産確率情報を提供しています。

調査の費用は2万2000円からで、通常の納期は約16営業日前後になります。有料のオプションを追加することで納期を短縮したり、レポートの日本語翻訳サービスが利用できます。

海外企業と取引をするなら信用調査は欠かせない

競争が激化するグローバル化時代に置いて、海外との取引とビジネスの大きな展開を目指すのであれば、信用調査は欠かせないことがおわかりいただけたでしょうか。

語学力があれば反社チェックツールを活用して、日本企業と同じように調査が可能ですが、一方で各国の情報を収集するには目的に沿った信用調査会社の利用が欠かせません。

海外企業の信用調査に関しては信用調査会社によって得意なエリアが異なります。そのため、各社のレポートサンプルを比較検討し、情報量などを加味した上で、取引先の所在地に合わせて企業を選ぶのが良いでしょう。